筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

ラッセルに満足、「3時10分、決断のとき」

2009-09-02 16:52:05 | 映画 数字・アルファベット

ならず者のボス、ウェイド(ラッセル・クロウ)を囚人用電車に乗せるまでの護送を引き受けたダン(クリスチャン・ベイル)。その間、様々な邪魔が入るが……


西部開拓時代のガンマンもの。リメイクということだが、オリジナルは未見。要は駅に送り届けるだけの話なので、少し長かったかな~。妙にクリアな蹄の音が気持ちよくなっちゃって、少しウトウトしてしまったわf^_^;

タイトルは原題通り「3:10 to Yuma」の方が納得だったなあ。「決断のとき」って……ラッセルのラストの決断てこと? それともベイルの誇りを賭けた決断? 理解力不足の私には、どうもいまいちピンと来なかった……。

で、とにもかくにも、ラッセル・クロウの悪の親玉が秀逸

ちょっとした合間のスケッチで見せる絵心。敵方の周りがついつい引き込まれてしまう話術。切羽詰まってるはずなのに、どっか余裕なところがニクい。

めっちゃ強くて、危険だと察知するや否や、手錠に丸腰なのに護送の奴ら共々逃げ延びちゃう。

残酷かと思えば、ダンが息子に見せたい誇りを理解すると命懸けで協力。この辺りの「男と男」の心意気合戦みたいなのには釘付け。

うわ~、うわあ~ こういうラッセルが見たかったんだよね~ 少し痩せてもくれたみたいだし

「ワールド・オブ・ライズ」の、現場に出ない本部人間では物足りなかったし、同じ西部劇でも「クイック&デッド」ではヘタレな感じだったし……

今回のラッセルには大満足でした

けど、クリスチャン・ベイルの方が正義なんだけどな~、息子との関係改善にも感動したし……でも割を食って影薄かったかも 最近、彼ってそういう映画が続いてる気がする……。


 


いわゆるアクション映画 「96時間」

2009-08-26 18:08:12 | 映画 数字・アルファベット

離婚で別居中の17歳の娘とその友人がパリへ旅行中、誘拐される。元工作員の父親(リーアム・ニーソン)は、96時間を過ぎると戻らないと言われるタイムリミット内に娘を救い出すため、持てる能力全開で駆け回る……

久しぶりにこういうフツーのアクション? バイオレンス? ものを観たような気がする。

何せ、こういう映画は追いかけたり殴ったり撃ったり爆発したりが見せ物で、話はまあテキトー。そういうのは年中テレビ映画でやっているので、ちょっと食傷、離れてました

もうまさにそういう映画だったな~、良くも悪くも。リーアムじゃなくてシュワちゃんだったりしたら、まったくもって20年くらい遡るような。でも、「コマンドー」とか結構好きだった 基本、同じ路線と言えるでしょうね。

こういう危険な目に遭ったときにはめちゃくちゃ頼りになるパパ。細かい手がかりから通常の人間では絶対にたどり着かない核心へ、スピーディに正確に迫っていく すごいプロフェッショナルぶり

リーアム演じる父親は、普段が何となく情けなさを感じる人柄なので、この変貌ぶりは面白かった

ただ、そうそうこんな状況になるもんじゃないから、結局こういう娘溺愛うるさ型パパってどうなんだろう、とか思ってしまう

そして、娘を救い出すためとはいえ、もうめっちゃやりたい放題。撃ちまくる。走りまくる。殺しまくる

な~んか、この辺がこの手の映画でいつもモヤッとする部分なんだけど。いいのか~、そこまでやっちゃって。そんで最後はめでたしめでたしなんか~、って

でもまあ、水戸黄門みたいで、勧善懲悪、最後は落ち着くところに落ち着くという、シンプルで安心感はある映画でした

 

ところで、パリって今こんなに物騒なんでしょうか。こんな大都会のど真ん中で白昼堂々のかどわかしって……

あの女の子達と同じくらいの年の頃、ヨーロッパ旅行で友達と別行動し、一人で歩き回って現地の知らないおじさんに案内してもらったりとかしちゃったわ(もっと東の国だけど)…… 古き良き平和な時代だったのか、それともこの映画のフィクションの誇張が過ぎるのか。

後者であることを願います。パリ、そのうち行きたいし


まさかの号泣 「HACHI 約束の犬(字幕)」

2009-08-17 16:50:44 | 映画 数字・アルファベット

不覚。

まさかこんなにやられるなんて……

以下の理由で、そんなことはあり得ないはずだった。

1.あざとく泣かせにかかるとわかる映画はシラケてしまうひねくれ者なので、泣けない。
2.幼児体験から、犬があまり得意ではない。
3.観る前からストーリーはほぼわかっている映画だった。

なのになのに~~~……、どうしてこんなにボロボロに泣けてしまったんでしょーか

ある大学教授に拾われた子犬のハチは、彼と共に暮らし、彼の行くところどこにでもついていき、心から彼を慕う。だが教授はある日、「5時にここで」と駅で別れたきり、帰らぬ人になる。けれどハチは待ち続ける……

ただただ、それだけの話です。いい話は一行のあらすじに集約できる、と言われたことがありますが。

もちろん、ハチには全くセリフはありません。

ハチが愛らしくて可愛いご面相だということはさておいたとしても。

待ち続けるハチのけなげな姿を、途中からとても正視できなくなってしまいました。特に、10年ぶりにその駅に降り立った奥さんがそんなハチに気付いて衝撃を受けたところなんか……もうぐちゃぐちゃでした

何だろう。ハチがいとおしい? 可哀想? 哀しい? 切ない……? 何かどれとも違う気がするんだけど、どうにも胸が詰まって涙腺が壊れてしまった。押しつけがましく「泣け」という感じじゃなかったのもまた一役で。。。

映画で号泣するなんてほとんどなかった私なので、どうしていいかわからなくなり、とにかく洟をかみっぱなし

ハチを応援する駅前の人々の優しさにも胸を打たれます。彼らがハチのやりたいようにできるよう一歩ひいて見つめているのが、アメリカっぽいなと。

犬の目線から、周りに起きたことを見るような演出も、淡々としていて良いです。

リチャード・ギアは、「愛と青春の旅立ち」の頃より年取った今の方がずっと好き。そして本当にハチと仲良さそうでした。

また、ギアを音楽の教授に設定したのもポイントですね。要所要所のピアノの調べがとても効いていました。

動物は、寿命が短いのでどうしても先に死なれてしまって哀しい。でも、主人に先に死なれた動物の方がもっと切ない。そんな風に思いました。

ただ、人間だったら大切な人を失っても、他に生き甲斐を見つけて生きて行かなくちゃいけない。でも、ハチは最期まで大好きな人を思い待ち続けることができて、ある意味幸せだなあと思ったりも。

下手な純愛映画よりよっぽど泣けてしまいます


「MW-ムウ-」 超魅力的な悪役、玉木宏

2009-07-08 17:52:43 | 映画 数字・アルファベット

16年前、ある島の島民が全滅。だが、二人の少年が奇跡的に生き延びた。一人は復讐のための殺人鬼に、一人は神父に成長。そして事件の元凶の「MW」をめぐって二人は対立し……

あちこちで酷評を目にするこの「MW」。手塚治虫の原作で、つまり元は漫画だし30年以上前のものだし、同性愛という問題も含まれてたらしいし、映画化するにあたってはなかなか難しかったということでしょうか。。。(連動のドラマ版は、一体何だったの~? というあんまりな内容だったし)

でも、先に「イマイチ」という評が頭にあったために期待が大きくなかったせいか、意外に結構楽しめた というのは、悪に徹した玉木宏を観るのが面白かったからに他ならない。

そもそも私は悪役が好き 悪役の出来る俳優さんが好き 佐藤浩市とか遠藤憲一とか大好きだ 最近の若手は、コメディとかで人気が出るとカッコイイ役、いい人の役一直線で、あんまり面白くないな~と思っていたところ。

玉木宏の悪魔的な微笑み。あの澄んだ声でしゃべる冷酷なセリフ。無慈悲な殺し方。超魅力的で見応えあったな~ 私は玉木ファンではなかったけれど、今後の彼に注目しそうです。

ストーリー的には、悪そのものの殺人鬼玉木vs善玉神父の山田孝之、が少し物足りなかった 玉木くんメインを強調しすぎ、山田くんの善と闇との間で揺れる部分が不足してしまった気がする

今や悪役顔にしか見えない山田くんが神父というのは、まあ演技力があるせいか違和感なし(髪型、もう少し工夫してもよかったかも……)。

ただ、もっと人に感謝されたり善意をたくさん受けたりとかで悪玉木と対立する理由を強くして欲しかったかな~。同じ境遇のはずの彼が正義を貫こうとする姿勢に、玉木の復讐心と同じくらいの存在感がないと、観ている方は玉木応援団になってしまうしかないもの 玉木を断り切れない理由も弱いか。原作未読だけど、ここに同性愛が絡んでくるのかな。

映像は結構迫力あり 最近は邦画もますますハリウッドにひけを取らなくなってきた感じ。

あと、ラストに流れる音楽がよかった flumpoolの「MW ~Dear Mr.&Ms.ピカレスク~」という曲。私はこのグループはこの映画で初めて知ったけれど、今後結構気になるアーチストになりそうです。


 


もう一回観てもいいな 「ROOKIES -卒業-」

2009-06-04 17:12:10 | 映画 数字・アルファベット

満足。
しちゃいました

TVドラマでハマりにハマッた「ROOKIES」若いコだらけだろうと予想し、後ろからコソコソ観ようと思ってたのだけど、恐るべし「ROOKIES」人気。かなり年配と見られる方々や、子連れ主婦、オッちゃんにお兄ちゃんと、客層は幅広かったですね

以下、少々ネタバレしてます。

 

3年生になったニコガク野球部の面々。夢の甲子園を目指して突っ走る

ま、↑というだけの話なんですが。要するに(^^;)

とにかく野球の試合の臨場感が並でない。つい「お~し!」とか「今のセーフだろ!」とか叫びたくなるほどテンションが上がる 本当に野球場に観に行っているかのようだった。

そして、甲子園に行きたい、だからこの試合に勝ちたい、だからこの球を打ちたい、どうしても塁に出たい……そういう強い思いが、まさに直球でズバズバ伝わってくる。

試合については、……まあちょっとミラクル過ぎるかなとも思ったけれど、高校野球ではあのくらいのことは充分よくあることだし、バントだのエンドラン等の作戦や、ケガを隠したがったりする気持ちがとってもリアル。なのでものすごく胸に迫ってくるんですね

ただ、試合が終わっていないのに泣くのはでしょ。そこで気持ちが切れたら、あと一球で勝つはずと思ってたってひっくり返されることもあるのが野球なんだから

それと、「卒業」というわけで、一人一人が川藤に贈る言葉のシーンがやたらめったら長い。山場だし、このシリーズの「熱い」性格上しかたないのか……でも、正直言ってもう少し工夫はできないのかとも思う。

あの人数が真横に並んで一人一言ずつ言うって、「まだ~?」って思ってしまうし、盛り上がってた気分が何だか間延びしちゃうあの感じ……私は苦手なんですが

笑えたのが、念願の甲子園での相手チーム。「英雄高校」? ちらっとしか見えなかったけど、松坂、桑田、などそうそうたるラインナップだったみたい 

ちなみに、ニコガク野球部も懐かしい阪神のメンバー名が並んでますよね~。こうやって見直してみると、阪神の選手って安仁屋だの御子柴だの桧山だの湯舟だの、変わった苗字が多かったんだ、と再確認

エンドロールに「三浦大輔(横浜ベイ)」とあったけど(さすがTBS)、どこに出てたの? 気付かなかった~、悔しい


この映画、単体でも楽しめるけど、できればTVドラマを観てからの方がオススメ。いろいろと背景がわかって面白さがグッと増すかと。

ちなみにTVドラマが人気だったポイントを私なりに考えてみると……
その1.スポーツによる不良更生もの(スクールウォーズか?)
その2.チームを作るための人集めもの(ウォーターボーイズか?)
その3.イケメンだらけ(花ざかりの君達へ……)
等々。ワクワク、じんわりのツボを押さえていたということでしょうか。

加えてパワフル。「クサさ」も気にならない、というより魅力になっている。いいセリフも多い(川藤に限らず)。

役者さんも、市原くんや城田くんが魅力的なのは言わずもがなですが。
注目は、映画から加わった新入生役の山本裕典くんと石田卓也くん。

二人共になかなか味が出ていてよかったが、特に石田くん 「鴨川ホルモー」では自惚れ野郎だったけど、ここでは尊敬する先輩にくっついて歩く可愛いヤツ 頭撫でてやりたくなっちゃいます。

熱くてクサくてエネルギッシュで喜怒哀楽が満載。観ているうちにのめり込んでしまって、終わった時はグッタリかも けど、確実に元気も出る映画

もう一回観ても楽しめるな~、きっと