亡き次男に捧げる冒険小説です。
二三
三人の心が一つとなり、一緒に旅をしようと話がまとまった。喜びに声をあげた正にその時、対岸の藪がガサガサと音を立てて、大きく揺れた。何事かと三人が警戒の目を向けると、のそのそと《コボルド》が這い出て来た。
「おう、三人とも無事だったか。オデ(俺)は何かの役に立つか?」
流暢な共通語を話す《コボルド》を見つめ、三人は首を傾げるのだった。
「また変なのが出た…。」
ナーレが独りごちた。
【第1話 二四に続く】
次回更新 令和7年1月6日月曜日 午前8時
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用語解説
《コボルド》
ロールプレイングゲームでは序盤に登場する雑魚モンスター。D&Dではプレイヤーの選択できる「人種」の一つである。自分たちは《竜》の血をひく存在であると信じている。