筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

いじらしかった「WALL・E」

2009-01-28 17:35:55 | 映画 数字・アルファベット

めちゃくちゃ出遅れたけれど、ようやく観てきた評判の「WALL・E」。いや、いじらしいロボット達がとってもとってもよかったです!

荒廃した未来の地球でたった一人ゴミ処理を続けるロボット、ウォーリー。友達は一匹のゴキブリのみ。突然やってきた地球探索ロボットのイブと手をつなぐことを夢見るうち、宇宙へ繰り出すことになる

ドラマでも、出だしの数分がつまらないと客はそっぽを向くと言う。この「WALL・E」の出だし数分には、圧迫処理したゴミの山が、廃墟と化した高層ビルと同じような高さ、数にも上るという映像がとても衝撃的。未来の地球はこんなに荒廃して一体どうなったんだとすごい引き込みになっている。

何と言っても、そこで一心にゴミ処理をするウォーリーが可愛い。いじらしすぎる 動きも、職務に忠実なところも、ロボットなのに表情豊かなところも。ゴミと間違えられそうな汚れたウォーリーとは対照的なピカピカのイブにしても、表情や行動だけで感情がハッキリわかる。

そもそもこの映画、ウォーリーとイブは、名前を呼び合う以外のセリフがほとんどない。そんな中で、ウォーリーのイブへの一生懸命な想いや、イブがだんだんウォーリーに惹かれていく様子が鮮やかにわかる ものすごい映像表現力だと思う。

個人的なお気に入りは、小型のお掃除ロボットくん これ、ちょこまかと自分の仕事に熱心で、しかもちょっとしたお手柄まである……かわいすぎる。
それと、ウォーリーのおうち 雑貨(?)がキッチリ整理されたすばらしい収納力の棚。ああ、あんな押入が欲しい……。

映画館で観て良かった 公開中に間に合って良かった……そう思えた逸品でした


「DEATH NOTE」後編&「L change the WorLd」

2009-01-27 15:29:10 | 映画 数字・アルファベット

1/9と1/16に日テレにて放映のDEATH NOTEシリーズ。全部一度は観ているのだが、できれば「DEATH NOTE」前編からやって欲しかった。

「DEATH NOTE」後編(2006年):名前を書くとその人間を殺すことが出来るDEATH NOTE。それを手にした夜神月(やがみらいと)は正義のために犯罪者を制裁していくうち、たがが外れていく。そしてFBIのLとの壮絶な頭脳戦が始まる。
「L change the WorLd」(2008年):細菌兵器から人類を救うため、Lが残った23日の命を賭けて奔走する

「DEATH NOTE」は、マンガが原作で、なるほど荒唐無稽な絵空事~などと最初は斜に構えて見ていたのだが。

法でそれ相応の刑を受けない犯罪者がわんさかいて、それを解決することのできる手段がDEATH NOTE。主人公が最初は正義のためにそれを使っていたのに、だんだんと自分を神と取り違えて人の命を簡単に扱うようになっていく……そんな背景と過程がすごくリアルで、はまってしまった。

更にこの後編は、月とLとの頭脳戦が見応えがある。お互い先の先を見越した化かし合いで、息もつけない

藤原竜也は、可愛い顔立ちなのにこういう少し狂った感じの役がよく似合うのはどうしてなんだろう。華があってすさまじい迫力もある。

だけどこの映画に限っては、松山ケンイチが主人公を食ってしまったと思う。頭が切れて鋭くて冷静なのに、不健康な顔色、丸まった背中、常に甘い物をかじる習癖、物を持つときは親指と人差し指、妙な文節で区切るしゃべり方。不気味なのを通り越して見惚れてしまった

そういう人気が出たからなのだろうか、続編「L change the WorLd」が作られたのは。
こちらはDEATH NOTEとは離れた話なのだが、正直、細菌の感染というネタはもう見飽きたというか、またこれか……という感じ。現在公開中の「感染列島」、2007年の「アンフェア the movie」。続きすぎ。

そういうわけで、ストーリーはともかくとして、見所はやっぱり松山くんのL。この直後くらいに主演した「セクシーボイスアンドロボ」というドラマの純粋なロボットオタクくんと同一人物とはとても思えなかった……。こういう変幻自在な役者さんは大好き

ただ、この「DEATH NOTE」シリーズ、やっぱり前編が一番面白かったと思う。それを省いちゃもったいないです、日テレさん


アニメのように楽しめた「K-20 怪人二十面相・伝」

2008-12-24 17:43:06 | 映画 数字・アルファベット

本物に陥れられ、二十面相として捕まってしまう主人公の曲芸師。自分が二十面相ではないことを証明するために、二十面相の技を次々とマスターしていく。名探偵明智小五郎とその婚約者の葉子が絡みながら、やがて対決の時がくる……

正直言えば、そう期待していたわけではなかった。が、金城武くんのサーカス曲芸師の、ちょっととぼけた感じがキュート 結構ひどい目にも遭いながらも、お気楽すぎず、深刻すぎず。巻き込まれて人生が変わっていくのに、力が入りすぎない前向きさなので、スーッと物語に入っていけた。

一番気に入ったのは、相棒となってちょこちょこ面白い技を繰り出してくる國村隼さん 泥棒長屋を束ねるリーダーシップがあって、高島礼子という元詐欺師の美人妻もゲット。頼りがいがあって時に愛嬌がある。こういう役、とっても似合います。

松たか子さんの「お姫様」も当たり。世間知らずで、上品で、けれど時に大胆すぎなのが、何とも微笑ましく魅力的。

ストーリーは、なるほど、というわかりやすい作りで、細々と笑えるし、最後のオチまでかなり楽しめた。格闘シーンや飛行シーンなど、スピーディで、まるでアニメを見ているようだった。今は実写でこれだけできるのね(*^_^*)。

ただ、架空の歴史をたどった日本における「格差社会」を、今の日本とだぶらせたかったのだろうけれど、今ひとつ響いてこなかった。あまりストーリーの進行に関係なかったような気がするので、もう少しかんでいたらなあ、と残念に思った。


伊藤英明がひたすらカッコいい「252 生存者あり」

2008-12-10 17:43:48 | 映画 数字・アルファベット

超巨大台風が、その前兆の雹や津波に始まり、首都圏を直撃する。その中で、地下に閉じこめられた元ハイパーレスキュー隊の男が数人の周囲の人々と共に生き抜き、252=生存者ありのサインを送り続けて見事救助を呼び寄せる

(以下、少々ネタバレあり)

う~ん。期待通り……というところでしょうか 先週、映画に先駆けてエピソード0と称してSPドラマをやっていたけれど、それを見た限りはまあこんなもんかな、と予想はあったわけで。

ドラマでは、人命救助に命を賭けない隊員を弱虫となじる主人公が、チームの大切さを実感していく成長物語だった。でもその中で、二次災害を回避する時など要救助者を見捨てなくてはならないこともある、という厳しさを、主人公が理解していったようには見えなかった。

映画もそうだった。内野聖陽は、隊長というポストにありながら、二次災害や隊員の安全より「自分の家族」と思っているように見えた。むしろ、レスキューを辞めて今はただのサラリーマンである伊藤英明の方に人命救助の精神が貫かれていた感じ。だから、ただひたすらに伊藤英明がカッコいい映画だった。

閉じこめられた数人は、みなそれぞれ事情がある者同士がぶつかりながらも協力していく、というお約束な感じであまり目新しくない。引っかき回す役回りの山田孝之もあの中では自分勝手のようだが、ハリウッドのパニックものを見慣れているせいか、おとなしい感じがした。アメリカ作だともっと自分のエゴ丸出しになる。むしろ外にいて、「娘を助けて」と義理の兄にわめくだけの桜井幸子の方がそれは顕著だった。

そして、一番ガッカリしたのはラスト。救助を待つ人々がまだまだいるはずの大変な災害の、しかも一刻を争う現場で、「パパ」と叫ぶ子供に大勢のレスキュー隊員が全員(!)手を止めて見とれている。怪我人の伊藤英明が逆に隊員を背負って歩いていくのを、誰一人代わろうとしないでただ見ている。「ホワイトアウト」のときにもあったこのパターン 一気にリアリティが消滅するので、勘弁して欲しかった。

ただ、突然の異常事態にパニックを起こす群衆のすさまじさは迫力があった。大変な勢いで逃げまどう集団の流れに巻き込まれたが最後、自分の行きたい方向になどとても行けない圧力がすごく怖かった。

パニックものの好きな人、伊藤英明さんのファン。観に行くならこのどちらかの人がいいと思います。

 

(おまけ)座った席が悪く、通路を隔てたお隣にシルバー料金で来られたらしきご夫婦。そのオッサンが、ここぞというときに「死んだんだな」とか「あれで手術するんだ」とか予想をおっしゃる しゃべり続けなら注意もできようが、ポイントごとだけなので難しく、結局最後までその調子。ああうるさい、と思いつつ、その予想は全てハズレだったので、ちょっとだけ溜飲が下がったのでした。