現在、かなりヘビーなロッテファンである私だが、
少女時代は、ヘビーに巨人ファンだった。
ちょうど、1番松本、2番河埜、3番篠塚、4番中畑、5番原……
といった時代。
そんな華やかなラインナップの中で、
どちらかというと地味なイメージだった中井という選手を、クッキリと覚えている。
試合終盤、外野に入る、いわゆる守備固めといわれる位置にいた。
毎日出るわけでもない、先発が多いわけでもない、
テレビに映ることもそんなに無かったかと思うが、
それでもその背番号36の印象は強かった。
それはおそらく、そのガシッとした上半身から漂っていた、
大きさと逞しさを感じさせる雰囲気のせいだったのではないかと、今は思う。
だからなのか、中井さんが引退しても忘れられず、
私が当時住んでいた近くに居酒屋を出したと聞いて、
友達と一緒にいそいそと飲みに行った。
平日の、まだそんなに遅くない時間だったせいだと思うが、
ちょうどお店にいらした中井さんが、
ミーハーな女子大生二人の話し相手になって下さった。
いったい何の話をしたのか全く覚えていないけれど、
語彙のない女子大生は「ファンだったんです」としか言えなくて、
中井さんはお世辞と思ったらしく「ホントぉ?」と、苦笑いしてらした。
確かに、「ファンだった」というのとは少し違っていたような気がする。
だけど、中井さんが外野の守備についたときの、何というか、岩のようなガッチリ感。
その36番が小さく見えるほどの広い背中から醸し出す、安心感が好きだったのだ。
そういうのをうまく表現できず、また言い直すようなタイミングもつかめず。
中井さんの、まくられた袖からのぞいていた二の腕は、とても太く逞しかった。
後にも先にも、元プロ野球選手の生の腕を間近に見たのはあれ一回。
画面で外野の守備についたのを見たときに感じたそのままに、ガッチリ感があった。
それでいて、おそらくろくに内容のなかったろう話に合わせて下さって、
「大きくて強そうで、その上優しくて、ホッとする感じがいいなあ」と思ったのだった。
その中井さんが、先日逝かれたと聞き、とてもショックを受けた。
いつかまたあの居酒屋に行って、
今度こそただ「ファンです」じゃなくて、ちゃんと説明したいと思っていながら……
いつのまにか飛ぶように年月が過ぎてしまっていた。
まだ60歳と聞いて、またショック。
当時の女子大生はそんな思い出を胸に、若すぎるご逝去を悼んでいます。
心からご冥福をお祈りします。
貴重な体験をされてたんですね、うらやましい!
中井選手についての形容も「うん、うん・・・」って感じですばらしい。
奥さんがこれを読んだら、泣きますぜ~きっと。(ううっ)
ほんと、ご一緒したかった・・・。
テレビとかでもほとんど報道されてなかったのがザンネンです。
ゆかりんさんだと、ツーカー!みたいに通じてすごく嬉しいです。
ホントにあまり報道されなかったですね。
貴ブログの読者でなかったら私も見過ごすところでした。