旧・鮎の塩焼キングのブログ

80年代を「あの頃」として懐かしむブログでしたが、子を亡くした悲しみから立ち直ろうとするおじさんのブログに変わりました。

明日は次男の誕生日!そんな日に見た夢

2025-01-06 16:24:00 | 日記

明日は次男の誕生日。

次男が生まれるかもしれないからと、我が家では1月6日に七草粥を食べるようになった17年前の今日。台所からはカミさんが七草を刻む音が聞こえます。


そんな日だからか、次男が夢に超久しぶりに現れました。


私の背中あたりにいた子供が居間の真ん中で寝転がっている三男に嫌がらせをしに飛び出しました。


なんと、可愛い三男のプリケツに顔をうずめ、ぐりぐり押し付け始めるではありませんか!!

嫌がる三男。そりゃそうだ。


爆笑しながら顔を上げたのは次男でした。

次男特有の悪い笑顔が堪りません。

夢と認識していない私としては、2度びっくりです。

あれ?次男ってもう亡くなってなかったっけ?


現実を忘れさせる笑顔が脳裏に焼き付きました。これはこれで嬉しいものです。


でも夢で出てきたのはそれだけ。

あとは三男ばかりでした。


実は三男の言葉遣いがあまりに悪いので説教した後、お昼寝したため、三男が気になっていたのでしょう。夢の主役は三男でして。


怒っちゃったお詫びじゃないけど学校に行くのに駅まで送るよと車を出したら、なんと車道にいきなり飛び出して轢かれかける三男。


幸い無傷でしたが避けた車が大破!中から中東の方がわらわら出てきて大パニック!スマホに通訳してもらおうと車に取りに戻ったら、なぜか亡き父のそっくりさんが車から降りてきて、尚パニック!まあ、夢らしいこと。


その後、スマホを持ってデパートの中を徘徊するという、夢らしい訳のわからなさでした。


亡き次男のことばかり考えてしまいますが、生きて成長し続けている長男と三男を最優先に考えなければいけません!それを改めて考えさせてくれた夢でした。


もう次男には会えないから、次男のことを思うのは夢だけでいいです。


長男や三男にはずっとそばにいて欲しいから、たまには厳しいことも言ってしまいますが、目一杯愛して、立派な大人になれるように支えていきたいと思います。


夢から覚めても特に泣くこともなく、冷静に過ごせるくらいには次男のことも整理がつきました。風邪をひいて寝込んでばかりの正月でしたが、明日からは仕事を頑張りたいと思います。




冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第1話 その24

2025-01-06 11:57:00 | 小説

亡き次男に捧げる冒険小説です。


二四

 《タツノオトシヨ》では《コボルド》は一般的な人型生物である。ただし「邪悪」な人型生物として知られており、森や平原の厄介者である。《コボルド》は、《竜》と狩猟犬を足して二で割ったような見てくれをしている。知能は高くなく、他の人型生物に使役されている者がほとんどである。強い者と徒党を組んで寒村や旅人を襲うのが《コボルド》である、というのがこの世界の一般的な認識であった。

 そんな悪評の多い《コボルド》が十数メートル先の川向こうから声をかけて来た。どうやら三人の役に立ちたいと思っているようだ。

 三人に緊張が走る。《コボルド》が単独で行動するわけがない。どこかに主である《ゴブリン》や《オーガ》が潜んでいるのか?先ほどの戦闘の傷も癒えぬうちに連戦ともなれば、下手をすると命取りだ。三人の背中に冷たいものが流れた。

 「僕たちはお前の助けを必要としない。帰れ。」

三人の年長者であるハーラは代表として言葉を発した。毅然とした態度で《コボルド》を追い払おうと、語気を強めて命令した。《コボルド》はやれやれというように首を大きく振る。

「オデは敵じゃないぞ。でも怖がるのはよくわかる。元気そうだから言われた通り帰るよ。じゃな!」

そう言い残すと、這い出て来た藪にまたゴソゴソと潜り込んで行ってしまった。あまりにも素直な《コボルド》の行動に、呆気に取られた三人はしばし口を開けて、《コボルド》が潜り込んだ藪を眺めていた。無言で藪を見つめていると、藪の中から大きな声がした。

「チッチ様、オデは要らねーってさ。」

先ほどの《コボルド》が誰かに声をかけている。

「ヴァッロ!声が大きい!いいから早く帰ってこい!」

《コボルド》とは明らかに違う声が、もっと大きな音で森に轟いた。ごめんなさいよー、とヴァッロと呼ばれた《コボルド》の声がしたきり、渓谷は元の静けさを取り戻した。

 「何だったんだろうね、今の。」

誰にともなくテーリが話しかけた。

「わからないが、我々を狙っているという感じじゃあなかったな。なんか可愛かったし。」

ハーラが返事をした。ハーラの言う通り、ヴァッロは《コボルド》にしてはどんぐり眼で愛嬌のある顔つきをしていた。喋り方や這いずり方も、人間の幼児のような癖のあるもので、可愛いと言われればその通りとしか思えない愛くるしさがあった。


【第1話 二五に続く】

次回更新 令和7年1月8日水曜日 午前8時


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用語解説

《ゴブリン》

《タツノオトシヨ》では一般的な人型生物。ロールプレイングゲームの最序盤に現れる雑魚モンスター。基本的には邪悪な存在。D&Dではプレイアブルキャラクターの一つ。


《オーガ》

《タツノオトシヨ》では一般的なモンスター。知能が低いためより高位のモンスターに使役されることも多い。巨人に分類されるが、巨人の中では小型の部類である。


《謎の冒険者 ヴァッロ》

どこか憎めない、愛嬌のある《コボルド》。流暢な標準語を話すが、所々イントネーションがおかしい部分もある。「チッチ」という男の従者であるらしい。テーリたちに近付いた目的は不明。