私が子供の頃から、都心では空き地みたいなものは、次々と消えていった。
だが、公園だけは、あちこちにあり、遊び場としては、ちゃんと機能していた。
それぞれの公園には、私の中でそれぞれの記憶があった。
公園には、滑り台や砂場などの遊び場があるのは、皆さんもご存じの通り。
私の家の近くにも公園があったのだが、その公園には、他の公園ではあまり見ない(少なくても私は見かけなかった)遊具があった。
それはプロペラのような・・・というか、スクリューのような遊具で、コーヒーカップの取っ手みたいなものが二つあり、地面に突き立てられた支柱にそのふたつの取っ手がついていた。
取っ手の大きさは、子供ひとりがちょうどつかまって、足もかけられる大きさだった。
で、その取っ手は、手で押すことにより、支柱のまわりをぐるぐる回ることができた。
つまり、その遊具は、子供がつかまって乗れる取っ手が、ぐるぐる回る遊具だった。
子供たちは、他の公園ではあまり見かけないその遊具に乗っては、いつもグルグル回して遊んでた。
私も例外ではなかった。
もの珍しさもあって、その遊具に乗ってスピードをあげ、長時間まわり続けた。
なんてったって、遊園地とは違い、ただで乗れる回転遊具。お得な気がして、普段中々遊園地に行けない私はリベンジみたいな気分で、ひたすらただで乗り続け、まわし続けた。
そうしたら・・・
あまりに回り続けたので、目も回ってしまった。
普通、目が回る前にやめそうなものだが、どっこい、悪乗りしてしまった私は調子に乗って、中々降りようとはしなかったのだ。
どれぐらい乗って回っていただろう。
いい加減飽きてきて、降りたら・・・・どうも気分がおかしかった。
単に、回り続けたから目が回って、ふらふらしていた・・というだけではない。
私は・・・
気持ちが悪くなってしまっていたのだ。
降りて、初めて気づいた・・・という愚かさ(笑)。
その日は・・・・・それ以後ずっと気持ちが悪くて・・・・やがて吐いてしまった。
まったく
なんでそんなになるまで乗ってるかなあ。
そんなになるまで回ってなくてもよさそうなものだ。
その公園は、学校からの帰り道ぞいにあったので、学校からの帰り道を歩いている時、いつもその公園が目に入った。
しかも、その「回る遊具」は公園の手前側にあったものだから、公園方面を見れば、否が応でもその遊具が目に入った。
回り続けて気持ち悪くなって以来・・・私はその遊具はおろか、その公園にすら行かなくなってしまった。
せっかく家から一番近い場所にあったのに・・・。
それ以来、遊園地に行って回転遊具に乗るたびに、その公園の回転遊具を思い出してしまうようになり、回転遊具に乗ると気持ち悪くなりそうに思えてしかたなくて、けっこう長い間遊園地でも回転遊具は苦手だった・・・。
公園にあったあの回転遊具は、その後公園自体がリニューアルされてからは、見かけなくなってしまった。
撤去されたようだった。
もしかして・・・私のような悪乗りする子供がたくさんいて、遊んでて気持ち悪くなってしまう子がけっこういたのだろうか。
子供ってのは、自分の体力のペースもわきまえないまま、ただただ目の前の遊びに熱中し続けるから・・・困ったもんだ。
あの回転遊具って、なんという名前だったのだろう。
あまりに早く回すことができる、無料の回転遊具で子供を遊ばさせる時は、気をつけましょう。
とはいえ・・最近は、公園から回転遊具は減りつつあるらしい・・・という話も聞いている。
そのへん、どうなんだろう。
確かに、私の周りの公園からは回転遊具は・・・あまり見かけなくなっている気はする。
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