黒人のリアルも英国の現状も正確に把握していないと批判。
By Yoko Nagasaka2023/06/28
トレバー・フィリップス(Trevor Phillips)Jeff OversGetty Images
イギリスの元政治家で作家でもあるサー・トレバー・フィリップス。両親はコモンウェルスの加盟国であるガイアナ共和国からの移民であり、彼自身も幼少の一時期をガイアナで過ごした。
政治家時代には平等人権委員会の委員長を務め、現在も人種問題や人権活動に取り組んでいる。その彼がテレビ番組に出演、メーガン妃に苦言を呈した。
妃は英国王室内に人種差別があると批判、自分に対するイギリスマスコミのバッシングの背後にも人種差別的な蔑視があると指摘している。
しかしフィリップスは「妃はヘンリー王子と結婚したとき、現場で黒人になる方法を学ぶべきだった」「でもそのアドバイスを聞き入れず、失敗してしまった」と分析している。
フィリップス曰く「メーガン・マークルの正体についてみんな思い違いをしていると思う。本人もプリンセスになるまで自分を特に黒人だと思ったことがないと言っていたし、それは理解できる」。
妃は確かにポッドキャスト「アーキタイプス」で「夫と交際を始めたとき、自分の人種について考えるようになった」と発言している。またフィリップスは「彼女は全米でも最も裕福な黒人居住地域で育った」とも。黒人のリアルな状況を妃は知らないと指摘している。
アーチー王子(Prince Archie)、メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)、ヘンリー王子(Prince Henry)Pool/Samir HusseinGetty Images
フィリップス曰く「黒人のバックグラウンドを持つ人なら誰でも、人種問題が妃の領域ではないということを知っていた」。
妃は彼女が長男アーチーを妊娠中に王室内で「肌の色はどの程度黒いだろうか」と発言した人物がいると告発している。しかしフィリップス曰く「それはどの黒人家族でもあることだ。赤ちゃんが生まれるときにはそう推測する」。
白人の家庭でこれから生まれる赤ちゃんの髪や目の色について話題にするのと同じだと話す。
妃が黒人であることがどういうことかを学ばなかったせいで「王子と妃はイギリスについて重要なことを示す機会を台無しにしてしまった」とフィリップス。
「イギリスは先進国の中でも混血人種の人口が最も多い。しかもそれは強制や支配からではなく恋愛による結果だ。彼らはその旗手になり得たはずだ」。
トレバー・フィリップス(Trevor Phillips)、チャールズ国王(King Charles)Anwar Hussein Collection/ROTAGetty Images
フィリップスは先週のウィンドラッシュデーにも新聞「デイリーメール」に人種問題と妃の関係について語っている。
ウィンドラッシュデーとは第2次世界大戦後にイギリスにやってきたカリブ諸国からの移民を祝福する日。移民を乗せた船エンパイア・ウィンドラッシュ号が着港した日にちなんでいる。
フィリップス曰く「王子と妃はイギリスだけでなく全世界にとって(人種問題に関する)発見と和解の道標になり得たはずだ」「それなのに2人は人種問題に関してこの国がどのような国なのかを示す絶好のチャンスを無駄にしてしまった」。
イギリスが人種的多様性を受け入れている国だとアピールできたと指摘している。彼のこの見解には反論や批判の声も上がっている。ちなみに前出の彼が出演していた番組のホストはピアース・モーガン。妃を批判、中傷して度々物議を醸してきた人物である。
Spotifyとの契約の解消が明らかになってから大手タレントエージェンシーのジェレミー・ジマーやSpotifyの重役ビル・シモンズらが妃と王子を批判している。しかし妃たちはあまり気にしていないよう。
関係者は雑誌『Usウィークリー』に「王子と妃はこういった意見にうんざりしている」「2人は人生の次の章に集中し、エキサイティングなプロジェクトをたくさん用意している。より強くなって戻ってくる準備はできている」。
フィリップスの「アドバイスを聞き入れないせいで……」という言葉が繰り返されないことを祈りつつ、王子と妃がどう強くなって戻ってくるのか見守りたい。
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2023.06.28
キャサリン妃 Photo: Tim Rooke/Shutterstock
キャサリン皇太子妃には、故エリザベス女王から引き継がれた、ある「ファッションのルール」があるようだ。
ここ数カ月、ウィリアム皇太子の妻キャサリン妃は、鮮やかな赤や黄色など、大胆なカラーのファッションを選んで身に付ける傾向にある。
キャサリン妃 Photo: Tim Rooke/Shutterstock
ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃夫妻 Photo: Paul Grover/WPA/Shutterstock
「チェルシー・フラワーショー」を訪問したキャサリン妃 Photo: Hyde News and Pictures/Shutterstock
The Mirror紙によると、これは、昨年9月にこの世を去ったエリザベス女王のルールによるものだという。
エリザベス女王の三男エドワード王子の妻エディンバラ公爵夫人ソフィー妃は、2016年に公開されたドキュメンタリー映画『The Queen at 90』の中で、女王があえて鮮やかな色を選んでいた理由を説明している。
「人々が、『私は女王をこの目で見た』と言えるように、あえて目立つ格好をしているのです」と述べたソフィー妃は、女王の周りにはつねに多くの人々が集まることから、「女王が通り過ぎるときに、女王の帽子だけでも『見た』と言えるようにしたい」との市民の要望を受けて、女王がこのルールを取り入れたと明かした。
なお、The Daily Beast紙によると、エリザベス女王は生前、「私はベージュを着られません。なぜなら、そうすると誰も私だと気づけなくなるからです」と語っていたという。
そんなエリザベス女王のルールを引き継いでか、キャサリン妃は6月23日(金)、イギリス王室主催の競馬「ロイヤルアスコット」に、アレキサンダー・マックイーンが手がけた鮮やかな赤のドレスと、同じく赤色の大きな帽子をかぶって登場。ハイヒールも赤で統一し、ゴールドと真鍮(しんちゅう)の大ぶりなイヤリングを合わせた。
昨年までは、どちらかというと落ち着いた色味のドレスで参加していたキャサリン妃。今月初めにも明るいエメラルドグリーンのコーディネートを披露しており、今後もそのファッションに大きな注目が集まりそうだ。
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