筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

神様、仏様、稲尾様

2008-09-30 20:27:59 | 野球

NHK「その時歴史は動いた」で、稲尾和久さんの驚異的な投手魂を扱っていた。

昭和33年の日本シリーズで500球以上を投げ、0勝3敗からの大逆転勝利を呼び込んだという伝説を持つ投手。当時は私はまだ生まれていないので実際に見たわけではないが、野球好きならば自然と耳に入ってきた「神様、仏様、稲尾様」。

先の見えないバッティングピッチャー時代、自分を磨く方法を見いだした前向きさ。長嶋封じのための「ノーサイン投法」ができる技術。ボールを握れないほど握力が落ちたのに9回を投げきる精神力。どれも圧倒される。

その伝説の日本シリーズの連投のくだりでは、「もう体を壊しちゃうからやめて~。誰か他に投手はいないの?」と泣きそうになった。でも、当時は国民がみな、「一つのことにバカになりきった者が勝つ」という稲尾に自分を重ねていたというから、マウンドを降りることは考えられなかったのかも知れない。

野球は時代を映す鏡でもあったのだなと思う。今でも、例えば「分業の中で自分の仕事を、らしく、キッチリやり遂げる」など、野球は時代を映し、いろいろなお手本を示していると思うのだが、哀しいかな、この週末、セリーグ頂上決戦ですらテレビは放送してくれなかった。もったいない。……嗚呼脱線。

「10勝を20年続けても『勤続表彰』はしてもらえても、『神様、仏様』とはならなかった」とは、肩を壊して32歳の若さで引退したときの稲尾さんの言葉。ピッチャーとしての強烈な自負が感じられる。何の後悔もないのだろう。ここまでの誇りを持てるものがある人を、うらやましく思う。


桑田真澄 in スマスマ

2008-09-26 17:46:50 | 野球

先日のビストロのゲストは、桑田真澄さんだった。

高校野球の名門PL学園で一年生からエース。でも私が強烈に印象に残っているのは、二年生の時、決勝で負けて準優勝となった際、他の選手が泣いているのに桑田一人平然と準優勝旗(だと思う)の掲揚作業をしていたこと。図太いというか大物というか、そんな風に思ったものだ。

後に巨人に入ってからも、私の中では彼のイメージは高校球児のままだった。ツーアウトを獲れば外野に人差し指と小指を立てて合図。チェンジの時には全力疾走でベンチへ帰る。打席へ入れば野手顔負けのバッティング。プロでは珍しいこれらの行動を、気持ちいいと思って見ていた。

ビストロで、稲垣くんが「ワイン好きと聞きまして」とワインを用意すれば、すごい知識を披露。木村くんが「ピアノを弾かれるんですよね」と振れば、最初に曲として弾いたのはイマジンと言う。多趣味だな、と思ったら、これらは全て野球につながっていた。ワインは体にいいと耳にした、ピアノはケガをした腕のリハビリに効く。だから取り入れたと言う。

なぜ桑田選手がずっと高校球児のイメージだったのか、このときわかった。彼の行動の全ては「野球が大好き。だから全力で一生懸命やる」という単純明快な根っこがあったからなのだと思った。

昔何かで読んだ。うろ覚えだが、巨人のコーチは桑田には指示をしないというような話。なぜならば、桑田は自分の実力、鍛え方、足りない物を知り尽くし、自分で方法を考える。最初にノート一杯にトレーニングメニューだかを書いて「これでいいですか」とコーチに持っていったというようなことだった。以来、桑田は放っておいても大丈夫、と判断されたのだとか。まさに最初から全力で一生懸命。

現役終盤のパイレーツ時代の桑田を見ても、その根っこは健在だったとわかる。そして今も、スマップと共に楽しそうにボールを投げる姿からもそれは伝わってきた。

『好きなことを仕事に出来ることは幸せだ』『好きなことを仕事にすると大変だ』。相反するこの二つはよく言われる。現にプロ野球選手でも誰だったか「プロに入ってから野球を好きだと思ったことはない」との発言を聞いたことがある。

ずっと野球を好きであり続けた桑田選手は凄い。そのためにした数々の努力も凄い。そして何よりその姿から私達にも「頑張ろう」という勇気をくれたことが、とても凄い


西武、優勝まだでした

2008-09-24 14:19:55 | 野球

見ていてビックリ。

ちょうどテレビをつけたら西武-楽天の9回表。何だか西武のベンチが浮かれてない? ブルペンの石井(一)や岸らもニコニコソワソワ。

あ、そうだ。2位のオリックスが負けたからマジック1。このまま7-5で勝てば優勝が決まるんだ。と気付き(ロッテファンなのでほとんど他人事)、その瞬間くらい見ようかしらとテレビの前に落ち着こうとしたときだった。

楽天の攻撃、1アウト1、2塁でサードゴロ。おお、ゲッツーで終わり、と思った途端、ポロリ。1アウト満塁となったところで、え~? の押し出し四球、1点差。何だ何だ、と思ってる間に逆転満塁ホームラン~~~? え~!?

結局7-10と逆転されたまま負けてしまった西武。

こんなこともあるのね(ロッテファンなのでほとんど他人事)。油断大敵というか、勝って兜の緒を締めよというか(勝ってないからちょっと違う?)。「もう優勝は決まった」みたいなちょっとした気の緩みがあったんじゃないだろか。勝負は下駄を履くまでわからない。怖すぎる。

ついでに言えば、こんな試合の出来る楽天がなぜ最下位なのか改めて考えてしまった(しつこいようだが、これも他人事)。

それにしても、ホーム球場だし、ファンも大勢詰めかけてたし、裏ではビールかけの準備に盛り上がっていたことだろう。それも一切お預け。余計なことだが、裏方さん、ご苦労様です……などと思ったりして。

でもマジック1なんだから。気を取り直して今日決めればいいこと。

あ、でも今日の相手はマリーンズだった。他人事じゃない。CS出られるかどうかの瀬戸際。やっぱり今日はやめといて!!


成瀬、「幕張ファイヤー!」

2008-09-22 18:02:14 | 野球

おととい、久々にマリンスタジアムにロッテを応援しに行った
さすがにCSシリーズの懸かった3位ラインにいるとあって、ほとんどの席が埋まっていた。土曜と言うことで家族連れも多く。

試合は4-1。う~ん、スコアだけ見ると爽快な勝ち方のように見えるけど、実際はスミ4、とでも言うんでしょうか。1回に入った4点だけ。あとは点が入りそうで入らない、ちょっとストレスがたまる感じの展開で。

その4点が入ったときはすごい盛り上がり方だったんだけど。ズレータのホームランで、知らないオジサンがどっかからやってきて、階段脇の席の人に次々とハイタッチ。私も通路脇に座っていたので、とにかくハイタッチ。この後どんだけ点が入るんだろう、その度にこのオジサンとハイタッチをするのかな~、などと猛打爆発を予想していたんだが。

相手楽天の、野村監督の采配がまたニクイ。細かすぎるとも思える継投。その慎重さは、8回の2アウト3塁での二人敬遠にも表れる。見事に成功されてしまったりとかして。

でも勝ちました。よかったよかった。

ヒーローインタビューは、ホームランのズレータと二安打に抑えた成瀬。記者さんの無茶ブリに応え、ズレータと共に成瀬も「幕張ファイヤー!」。見られて満足です


祝イチロー! パート2

2008-09-19 17:58:53 | 野球

3000本安打でイチロー選手のことを「祝」と書いたのはついこの間。それがまた107年ぶりという8年連続200本安打。快挙というか、もう挙。

記録がかかっていると、あと一本のところで長いこと足踏みをする選手はたくさん見た。プレッシャーがかかるとそうなるのは普通のことだと思いつつも、見てる方からしてみればかなりじれったい。

でもイチローは、3本の固め打ちで一気に決めた。これ、最低3試合かかっても、5試合とか6試合かかっても、誰も文句は言わなかったと思う。そういうプレッシャーへの強さが本当に凄い。

知り合いが、イチローってかっこよすぎて完璧すぎで親近感がわかないと言っていた。まあ親近感わくキャラではなく、憧れの象徴みたいな存在だと思うけど。

ああいうふうになりたい、という存在があるだけで、見ている側は元気をもらえるんじゃないだろうか。真似たい憧れの大人が周りにいなかったら、それはとても怖いこと。そういう意味でもイチローは凄い。

でも、節目の200本目が、クリーンヒットじゃなくて内野安打だったってところがミソ。本人も、「きれいに決めたかった」と言っているけど、ああ、イチローほどの人でも思い通りに行かないことがあるんだな、と、ちょっと安心感。完璧な人なんていないってことね。

何はともあれ、祝イチロー。次は張本勲さんの安打記録越え、待ってます。