「お金の流れが変わった!」
大前研一著、PHP新書、2011年1月
「不格好経営」(南場智子著)で南場氏のマッキンゼー時代の上司として名前が出てきた大前研一氏の本。
2011年1月、民主党政権下で東日本大震災が起きる直前に出版されました。
本書のキーワードの一つが「ホームレス・マネー」。
「投資先を探して世界をさまよっている不要不急で無責任きわまりないお金」のことで、
大きく分けて、欧米諸国の年金等、オイル・マネー、中国マネーの3つだそうです。
2000年代後半のサブプライム・ローン以降、様々な地域や商品で、
バブルが起きてはじけてを繰り返していますが、
2021年現在でも「ホームレス・マネー」でなんとなく説明がつくような気がします。
最近だと「特別買収目的会社(SPAC)」が「ホームレス・マネー」のターゲットになっているのかなあと感じます。
「金利を下げ、資金供給を増やしても、21世紀の先進国ではほとんど効果が出ない」とも書かれています。
これも10年経ったいま、実証されています。
藤巻健史氏の著書にも出てきますが、大前氏も「国債暴落、ハイパーインフレ」を予想しています。
幸いまだ起きていません。
「原子力発電」。伊藤元重氏の著書にも出てきましたが、震災前は期待が高かったです。
新興国で成功した日本企業として
ヤマハ、ホンダ、コマツ、ユニクロ、マンダムなどを挙げています。
時々政治・民族問題が起きますが、いまでも一応維持・成長しています。
最後に「湾岸100万都市構想」など日本経済再成長の処方箋を提言しているのは、
さすがコンサルタントです。
内容には賛否両論あると思いますが。
観光に関しては、コロナ直前は本書で描く未来像に近いところまで行っていたように感じます。
不格好経営
藤巻健史の「個人資産倍増」法
時代の“先”を読む経済学