2023.04.11
チャールズ国王と、ヘンリー王子 Photo: Tim Rooke/Shutterstock
ヘンリー王子は、父親であるチャールズ国王から「メーガン妃のために金を払うことができない」と言われ、激怒したという。
これは、王室関連作家ロバート・ジョブソンによる最新著書「Our King」に記されているもので、2016年、ヘンリー王子がチャールズ国王に、メーガン妃と結婚する意志を伝えたときの発言だという。
このとき、兄のウィリアム皇太子も「本気なのか?ハロルド(王子の愛称のひとつ)」と弟ヘンリー王子に問いかけていたとされている。
これを受けチャールズ国王は、ヘンリー王子を祝福するよりも先に、メーガン妃に対して将来的に金を払う余裕がないことを告げた。なお、これはメーガン妃に限ったことではなく、カミラ王妃やウィリアム皇太子一家にも、経済的支援を行う余裕がないという意味だったという。
しかし、ヘンリー王子はこの発言に激怒。親子の関係悪化をまねく一因となったという。
その後、ヘンリー王子はチャールズ国王に何度か金を無心する電話をかけたが、国王はこれに嫌気がさし、応じるのをやめたという。
本の中には、故エリザベス女王から「なぜ電話にでないのか」とたずねられたチャールズ国王が「私は銀行ではない」と答えたというエピソードもつづられている。
著者ロバート・ジョブソンは、ヘンリー王子とメーガン妃による王室批判について、チャールズ国王の「金は払わない」という発言がきっかけになったのではないかと理論づけている。
ヘンリー王子とメーガン妃は2018年に結婚後、2020年にイギリス王室のシニアロイヤルを離脱。現在はアメリカで暮らしている。
2020年に応じた、アメリカの大物司会者オプラ・ウィンフリーとのインタビューで夫妻は、メーガン妃のお腹の中の子供(長男アーチーくん)に対し「人種差別的な発言があった」と告白。他にも王室への批判的な発言を繰り返した。
本の中では、故エリザベス女王もこのような夫妻の態度に「怒りを覚えていた」と記されている。
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Moment Meghan Markle "rejects" royal curtsy caught on camera
2023年4月11日(火)19時20分
ジェームズ・クロフォード=スミス
エリザベス女王とメーガン妃(2018年6月) Peter Byrne/Pool via Reuters
<2019年のイベントでカーテシーを受けるも、自身はハグをしようとして手を伸ばした結果、ぎこちない恰好での挨拶に>
メーガン妃と言えば、ネットフリックスのドキュメンタリー番組で、エリザベス女王との初対面の際に「カーテシー(伝統的なお辞儀の仕方)」をするよう言われて「冗談かと思った」と話して話題となったことが記憶に新しい。そんな彼女がかつて見せた、カーテシーを拒絶するような様子を捉えた動画が改めて注目を浴びている。
ドキュメンタリーシリーズの中で彼女は、ヘンリー王子から祖母であるエリザベス女王との対面の際にカーテシーをするよう言われたエピソードを披露し、おどけたようなカーテシーのしぐさを見せて顰蹙を買った。これ以降、メーガンとカーテシーにまつわる話題は人々の関心を引いてきた。
そして現在、新たに注目されている動画は、2019年にロンドンで開催されたワン・ヤングワールド・サミットの開会式で撮影されたものだ。世界中の各種コミュニティーで若いリーダーを育成・奨励することを目指す組織によるイベントで、メーガンは以前から同組織の支援を行ってきた。
さらにこのイベントは、別の意味でも特別なものだった。エリザベス女王から慈善団体「クイーンズ・コモンウェルス・トラスト」の副会長に任命されてから初めての参加だったためだ。同慈善団体は2019年にワン・ヤングワールドと提携した。
「カーテシーよりハグ」にさまざまな意見が
ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開かれた開会式でステージに呼ばれると、メーガンはワン・ヤングワールドの共同創設者ケイト・ロバートソンに近づき、ハグをしようとして両腕を広げた。だが一方のロバートソンは、王室メンバーに対する敬意を表してカーテシーでメーガンを迎えた。
その結果、カーテシーのためにかがんだロバートソンがメーガンの腰に手を当て、メーガンはロバートソンの首に腕を回すというぎこちない状態になってしまった。その後2人は笑い合い、改めてハグをし合った。
この動画を見たメーガンのファンたちからは、堅苦しいカーテシーを断ってより親密なハグを選んだのだと称賛の声があがった。
TikTokに動画を投稿したsussexfansは、「メーガンはお辞儀を断りハグを受け入れた」という説明を動画に添えた。動画に寄せられたコメントは、その多くがメーガンに好意的なものだった。
「彼女はすべての人を平等に扱う。英王室はそれを知るべきだ!」「真にエレガントなレディ。まさにロイヤルの気品だ」「彼女がどんな扱いを受けたのかが分かった時、彼女に必要だったのがあのハグだ。
彼ら(ヘンリーとメーガン)は王室を去って良かったのだと思う。幸せになって欲しい」といった具合だ。
ただ動画に肯定的なコメントが寄せられた一方で、メーガンはこの数カ月、王室のカーテシーについての発言が原因で批判を浴びてきた。
披露した「中世のようなお辞儀」が物議
そもそもカーテシーとは、英王室の女性メンバーが君主に対して挨拶を行う際に敬意を表する伝統的な形式だ。メーガンも義理の祖母であるエリザベス女王の存命中、2018年のヘンリーとの結婚式の日をはじめとして、女王に対して何度もカーテシーを行った。
英王室のメンバー同士でお辞儀やカーテシーを行うことはなく、イギリスの一般市民が王室メンバーに対してカーテシーを行う慣例や暗黙の決まりもないが、多くの市民が自らの意思でカーテシーを行うことを選ぶという。
メーガンはネットフリックスのドキュメンタリーシリーズの中で、女王に初めて紹介された時のことを説明する中で、中世のような大げさなお辞儀をして見せ、これに対してソーシャルメディアのユーザーや数多くの評論家から「伝統をバカにしている」と、批判の声が上がっていた。
メーガンが前回、公の場でカーテシーを行ったのは、2022年9月に行われたエリザベス女王の葬儀の時だった。この時はカミラ女王やキャサリン妃、シャーロット王女やエジンバラ公爵夫人(ソフィー妃)など、英王室のほかの女性メンバーも女王の棺にカーテシーをして別れを告げた。
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木村正人欧州インサイドReport
2023年04月11日(火)17時11分
チャールズ英国王(3月31日) ADRIAN DENNIS/Pool via REUTERS
<戴冠式行進を4分の1に短縮するなど生活苦の市民に配慮する一方、数々の問題を抱えるチャールズ国王が肖像画で打ち出した新たな英王室のイメージ>
[ロンドン]5月6日に迫ってきたチャールズ英国王の戴冠式の行進ルートが発表された。慈善活動家ら2000人以上の国内外ゲストが招待され、日本からは秋篠宮ご夫妻が参列する。
生活費の危機に市民が苦しむ中、「小さな王室」を目指す国王の意向で行進は故エリザベス女王の戴冠式(1953年)の8キロメートルから4分の1の2キロメートルに短縮された。
国王夫妻を乗せた御車はバッキンガム宮殿を出発、ザ・マルを通ってトラファルガー広場南側を曲がり、ホワイトホール(英国の官庁街)を下って移動、戴冠式が行われるウェストミンスター寺院に到着する。御車はギシギシと音を立てながら進むため「悩ましい揺れ」(ビクトリア女王)、「恐ろしい」(エリザベス女王)と評判が悪かったが、改良された。
英王室は内外に深刻な問題を抱えている。王室を離脱したヘンリー公爵(王位継承順位5位)、メーガン夫人との対立を和らげるため、国王は2人に戴冠式の招待状を送った。
奴隷貿易について「個人的な悲しみの深さ」を表明している国王は旧植民地国の批判を受け、17~18世紀における英王室と奴隷貿易の関係を調べる研究に協力すると表明した。
女王の戴冠式が行われた53年、英国は依然として砂糖と肉が配給制で、各都市の至る所に爆撃の跡が残されていた。
いま英国をインフレと生活費の危機が直撃する。国王は戴冠式のパレードを大幅に短縮し、公務を担う現役王族の数を絞り込むなど、すでに王室のスリム化に着手している。
君主に属する公有地を管理する法人「クラウン・エステート」の洋上風力発電所のリース契約による増益を公共の利益のために使う方針も打ち出している。
肖像画の貴金属・宝石類は権力、富、地位の象徴だが
英名門ケンブリッジ大学で学んだ国王は貧困問題や環境問題に取り組み、2021年には、環境に優しい取り組みに投資するよう企業を促す持続可能な市場構想「テラカルタ(地球憲章)」を発表している。国王の権限を制限し、人々の基本的な権利と自由の信念をうたった1215年の「マグナカルタ(大憲章)」がモデルだ。
ニュースをイラスト入りで伝える雑誌イラストレイテド・ロンドン・ニュース戴冠式号で発表された初のチャールズ国王の肖像画について、英紙タイムズは「王族の肖像画に描かれる貴金属・宝石類は通常、権力、富、地位を意味する。
しかし、チャールズ国王の治世で初めて描かれた肖像画には全く異なるメッセージを持つブレスレットが描かれている」と報じる。
作者の画家アラステア・バーフォード氏(36)はロンドンの外国人特派員協会(FPA)で取材に応じ、「2月にバッキンガム宮殿で開催された生物多様性のためのレセプションで国王に謁見し、2週間で完成させました。その際、国王はアマゾン先住民のドミンゴ・ピーズ氏から気候変動と持続可能性を象徴するブレスレットを贈られました」と打ち明けた。
チャールズ国王が即位してから初の肖像画を描いたアラステア・バーフォード氏(筆者撮影)
イングランド南西部ドーセット州出身のバーフォード氏はエリザベス女王の奨学金を受け、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ・ブオナローティを生んだフィレンツェに留学した。
15年には今回と同じイラストレイテド・ロンドン・ニュースの依頼で国王の母を描いている。
「戴冠式で変わるのは国家ではなく個人」
「国王に実際に謁見できるとは思ってもいませんでした。2月ごろに連絡があり、謁見できると言われました。バッキンガム宮殿で生物多様性を支援するレセプションがあり、私は1時間にわたって、国王の前にいて出席者と交流している様子を観察しました」とバーフォード氏は振り返る。
「カメラを持ち込むことを許されませんでした。スケッチブックと鉛筆を持っていくことは許され、携帯電話で何枚か写真を撮ることはできると言われました。
そこにいたフォトグラファーの1人にこれでは国王の肖像画は描けないとこぼすと、彼は王室の許可を取った方が良いとアドバイスしてくれました。国王はバッキンガム宮殿の3つの部屋を案内されました」
「最初の部屋で先住民のリーダーたちと会い、ブレスレットやネックレスを贈呈されました。
ネックレスの方はちょっと華美な感じがしました。ブレスレットの方が身近な感じがしました。
君主の肖像画の多くは国王や女王という個人が見失われてしまう傾向があると思います。
個人は肖像画に描かれたローブや内装、建物の豪華さに埋没してしまいがちです」
「戴冠式によって変わるのは国家ではなく、個人です」とバーフォード氏は言う。
「そこで私は国王が王室の伝統や文化の中にいるのではなく、もっとカジュアルな服装で、もっとカジュアルに描くことで国王という役割よりも個人を表現したいと思いました。
チャールズ国王は明らかに環境問題の王様です。このブレスレットもある種の幻想なのです」
気候変動と持続可能性への取り組みこそ、国王のライフワークなのだ。
国王が人々と接する時の繊細さと共感
肖像画にはバーフォード氏自身の国王に対する幻想が描かれている。
「レセプションで国王を観察していた時、印象的だったのは、彼が人々と接する時の繊細さと共感でした。私はそれを伝えたいと思いました。
バッキンガム宮殿に行き、レセプションを見学することで、自分が国王に共感できるようになるとは思ってもいませんでした」
「私が絵を描く時に求めているのは繊細さと共感です。できる限り繊細で共感的な肖像画を描こうと思っています。それは彼と出席者のやり取りを観察していると伝わってきました。
撮影した多くの写真やさまざまな報道写真を調べている時、特に母親の葬儀での彼の写真を見ていると涙が出そうになることがありました。それを絵の中で伝えたいと思ったのです」
バーフォード氏は600枚ぐらい写真を撮って家に帰り、心に残った印象と、写真をひっくり返して2週間で肖像画を描きあげた。
難しかったのは時間的な制約より、自分が描いている作品と一定の距離を置くことができなかったことだ。
作品から離れることで自分の作品について考える間ができる。その時間がいかに重要であるかに気づかされたという。
「その2週間は絵を描いていないと罪の意識を感じていました。技術的な問題もいくつかありました。
油絵には乾かす時間が必要ですが、最終的には何とかなりました。私が感じたのは国王の温かさ、思いやり、共感だったのです。
彼は、人々が自分に何を伝えようとしているのか、本当に耳を傾け、気にかけているように見えました」とバーフォード氏は話した。
チャールズ国王が即位してから初の肖像画を描いたアラステア・バーフォード氏(筆者撮影)
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この筆者のコラム
プロフィール
木村正人
在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
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