罪なきいけにえ Innocent Victim
【歌・演奏】
ユーライア・ヒープ/Uriah Heep
【リリース】
1977年11月
【録音】
1977年7月~9月
ラウンドハウス・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
ジェリー・ブロン/Gerry Bron
ケン・ヘンズレー/Ken Hensley
【エンジニア】
ピーター・ギャレン/Peter Gallen
マーク・ディアンリー⑨/Mark Dearnley
【レーベル】
ブロンズ/Bronze(イギリス)
ワーナー・ブラザーズ/Warner Brothers(アメリカ)
【収録曲】(☆シングル=⑥)
side:A
① キープ・オン・ライディング 3:40
Keep on Ridin'(Ken Hensley, Jack Williams)
② フライン・ハイ 3:19
Flyin' High(Ken Hensley)
③ ローラー 4:41
Roller(Trevor Bolder, Pete McDonald)
④ フリーン・イージー 3:05
Free 'n' Easy(Mick Box, John Lawton)
⑤ 幻想 5:05
Illusion(Ken Hensley)
side:B
☆⑥ フリー・ミー 3:34
Free Me(Ken Hensley)
*1977年10月21日リリース(UK) ニュージーランド3位、南アフリカ3位、スイス8位、オーストリア8位、ドイツ9位、オーストラリア18位
⑦ ぺてんとうそ 4:54
Cheat 'n' Lie(Ken Hensley)
⑧ ザ・ダンス 4:49
The Dance(Jack Williams)
⑨ チョイス 5:49
Choices(Jack Williams)
【録音メンバー】
☆ユーライア・ヒープ
ジョン・ロートン/John Lawton(lead-vocals)
ミック・ボックス/Mick Box (guitars)
ケン・ヘンズレー/Ken Hensley(keyboards, guitars, backing-vocals)
トレヴァー・ボルダー/Trevor Bolder(bass)
リー・カースレイク/Lee Kerslake(drums, backing-vocals)
【チャート】
1977年~1978年週間アルバム・チャート
アメリカ(ビルボード)=圏外、イギリス=圏外
ノルウェイ13位、ドイツ15位、ニュージーランド19位、オーストラリア44位
1978年年間アルバム・チャート
ドイツ37位
【メ モ】
ユーライア・ヒープ11作目のスタジオ・アルバム。
このアルバムは、英米のチャートでは圏外であるが、ドイツでは10万枚以上売り上げてBVMI認定ゴールド・アルバムを獲得している。またニュージーランドでもRecorded Music NZ認定のゴールド・アルバムを獲得している。
バンドのメンバーは、前作「ファイアフライ」と同じである。
シングル「フリー・ミー」は、ニュージーランドと南アフリカのチャートで最高3位を記録した。またオーストラリアではチャート9位を記録したが、この曲がユーライア・ヒープのオーストラリアにおける唯一のヒット曲である。
ジャケットのアートワークのヘビの目は、ドラマーのリー・カースレイクの目が使用されている。
モーグル・スラッシュ Mogul Thrash
【活動期間】
1970年~1971年
【メンバー】
ジェームス・リザーランド/James Litherland(vocals, guitar)
ジョン・ウェットン/John Wetton(bass, vocal)
ビル・ハリスン/Bill Harrison(drums)
ロジャー・ボール/Roger Ball(sax)
マルコム・ダンカン/Malcom "Molly" Duncan(sax)
マイケル・ローゼン/Michael Rosen(guitar, trumpet)
モーグル・スラッシュはイングランドのジャズ・ロック・バンド。
「Splinter」というロンドンのバンドの解散後、メンバーだったジョン・ウェットン(bass, vocal)とエド・ビックネル(drums)が、「ダンディ・ホーンズ」として活動していたマルコム・ダンカン(sax)とロジャー・ボール(sax)のふたりに出会い、新たなバンドを結成するために動き始める。
このバンドに「コロシアム」を脱退したジェームス・リザーランドが関心を示し、加わることになる。
こうして1969年9月に結成された新バンドの名は、当初は「Brotherhood」だったが、メンバーの中で唯一名を知られていたのがリザーランドだったため、彼の知名度を利用して「James Litherland's Brotherhood」と名乗ることになった。
1969年12月にはドラマーがビル・ハリスンに交替。さらに元エレクションのマイケル・ローゼン(guitar, trumpet)が加わって、バンドは6人編成となる。
1970年5月、RCAと契約を交わすことになったが、この時に同名グループが存在することが分かったため、バンド名を「モーグル・スラッシュ」と改めた。
さっそくプロデューサーにブライアン・オーガーを迎え、1970年11月にシングル「Sleeping In the Kitchen」をリリース。さらにアルバムのレコーディングを行い、1971年2月にファースト・アルバム「モーガル・スラッシュ」を発表した。
ブルースとジャズのエッセンスをハード・ロックにも通ずるパワフルなサウンドの中に活かしており、とくにジョン・ウェットンとビル・ハリスンの自由度の高い演奏がバンドの推進力となっている。ギター、ヴォーカル、ソングライティングを担当するリザーランドの存在が前面に出てきているため、コロシアムを彷彿とさせるサウンドになっている。
本国イギリスではあまり知られることがなかったが、ヨーロッパ各地域では好評を得た。その後ツアーを行うなど精力的に活動したが、レーベル側の法的問題もあって、1971年5月には解散を余儀なくされた。
解散後、ジェームス・リザーランドは「ミリオン」を結成、ジョン・ウェットンは「ファミリー」に参加した。
ダンカンとボールはのちアヴェレイジ・ホワイト・バンドの結成に参加し、大きな成功を収めることになる。
【メンバー変遷】
#1 1969
ジェームス・リザーランド(vocal, guitar)
ジョン・ウェットン(bass, vocal)
エド・ビックネル(drums)
ロジャー・ボール(sax)
マルコム・ダンカン(sax)
#2 1969~1971
ジェームス・リザーランド(vocal, guitar)
ジョン・ウェットン(bass, vocal)
ビル・ハリスン(drums)
ロジャー・ボール(sax)
マルコム・ダンカン(sax)
マイケル・ローゼン(guitar, trumpet)
【ディスコグラフィ】
<アルバム>
1971年 モーグル・スラッシュ/Mogul Thrash ※旧邦題「炸裂!モーグル・スラッシュ」
<シングル>
1971年 Sleeping in the Kitchen
モーグル・スラッシュ Mogul Thrash
※旧邦題『炸裂!モーグル・スラッシュ』
【歌・演奏】
モーグル・スラッシュ/Mogul Thrash
【リリース】
1971年
【録音】
1970年6月 アドヴィジョン・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
ブライアン・オーガー/Brian Auger
【エンジニア】
エディ・オフォード/Eddy Offord
【レーベル】
RCA
【録音メンバー】
<モーグル・スラッシュ>
ジェームズ・リザーランド/James Litherland(guitar, vocals)
ジョン・ウェットン/John Wetton (bass, guitar, vocals)
ビル・ハリスン/Bill Harrison(drums)
ロジャーボール/Roger Ball(alto-sax, baritone-sax, soprano-sax)
マルコム・ダンカン/Malcom Duncan(tenor-sax)
マイケル・ローゼン/Michael Rosen(trumpet, mellophone, guitar)
<ゲスト・ミュージシャン>
ブライアン・オーガー/Brian Auger(piano⑤)
【収録曲】(brass Arranged by Roger Ball)
side:A
① サムシング・サッド 7:36
Something Sad(Roger Ball)
② エレジー 9:36
Elegy(James Litherland)
③ ガラスと砂の夢 5:09
Dreams of Glass and Sand(James Litherland, Pete Brown)
side:B
④ 北へ、西へ 12:01
Going North, Going West(James Litherland, Pete Brown)
⑤ 聖ピーター 3:39
St. Peter(Alan Gorrie, John Wetton)
⑥ 不思議な声 7:13
What's This I Hear(James Litherland, Michael Rosen)
【メ モ】
イギリスのプログレッシヴ・ジャズ・ロック・バンド、モーグル・スラッシュが唯一リリースしたアルバム。
ブルースとジャズのエッセンスを保ちつつも、ハード・ロックにも通ずるパワフルなサウンドを展開している。
ジョン・ウェットンのベースは、当時としてはジャック・ブルースやティム・ボガードらにも匹敵する自由度の大きさを誇っている。
ジェームス・リザーランドのギターとヴォーカルが前面に出ていること、ベースとドラムが自由度の高い演奏を繰り広げていること、ホーン・セクションを活かしたアレンジなど、コロシアムを彷彿とさせるサウンドである。