性的スキャンダルで公務を引退しているアンドルー王子。チャールズ国王を激怒させているもよう。
By Yoko Nagasaka2023/04/11
アンドルー王子(Prince Andrew)Samir HusseinGetty Images
性犯罪者のジェフリー・エプスタインとの関係や未成年に対する性的虐待疑惑が理由で公務を引退しているアンドルー王子。現在ウィンザー城の領地内にあるロイヤルロッジに住んでいるが、チャールズ国王から退去を求められている。
このロッジは推定価格3,700万ドル(約49億円)と言われる豪華な建物。
国王はロイヤルロッジから王子を退去させるため、代わりにかつてヘンリー王子とメーガン妃が暮らしていたフロッグモアコテージを提供すると申し出ている。
ヘンリー王子たちは戴冠式が終わるまでにフロッグモアコテージを退去する予定だが、アンドルー王子は引っ越しを拒否。国王はこれに激怒し、疲れ果てているという。
関係者は新聞「ニューヨークポスト」に「このロッジが高位のロイヤルのシンボル、つまり家族の財産の中で重要な位置を占めると見られていることからアンドルーは出たくないと考えている」。ロイヤルロッジに比べて格下のフロッグモアコテージには住みたくないという。
気になるのはなぜ王子をロイヤルロッジから退去させようとしているのか。王室関係者は「ウィリアム皇太子がこのロッジに住みたいと考えている」と語る。
皇太子一家は昨年、同じくウィンザー城の領地内にあるアデレードコテージに引っ越したばかり。しかしその後皇太子になり仕事が増えたため、これまで以上にオフィススペースが必要になっている。
「一家にとってコテージはすでに手狭になっている」と関係者は語る。このコテージは寝室が4部屋と小さめの物件。かつては王室スタッフの住居として使われていた。
マーガレット王女と恋に落ちたことで知られるピーター・W・タウンゼント大佐もここに住んでいたことがあるが、その狭さを「独房のようだ」と表現していた。
カミラ王妃(Queen Camilla)、チャールズ国王(King Charles)、アン王女(Princess Anne, Princes Royal)、アンドルー王子(Prince Andrew)Max Mumby/IndigoGetty Images
王室コメンテーターのジョシュア・ロム曰く「新しい役割を担っている皇太子がロイヤルロッジに住むことは理にかなっている。
アンドルー王子はもう公務についているロイヤルではない。だからオフィスを持つ必要もないし、要人を迎えることもない」。
王子は先週末開催されたイースターの礼拝にロイヤルファミリーと共に出席。
国王やアン王女と連れ立って歩いて物議を醸していた。ロイヤルロッジからの退去を拒み続ければさらなる批判の声が上がるのは間違いなさそう。
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チャールズ国王の新しい伝記本が間もなく出版される。上級スタッフや高位のロイヤルたちのヘンリー王子とメーガン妃に対する正直な反応についても触れられている。
By Yoko Nagasaka2023/04/10
ヘンリー王子(Prince Henry)、メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)Chris JacksonGetty Images
チャールズ国王の戴冠式を前に、王室の伝記作家ロバート・ジョブソンが間もなく新しい伝記本『Our King: Charles III: The Man and the Monarch Revealed』を出版する。この本ではチャールズ国王とヘンリー王子の関係についても触れられている。
一足早く本の一部を入手した新聞「デイリーメール」によると、チャールズ国王が即位した後、ヘンリー王子の爵位を剥奪するという案が「最高レベルで話し合われた」という。
最高レベルとは高位のロイヤルたち。ジョブソン曰く「王子からサセックス公爵という爵位を剥奪することが話し合われた。国王は賛成していないと言われているが、他の高位のロイヤルたちはそれほど甘くはない。
国王の息子に対する愛情は変わらないが、それでも王子が王室を批判し続ければ国王はプレッシャーにさらされることになる。そうなると国王には選択肢が2つ残される。
自分の治世に広がる汚点に耐えるか、その汚点を広げないために行動を起こすか」。
その行動が爵位の剥奪。「王子と妃はカリフォルニア州モンテシートのマウントバッテン=ウィンザー夫妻に降格するかもしれない」。
国王はヘンリー王子との距離が広がるのを「悲しんでいる」とも。ヘンリー王子の2人の子どもたち-アーチー王子とリリベット王女にもっと会いたいと考えているという。
チャールズ国王(King Charles)、ヘンリー王子(Prince Henry)John PhillipsGetty Images
ジョブソンは王室スタッフたちのヘンリー王子に対する反応についても紹介している。王子と妃が王室を離脱したとき上級のスタッフの間では「妃が王子を唆した」「悪いのは妃」と考える人も多かった。
メグジットと呼ばれたのもその表れ。伝記によると「王子は妃の人質になっている」「ストックホルムシンドロームにかかっている」と冗談にするスタッフもいたという。
同時に一部の上級スタッフは「王子が自らそれまで自分が生きてきた世界に背を向けた」「王室離脱も王室批判もすべて王子が原動力となってやっていることだ」と考えているという。そういうスタッフたちは王子が爵位を剥奪されるのを見たがっているとジョブソンは書いている。
王子と妃にとって爵位は「元ロイヤル」をアピールする上で重要なもの。
チャリティ組織のアーチウェルも「サセックス公爵夫妻」という肩書きで運営している。
昨年11月まで配信されていた妃のポッドキャストもホストは「サセックス公爵夫人メーガン」だった。国王が剥奪に踏み切ることがあるのか、注目が集まっている。
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チャールズ国王の戴冠式まで1か月を切った。出席する他国のロイヤルが徐々に正式発表されている。
By Yoko Nagasaka2023/04/11
チャールズ国王(King Charles)、アルベール2世大公(Prince Albert II of Monaco)Pool/Tim Graham Picture LibraryGetty Images
現地時間5月6日(土)に開催されるチャールズ国王の戴冠式。各国王室や皇室から誰が出席するのかが徐々に発表されている。日本からは秋篠宮ご夫妻が出席することが報じられた。
各国王室・皇室とも戴冠式には国王や女王ではなく、王位継承者や妃がロイヤルファミリーの代表として参加する場合が多い。
デンマークのマルグレーテ2世女王はフレデリック皇太子とメアリー皇太子妃を代理として出席させると発表している。
一方、スウェーデンのカール・グスタフ6世国王は君主自らが、次期国王のヴィクトリア王太子と共に出席することを発表した。
またモナコ公国のアルベール2世大公もシャルレーヌ公妃と出席することを認めている。
ヴィクトリア王太子(Crown Princess Victoria of Sweden)、カール6世グスタフ国王(Carl XVI Gustaf of Sweden)PoolGetty Images
アルベール2世大公は雑誌『ピープル』に戴冠式についてコメント。「素晴らしい式典になるのは確実だろうし、とても感動的なものになるだろう。
チャールズ国王が君主になってから連絡を取り合っているがエリザベス女王の葬儀以来、個人的には話をしていない」と語った。
さらに「国王が式に個人的なタッチを式に加えるのは間違いないと思う。それがどのようなものかは私にはわからないけれど」とも。
今回の戴冠式はエリザベス女王のときよりも規模を縮小して行われる。ゲストは 8,251人から約2,000人に。
時間も女王のときは3時間近くかかったが今回は1時間だという。また戴冠式の後のパレードは約2キロになることが発表された。
ウェストミンスター寺院から国会議事堂広場、ホワイトホールを通ってトラファルガー広場、アドミラルティ・アーチを経てザ・マルを通りバッキンガム宮殿に戻る。
女王はピカデリーサーカスやオックスフォードストリート、リージェントストリートなどロンドンの中心地も周り、8キロの道のりをパレードした。
全体的にコンパクトな式を目指すところも、王室をスリム化しようとしている国王らしいといえそう。他にどんな独自の演出を加えるのか楽しみにしたい。
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イタすぎるセレブ達 2023.04.12 09:54 NEW!
writer : tinsight-ikumi
ウィリアム王子(当時)のアフガニスタン派遣を希望したエリザベス女王。しかし王位継承者のウィリアム王子には「リスクが高すぎる」と判断していた(画像は『The Royal Family 2017年6月16日付Instagram「The Queen and The Duke of Cambridge are visiting the Westway Sports Centre in London following the fire at Grenfell Tower.」』のスクリーンショット)
生前のエリザベス女王が、ウィリアム王子(当時)とヘンリー王子にアフガニスタンの戦場へ赴くことを希望していたことが明らかになった。
元英陸軍大将が女王との私的謁見を回想し、王位継承者のウィリアム王子を戦場に送るには危険すぎるが、“スペア”であるヘンリー王子へのリスクは許容範囲であると女王が判断したことを明かした。
英王室の新たなドキュメンタリー番組『The Real Crown: Inside the House of Windsor』が、英ITVによる動画配信サービスITVXで英時間4月20日に配信開始される。
これに先立ち、英ニュースメディア『The Sun』『Daily Mail Online』などが番組の一部内容を紹介した。その中で、元英陸軍大将のマイク・ジャクソン卿が王室の厳格なプロトコルを破り、生前のエリザベス女王との私的な謁見の詳細を公にしているという。
2001年にアフガニスタン紛争が発生した時、ジャクソン卿は生前のエリザベス女王と個人的な謁見を行い、ウィリアム王子(以下、当時)とヘンリー王子を戦場に派遣するかについて話し合った。
ジャクソン卿は女王との会合について「その場で起こったことや発言は、そこにいた2人だけの問題です。そして今、私はその時の詳細を暴露してはいけないという規則を破ります」と告白した後、女王が話した内容を暴露したのだ。
「女王はとても明確でした。彼女は『私の孫達は、英陸軍の兵士として従事することに同意しています。だから彼らは、その任務を果たさなければならないのです』と言いました。」
この時、女王は2人の孫を戦場に派遣してタリバンと戦うことを希望したものの、王位継承者のウィリアム王子と“スペア”であるヘンリー王子に対して、異なる決断を下したとジャクソン卿は述べている。
「しかし女王は、王位継承者であるウィリアムにはリスクが高すぎると判断しました。しかし彼の弟(ヘンリー王子)については、そのリスクは許容範囲だったのです。」
さらに当時、MI6(英国情報局秘密情報部)のトップであったジョン・スカーレット卿によると、女王は孫達を派遣するかの決断をするにあたって多くの考えを巡らせていたという。
スカーレット卿は「女王はアフガニスタン紛争に関する機密情報にアクセスできるため、長い間にわたって誰よりも並外れた量の情報を持っていた」と明かし、このように続けた。
「ウィリアムは(戦場に)とても行きたがっていました。女王はとても慎重であり、完全に信頼できる方でした。(戦争に関して)細部に至るまで、完全に把握していたのです。当時の私は『女王陛下は我々よりも詳しいんだ』と思ったことを覚えています。」
ウィリアム王子は2005年にセント・アンドリューズ大学を卒業した後、サンドハースト王立陸軍士官学校で44週間の訓練課程を修了し、2006年12月に陸軍士官に任命された。
その後、近衛騎兵隊「ブルーズ・アンド・ロイヤルズ」に少尉として所属し、1年後には中尉に昇格した。陸軍での任務終了後、2008年には英空軍と英海軍の所属となった。
ヘンリー王子は10年間英陸軍に従事し、大尉の階級まで昇進。2007年~2008年、2012年~2013年の二度にわたり、アフガニスタンの最前線に派遣された。
2人の父チャールズ国王は戦場に派遣されなかったが、ヘンリー王子と同様に“スペア”である国王の弟アンドルー王子は1982年のフォークランド紛争に赴き、ヘリコプターのパイロットとして任務に就いた経験がある。
画像は『The Royal Family 2017年6月16日付Instagram「The Queen and The Duke of Cambridge are visiting the Westway Sports Centre in London following the fire at Grenfell Tower.」、2016年11月13日付Instagram「The Duke of Cambridge, Prince Harry and @hrhthedukeofyork at today’s Remembrance Sunday service.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
AERA dot.4/12(水)10:30
3月29日、即位後初の外国公式訪問で独ブランデンブルク空港に降り立ったチャールズ国王とカミラ王妃。英国の君主がドイツを訪れるのは、2015年のエリザベス女王以来(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
国王チャールズ3世がまもなく戴冠式を迎える。70年ぶりの戴冠式を前に、英国民からさまざまな声があがっている。AERA 2023年4月17日号の記事を紹介する。
* * *
5月6日の英国王戴冠(たいかん)式が近づいている。70年ぶりの戴冠式とあって、多くの国民には初めての経験である。新国王チャールズ3世(74)は、4歳の時に母エリザベス女王の戴冠を見守った。それから70年。新国王は、戴冠式を迎える最高年齢の国王である。
女王が息を引き取ったのは、昨年9月8日。今回はほぼ8カ月後の戴冠式だが、女王の場合は、父ジョージ6世の死去から1年4カ月後に行われた。つまり、女王の時と比べておよそ半分の準備期間でその日を迎えることになる。圧倒的人気を誇った女王を継ぐ国王は、全幅の信頼を得るため責任感と安定感を示す必要があるだろう。しかし同時に、女王より20歳以上年下の国王は、現代的な王室改革を断行する。特に若い世代の王室離れが進む今、歴史と伝統を守るだけではアピール不足と考えたためだ。
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5月6日の英国王戴冠(たいかん)式が近づいている。70年ぶりの戴冠式とあって、多くの国民には初めての経験である。新国王チャールズ3世(74)は、4歳の時に母エリザベス女王の戴冠を見守った。それから70年。新国王は、戴冠式を迎える最高年齢の国王である。
女王が息を引き取ったのは、昨年9月8日。今回はほぼ8カ月後の戴冠式だが、女王の場合は、父ジョージ6世の死去から1年4カ月後に行われた。つまり、女王の時と比べておよそ半分の準備期間でその日を迎えることになる。圧倒的人気を誇った女王を継ぐ国王は、全幅の信頼を得るため責任感と安定感を示す必要があるだろう。しかし同時に、女王より20歳以上年下の国王は、現代的な王室改革を断行する。特に若い世代の王室離れが進む今、歴史と伝統を守るだけではアピール不足と考えたためだ。
王室改革は戴冠式にも及ぶ。戴冠式は国費による式典のため、厳しい経済状況下にある国民に配慮し規模を縮小する。
女王の戴冠式は3時間を超えたが、今回は1時間を少し超す程度だ。ゲスト数も女王の時は8千人強だったが、2千人に絞った。
当日の午前、バッキンガム宮殿を出発してウェストミンスター寺院に向かう手段は慣例を変更して車を使用する。ただ、宮殿に戻る際には今まで通りゴールド・ステイト・コーチ(金の馬車)に乗る。
ゲストのドレスコードも「日中向けフォーマル」など簡略化を求め、国王の足元にひざまずいて忠誠を誓うしきたりもできるだけ省略する。
軽く短く小規模な式典は国王の目指す「スリム化」と一致する。ただ反対する声も少なくない。「イギリスを世界にアピールする貴重な機会なのに、なぜわざわざ簡素にするのか」などである。
また、英国での報道によると、国民が驚いた改革に、カミラ王妃(75)の孫の戴冠式への参加がある。
王妃と前夫との間の1男1女に合計5人の孫がいる。王妃は戴冠式で孫たちに大きなチャンスを与えたい。
式の中で最も重要とされる塗油の儀式は神聖な秘儀としてテレビ中継も許されない。国王と王妃が天蓋に入り、エルサレムから運ばれた聖油を頭や手のひらなどに塗油される。
この間、孫たちが天蓋を支える。孫たちは10代で、これまで公式な場に出たことはない。王妃が慣例を破って「ティアラを新調しない」としたときには拍手が送られた。
しかし、国民には名前も顔もなじみがない孫を一気に晴れの舞台に押し出す決定とそれを支持した国王の姿勢に、王妃の発言力が急速に増していることが実感された。
今後、孫たちが公務の一部を担い、家族行事に加わるのではないかと言われる。これは、王室の多様化や包摂性を示す試みとの説明がされている。
そうなると、王位継承順位2位のジョージ王子(9)に何もさせないわけにはいかない。
ジョージ王子とシャーロット王女(5月2日に8歳)、それにルイ王子(4月23日に5歳)も参列するが、特にジョージ王子には重要な役割を担わせる。
おそらくページボーイ(式典などで式服の裾を持つ男児)のような目立つ役と予想される。ただ、ウィリアム皇太子夫妻は荷が重すぎないかと心配している。
カミラ王妃の孫たちに加え、皇太子夫妻の子ども3人が役割を持つと知ると、カリフォルニア州在住のヘンリー王子(38)とメーガンさん(41)が口を開いた。
カミラ王妃の孫たちに加え、皇太子夫妻の子ども3人が役割を持つと知ると、カリフォルニア州在住のヘンリー王子(38)とメーガンさん(41)が口を開いた。
アーチー王子(戴冠式当日に4歳)とリリベット王女(1)にも役目がほしい。しかしゲストの出欠の回答期限は4月3日だったが、王子夫妻は明確にしていない。
それなのに夫妻は、子どもたちにバッキンガム宮殿のバルコニーから手を振らせ、国王を含め王族との写真に加わらせたい。さらには、国王にアーチー王子の誕生日に触れ祝福のスピーチをしてほしい……。
(ジャーナリスト・多賀幹子)
※AERA 2023年4月17日号より抜粋
※AERA 2023年4月17日号より抜粋
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