時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ジョン・レノンとムード歌謡

2017年07月26日 | 音楽全般

以前どなたかがテレビかラジオの番組に出演された時、ジョン・レノンに関する面白い話題を紹介していた。

 

ご存知の方も多いかと思うが、生前ジョンはヨーコと共に「おしのび」でよく日本には来ていた。

実際、軽井沢や銀座などで、ちょくちょくジョンとヨーコの2ショット姿は目撃されていた。

 

まあ、妻が日本人なわけだし、日本は妻の母国。おしのびで何度か来ているというのは、不自然ではない。

 

で、おしのびで何度も日本に来れば、日本の文化に触れることも色々あったはず。

音楽もまた文化のひとつであるし、ジョンが日本の音楽を聴く機会は、それなりにあったようだ。

 

で、誰かがジョンに、日本の音楽を聴いた感想を聴いたのか、あるいは、日本の音楽を聴いたジョンが自ら語ったのか、どちらかはわからないが、ともかく日本の音楽の印象を語ったことがあったらしい。

 

日本の音楽・・・とはいっても、この場合、日本の伝統的な音楽ではなく、日本で流行っていた大衆音楽のことだ。

 

で、日本で流行っていた・・・今で言うJ-ポップ(当時は、ニューミュージックなどと呼ばれていたはず)を聴いて、ジョンは、「ほとんどの曲は、僕ら(ビートルズ)がやったことを焼き直しているだけで、つまらない」という主旨の感想をもらしていたらしい。

これは公な発言ではなく、むしろプライベート感覚での「日常会話」でもらした発言だったはず。

 

だが。

そんなジョンにしても、日本の大衆音楽を聴いて、興味を示したジャンルがあったらしい。

 

あのジョン・レノンが興味を示した「日本の大衆音楽」とは、どんなジャンルであったか。

 

それは・・

 

なんと。

ムード歌謡であったらしい。

 

特に、ムード歌謡特有のサックスの入り方に。

 

「これはビートルズの焼き直しではない。」「ビートルズの音楽には、こういう要素はなかった」「ビートルズの影響を受けていない独自の世界」と感じたらしいし、実際にそういう主旨の発言をしていたらしい。

ともかく、関心を持ったらしい。何かを感じたらしい。

 

 

今思えば、ムード歌謡は、ビートルズとは別口の流れの上にあったのかもしれない。

 

後年、ジョンがアメリカに戻り、ニューアルバムを制作した時、日本のムード歌謡からインスピレーションを受けて、それを自らの音楽に取り入れて、曲とそのサウンドを作った。

しかも、その曲はシングルとしてもヒットした。

 

で、

 

その曲とは何か?

 

それは

 

「女は世界の奴隷か?」という曲であった。

ジョンのシングルヒット曲のひとつなので、ご存知の方も多いのでは?

 

 

私がこの逸話を聴いて、あらためて「女は世界の奴隷か?」という曲を聴きなおした時・・・「あ・・・なるほど・・!!言われてみれば、確かに相通じるものはある!」と思った。目からうろこであった。

 

ちょっと「女は世界の奴隷か」という曲のサウンドを聴いてみてほしい。

特にサックスの入り方を。

 

言われてみれば・・確かに日本のムード歌謡によく入ってきていたサックスのムードに似ていないだろうか?

 

 https://www.youtube.com/watch?v=zDPzYGEVmCA

 

日本のフォークやロックやポップスはジョンに影響は与えられなかったし、「ビートルズの焼き直し」と感じられて、当時のジョンには「つまらない」と思われてしまったが、ムード歌謡は・・あのジョンにインスピレーションを与えたのだ・・・。

 

この逸話を聴いた時、私はかなり驚いたし、興味津々だった。

まさかムード歌謡が、あのビートルズのジョンに・・・!

 

日本のフォークやロック、ポップスは確かにビートルズから受けた影響は大きかったと私も思っていたが、きっとムード歌謡も何らかの形でビートルズの影響は受けてる部分はあるんじゃないか・・と、当時の私は私は思っていた。

 

だが・・当のジョン本人にとっては、ムード歌謡はビートルズの流れとは別の流れの音楽に聴こえたんだね。

 

私はムード歌謡に熱中したことは、それまで正直あまりなかった。

だが、このことを知ってから、ムード歌謡に一目置くようになってしまった。

「失礼しました」という気持ちで。

それ以来、私がムード歌謡を聴く時の感じ方は変わった。

このへん、私も現金なものだ(笑)。

本当なら、こういうことは日本人である自分が自分で気づかなければいけないことだったのかもしれない。

その一方で、外国人だったからこそ、・・いやこの場合、ジョンがビートルズ当事者だったからこそ、感じたことであったのかもしれない・・という思いも私の中にある。

 

 

ともかく・・

 

ジョンにそう思わせ、なおかつ自身の音楽に取り入れさせてしまうなんて・・日本のムード歌謡、たいしたものだし、恐るべし。

 

 

 

ちなみに、ジョンの「女は世界の奴隷か」は原題が「Woman is the Nigger of the World」だ。

この原題の中の「Nigger」という言葉がアメリカでは差別用語とみなされており、そのせいか、この曲は当時アメリカでは放送禁止に指定された。

 


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8 コメント

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初めまして。 (鮎川愛)
2017-07-27 09:31:24
「山賊の歌」検索にて、こちらに到着致しました洋楽ファンの鮎川愛(38歳主婦)でございます。

私が最も愛するミュージシャンは、エルヴィス・プレスリーですが、ジョン・レノンとポール・マッカートニーも絶対鉄板です!

さて、ジョン・レノンによる「女は世界の奴隷か?」と日本ムード歌謡の関係ですが、私は「無い!」と判断します。

ジョン・レノンによる、このセンセーショナルな歌は、アルバム『サムタイム・イン・ニューヨークシティ』に収録されております。


このアルバム発表は、1972年です。

1972年は、ジョン・レノンが妻子引き連れてのお忍び日本旅行をする数年前です。

即ち1972年当時のジョン・レノンは、アメリカ合衆国政府を相手にグリーンカード取得闘争真っ最中であり、日本旅行はまだ実現していないのです。

ニューヨークシティにある自宅で、日本ムード歌謡に影響を受けたという可能性も、極めて低いと考えます。

いかがお考えでしょうか?
返信する
Unknown (だんぞう)
2017-07-27 18:21:34
はじめまして。
鮎川愛さん、書き込みありがとうございます。

この逸話は、私はあるテレビ番組でどなたかが語っていたのを見て知った逸話なので、真偽のほどは断言はできないです。
ただ、この逸話を聞いてから改めて、女は世界の奴隷かという曲を聴きなおしてみたら、サックスの入り方にムード歌謡に通じるエッセンスを私が感じたのも事実です。
なので、少なくとも私個人的には、ありえると思いました。

ただ、、、そうですか、この曲を作った時期、レノンは日本にはまだ来れなかったんですか。
だとすると、日本でレノンはムード歌謡を聴いたわけではないかもしれないですね。

もしかしたら、ニューヨークでヨーコがレノンに日本の曲を聴かせた可能性もありますね。
ヨーコは日本人ですし、日本の文化をレノンに伝えようとして、伝えたものの中に日本の音楽が入っていたとしてもおかしくない気はします。

日本の音楽をレノンが聴いてどう感じるか、、、は、ヨーコにとっても興味があったとしてもおかしくないと思えます。

なんにせよ、貴重な情報とご指摘、ありがとうございます!
返信する
Unknown (だんぞう)
2017-07-27 18:35:26
それはそうと、鮎川さん、30代の若さで、エルヴィスやレノンやポールがお好きだなんて、お目が高い!

エルヴィスは私はアルバムは持ってませんが、エルヴィスの曲や映像ばかりを流すパブに私は昔、常連として通ってた時期もありました。
その店は、私の友人がやってた店だったからでした。

客の中にはエルヴィスのそっくりさんもよく来てました。
皆さん、エルヴィスのカラオケがうまくて。
そこであれこれエルヴィスの曲を聴かされたもんでした。
その影響で、けっこうエルヴィスの曲も好きになったもんでした。
返信する
Unknown (だんぞう)
2017-07-27 19:04:25
ムーンライトスィム
アイウォントユー・アイニードユー・アイラブユー
ザッツオールライトママ
アメリカの祈り
ポークサラダアニー
今夜はひとりかい
レットイットビーミー ほか、、、
、、、いやあ、好きな曲は多かったなあ。
すいません、なんだか懐かしくなって、浸ってしまいました。
返信する
御返信ありがとうございます (鮎川愛)
2017-07-28 07:07:54
ジョン・レノンは、彼の最も代表作と言われる「イマジン」も、「中国古代思想『老子』の影響を受けた」など、東洋文化に近いイギリス・ミュージシャンだった説は、ありますね。


さて、エルヴィス・プレスリー・パブ、私も行きたったですね!

そっくりさんにも、会いたかったです(*^^*ゞ

一方、ビートルズ・パブは、千葉県船橋市暮らしの私でも、東京に出ていけば、たくさん見つかります。

ビートルズ・パブは、一般客でもジョン・レノンやジョージ・ハリスンに似ている人も多いです。

※私は、女優・水沢アキさんによく似ていると言われます(^^;)

エルヴィス・プレスリーは、前期ロックンロールも、もちろん最高です。

当時、まだ少年時代だったジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、フレディ・マーキュリーなど、後世スーパースターとなる彼らが一瞬にして、エルヴィス・プレスリーの歌声と容貌に一瞬にして夢中になったことは、頷けます。


しかし、私は、後期末期エルヴィス′75年〜′77年を最も愛しています。

この頃のエルヴィスは、もはや「近い死」を悟っていらっしゃったのか、全ての歌が哀しく響いてきます。


特に′77年「マイ・ウェイ」は、至上最高のエルヴィス・プレスリー・パフォーマンスです!

さて、これからも、たくさんの音楽にまつわるエピソード、楽しみにしています♪ヽ(´▽`)/

今後とも、よろしくお願い致します。
返信する
Unknown (鮎川愛)
2017-07-29 12:55:00
私、パソコン本当に苦手ですから、タブレットなど、私は何のことか、わかりません(;゜0゜)


ガラケーで充分だとする半面、スマホの方がYouTubeも完全に観られるので(ガラケーは7分以上のYouTubeが閲覧不可)、どちらも長所ありますね(^-^;


こうなったら、エルヴィス・プレスリー・パブ、私が所持しているCDや書籍で復活させたいですねρ( ^o^)b_♪♪


ついでに邦楽では、グループではゴダイゴ、チェッカーズ、ハウンド・ドッグなど。

ソロでは、中島みゆきさん、井上陽水さん、谷村新司さんなど、大ファンですo(^-^)o

返信する
Unknown (だんぞう)
2017-07-29 14:13:11
私もパソコンはあまり得意じゃないですから、ノープロブレムですよん。

ちなみに私もガラケーのほうが性にあってます。
通話なんか、絶対ガラケーのほうが便利。
持ちやすいし、電池の持ちもよいし、安全性も高いですもん。

負けるなガラケー!

プレスリーパブのネットでの復活、喜ぶ人はけっこういそうな気がします。

ガンバ!です!
返信する
Unknown (鮎川愛)
2017-07-31 10:40:58
東京原宿にあったエルヴィス・プレスリー専門店、2009年に閉店したことが明らかになりましたΣ(ノд<)


インターネットでは、販売は続けているそうですが、店頭で見て買う楽しみには、絶対勝てないですよね!


御存知と思いますが、東京原宿には、エルヴィス・プレスリー専門店の地下1階にローリングストーンズ専門店、レッド・ツェッペリン専門店がありました。


それらも、まとめて消滅したということですね。

レッド・ツェッペリンは、私は全く詳しくないですが、「ロックンロールらしいロックンロールのデザイングッズ」が大好きでした。


ビートルズ専門店は今でも健在ですが、ビートルズはグッズもファンもありふれていますからね。

こうなったら、エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー、リトル・リチャード、カール・パーキンスなど直輸入グッズも含めて営業開始したいですねヽ(*´▽)ノ♪


小さなBARも兼ねて♪


名付けて、「ハウンド・ドッグ」か「マイ・ウェイ」いかがでしょうか?(*´∀`)ノ
返信する

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