時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ケンカ友達 への手紙

2010年12月03日 | 懐かしい系、あれこれ
小学年時代、私にはケンカ友達がいた。
O君・・ということにしておこう。

そう「ケンカ友達」という表現がぴったりくる感じの間柄だった。
なにしろ、よくケンカした。

殴りあったり、蹴りを入れあったり、とっくみあいになって組み付いたり、組み付かれたり。押さえつけたり、押さえつけられたり。

彼は、クラスでも「暴れん坊」な奴だった。
私は決して「暴れん坊」ではなかったと思うが(少なくても自分ではそう思ってる)、ケンカを売られたら、たいして怒ってなくても「そのケンカを買って」いたようだ。

当時の私は、相手が私に殴りかかってきたり蹴りを入れようとした時に、おとなしくしてるような少年じゃあなかったのだろう。やられっぱなしでいるなんて、考えられなかった・・・のだと思う。


なので、彼とはよく取っ組み合いのケンカをしてたのだろう。



なぜか二人とも、教室で一番後ろの席に配置されることが多く、気づけばしょっちゅう「隣同士」の席でもあった。

ケンカばかりしてる割には、授業中に教科書のネタに意見が合うことも多かった。
なぜか二人とも「田舎」が好きだった。
都心に暮らしているがゆえの「無いものねだり」だったのかもしれない。

国語や社会の教科書で、田舎の風景が出てくると、私とO君は顔を合わせて「このページを授業でやるの、楽しみに楽しみにしてたよな!」なんて言い合ったりしたことをよく覚えている。

放課後、しょっちゅう一緒に遊んだ・・というほどではないが、それでもたまに一緒に遊んだりもしてた。


私が今でも覚えてるケンカは、休み時間だったか、放課後だったかさだかではないが、教室の後ろの黒板の前の「空きスペース」で、取っ組み合いのケンカをした時のこと。

組み伏せ、組み伏せられ、再び組み伏せ・・・そんな攻守逆転が続き、やがて私は四つんばい状態の体勢になったО君の背中に乗っかり、「馬乗り」のポーズをしたシーンだ。

そのケンカの最中、私たちをとめる級友もなく、なぜか皆が私とО君を取り囲むように見物していた。

・・と、ここで、私は、ケンカの最中でありながら、「お客に見られている」という心境になってしまったのだった。
О君はどういう心境だったかは分からない。
だが、少なくても私は「見られている、注目を浴びている」という強い意識を持ってしまった。


となると、とっさに、観客(?)を楽しませようという気になってしまったのだ。

ケンカの最中でありながら。

一瞬四つんばい状態になったО君の背中にまたがって馬乗りになった時、私は右手で相手のうなじをギュッとつかみ、左手は上に上げ、


「ハイ、ドウドウ!」


と、馬をあやすような仕草をして、口を大きく開け、目は観客(?)たち一人一人に視線を合わせ、遊んでるようなパフォーマンスをしてしまった。
すると、ケンカしてるはずの私たちを息を殺して見てた観客たちはドッと笑ってしまった。
真剣にケンカしてる最中で、観客への「受け狙い」に走った私の狙い通りであった(爆)。


この時、О君が何をどう感じたかはさだかではない。
私はともかく、このケンカで、皆を楽しませようという気持ちのほうが強くなってしまったのだった。


でも、その笑いのおかげで、先生に通報されずに済んだのではないだろうか。


そのケンカが結局どんな結末を迎えたのかは、よく覚えていない。

なんか、うやむやになってしまったような気がする。

私が「受け狙い」に走ったことで、真剣にケンカしてたО君は馬鹿馬鹿しくなってしまった可能性がある(笑)。



一緒に遊ぶことがあったとはいっても、親友というほどではなかった。
まあ、不思議な関係だった。
まさに「ケンカ友達」としか言えない関係だった。


そんなО君だったが、小学校を一緒に卒業した覚えが・・ない。

気づいたら、私の学校にはいなくなってしまっていた。
多分・・家の都合かなんかで、引っ越して転校していったのだと思う。
どこに転校していったのだろうか。

前述の通り、彼と私は「田舎好き」という点では相通じるものがあったので、できれば彼は、その後田舎のほうに転校していった・・と思いたい。



ひとくちに「友達」と言っても、色んな友達がいるものである。
皆さんには、こんな「ケンカ友達」はいなかっただろうか?

ケンカ友達ってのは、不思議な関係。
なので、それだけに、後になって思い出すと、けっこう「忘れられない奴」だったりする。


おい、О君。覚えてるかい。
僕だよ。
あの頃、君としょっちゅう取っ組み合いのケンカをしてた、僕だよ。

今、どこでどうしてるんだい?
君は田舎が好きだったよな。
僕も好きだった。

そんな、心の中に相通じるものもあったから、君と僕とはいがみ合うだけの関係にはならずに済んだし、ケンカしてない時はそれなりに友達でいれたんだと思う。
僕は今でも「田舎」は好きさ。

君は暴れん坊で、ケンカっ早いものだから、クラスの皆はどっちかというと、君を避けていたような感があった。

今思えば、あの時、君とあんなに真っ正面から付き合ったのは、もしかしたら僕だけだったかもしれないよなあ。



君はどうだい。
相変わらず「田舎好き」でいられてるのかい?

その後、君が好きだった田舎で暮らすことはできたのかい?




P.S.  写真は、私が通った小学校の写真ではありません。

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