私の中の基準=「名作とは筋書きがわかっていても何度見ても面白いもの」。映画、小説、マンガ、ドラマ、それにスポーツの試合でもそう。
結果がわかっていてもそこに至るまでの過程だとか、キャラクターの面白さだとか、名ゼリフ、名シーン……何度でも楽しめるもの。
日曜にテレ朝でやっていた「ザ・ロック」(1996)も私的に名作な、大好きな映画
正直、最近はアクション物は食傷気味なのだけど。そしてニコラス・ケイジって、実はあの濃さが生理的に苦手な部類に入るはずなのだけど。
確かにこの映画はアクションも売り物。軍隊と政治が絡み、壮絶な撃ち合いだったり戦闘機だったり殴り合いだったりがある。
でも物語の面白さはそこじゃない アルカトラズの観光客を人質にサンフランシスコに強烈な毒ガスを撒こうとする元海兵隊は、指揮官にれっきとした言い分と信念がある。そして対抗するのが軍事訓練を受けていない化学兵器の専門学者と元アルカトラズの囚人。
で、ニコラスには何か愛嬌がある。だから苦手なタイプなのに、彼の映画は観ちゃうんだなあ。
この映画でも、軍事訓練は受けていない、アクションは管轄外の「くすりや」なのだけど、唯一アルカトラズの内情に詳しい元囚人で元イギリスの諜報部員であるショーン・コネリーの心をほぐす 最後には最も信頼される男として大切な物の在りかを教えてもらえる。
そしてショーン・コネリーがもう格好いいんだ あんなじいさんなのに、頼りがいがあって力強くて男っぽくて…… そして深刻な中にもニコラスとの軽妙な会話が粋。こういう軽口は行きすぎるとウンザリするけど、その辺の按配がとてもいい
忘れちゃいけないのがエド・ハリス。「アポロ13」のときも指揮官がピタッとはまってたけど、またも部下思いの優秀な指揮官という役柄がとってもクールでステキ
一番好きなのが、クライマックスにニコラスがグリーンの発煙筒を掲げるシーン。あそこだけは絶対見逃せないわ~
しかし……昨日のテレ朝さんのカットはひどかった 時間制限があるのでわからなくはないけど、だからちょこちょこ途中が抜けていたのも仕方ないと思ったけど……ラストのシーンを省くのはどうかと思います 映画は映画館かDVDで観ろ、ということでしょうか。