石ころ

神の真実による救いの備え(ヨハネの福音書19章)

 

ユダヤ人たちは彼に答えた。「私たちには律法があります。その律法によれば、この人は死に当たります。自分を神の子としたのですから。」
ピラトは、このことばを聞くと、ますます恐れを覚えた。(7~8)

 

律法を盾にしてイエスを十字架に付けたことによって、結果的には彼ら自身で神の計画を遂行したのである。しかしその役割りは悲惨であり、神から出た方法ではなく、彼ら自身が選び取ったことである。

 

人は色々な役割りを負って生きてそれを成す。しかし彼らの負った役割りほどに、その子孫に悲惨を負わせるものはないだろう。それでも神は、約束の民イスラエルを切り捨てることはなさらないが、この言葉の代償はあまりにも重いものとなる。

 

若いころの妻をどうして見捨てられるだろうか(イザヤ54:6)

神はイスラエルを妻と呼んで永遠の愛を誓っておられる。神が真実なお方である故に、人はその真実な方の御前で口に出した言葉の責任を、三代四代に渡って負うことがあるのだ。


彼らの責任は、その目で生ける神の子イエスの御わざを見て、その耳で直接みことばを聞いたことにある。そう、彼らは神が人となられた驚くべき恵みの目撃者としての責任である。

 

此処でピラトはイエスを確信したのである。彼がイエスを見た時に感じた権威が何であるを・・。

 

そして、再び総督官邸に入り、イエスに「あなたはどこから来たのか」と言った。しかし、イエスは何もお答えにならなかった。(9)

イエスの沈黙は、ピラトはもう知っているからである。

 

そこで、ピラトはイエスに言った。「私に話さないのか。私にはあなたを釈放する権威があり、十字架につける権威もあることを、知らないのか。」
イエスは答えられた。「上から与えられていなければ、あなたにはわたしに対して何の権威もありません。ですから、わたしをあなたに引き渡した者に、もっと大きな罪があるのです。」(10~11)

 

今、地においてはピラトの権威を用いることが出来る。しかし、イエスは初めからの御父の計画を成し遂げるために来られたのであり、ピラトは自身の救いを求める立場に在るのだ。
そう責任はピラトには無く、イエスを殺すためにピラトに渡したユダヤ人に在るのだ。

 

ピラトはイエスを釈放しようと努力したが、ユダヤ人たちは激しく叫んだ。「この人を釈放するのなら、あなたはカエサルの友ではありません。自分を王とする者はみな、カエサルに背いています。」
ピラトは、これらのことばを聞いて、イエスを外に連れ出し、敷石、ヘブル語でガバタと呼ばれる場所で、裁判の席に着いた。(12~13)

 

ピラトは自分の立場を悟ったのである。イエスの言葉の通りになるようにと、そのことに意識は届いてないくても、彼は神の計画を進めるために自分のやるべきことを行う。

 

その日は過越の備え日で、時はおよそ第六の時であった。ピラトはユダヤ人たちに言った。「見よ、おまえたちの王だ。」
彼らは叫んだ。「除け、除け、十字架につけろ。」ピラトは言った。「おまえたちの王を私が十字架につけるのか。」祭司長たちは答えた。「カエサルのほかには、私たちに王はありません。」(14~15)

 

彼らは此処で、自分たちの救い主として来られたイエス・キリストを殺し、カエサルを選ぶと告白したのである。

 

それでも神の真実な愛の備えにより、世の終わりにはイエスの御名を呼んで礼拝し、御救いをたまわるようになるが、彼らはその傲慢と頑なさの故に、激しい試練を通ることになり多くの犠牲を出すのである。

創造主なる神の御真実は、反逆の民にも変わることは無くその御約束は永遠に変わらない。

 

わたしはほんの少しの間、あなたを見捨てたが、大いなるあわれみをもって、あなたを集める。
怒りがあふれて、少しの間、わたしは、顔をあなたから隠したが、永遠の真実の愛をもって、あなたをあわれむ。──あなたを贖う方、主は言われる。(イザヤ54:7~8)

 

キリストの花嫁であるキリスト者も、自分自身の何かに基礎を置く愛ではなく、ご真実な神の永遠の愛に守られて、聖霊の助けのうちに日々に主を告白しつつ、荒野の世にも生かされ御許にゴールインする者である。


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