「世界史で読み解く現代ニュース」
池上彰・増田ユリヤ著、ポプラ新書、2014年10月
世界の歴史と現代の事象の関係性を解説した本。
池上彰氏と増田ユリヤ氏の共著。
2014年に出版されました。
最近はテレビのニュース番組で共演しているのを見かけますし、
2人でYouTubeも開設しているようです。
本書は世界史を網羅するのではなく、
15世紀ごろの中国
オスマン帝国
フランス革命
イギリスの産業革命
の4つをテーマとしています。
第1章 中国
ヨーロッパの大航海時代より100年前、
15世紀の明の時代に、鄭和という武将が
インド洋を中心に大航海していました。
現在の中国が資本や武力を使ってアジア・アフリカに侵攻するのは、
その時代を再び蘇らせたいと考えているから、とのこと。
中国の発想を知ることができました。
第2章 中東
地中海・黒海沿岸諸国の現在の諸問題はオスマン帝国に起因する、という話。
オスマン帝国の1299年建国から1922年滅亡までと、
現代の中東情勢に与える影響が、
30ページ程度に分かりやすくまとまっています。
イスラム教スンニ派・シーア派、旧ユーゴスラビア諸国など、いまも勢力や国名が変わり、
世界経済、ひいては自分の保有資産に思わぬ影響を与えることがあるので、
全く無関心ではいられません。
第3章 フランス
1789年フランス革命以降、移民や革命家を受け入れてきたことが、意図的ではないにせよ、
各国で革命・内戦・テロを誘発してしまった、という話。
イランのホメイニ師
中国の鄧小平
ベトナムのホー・チ・ミン
カンボジアのポル・ポト
などをが亡命・留学でフランスに滞在していた期間があるそうです。
そういう人たちだけ挙げられると、
フランスはどうなっているんだと思ってしまう一方、結果論な気もします。
第4章 イギリス
18世紀の産業革命と現代の地球温暖化・労働問題について。
原子力発電、社会主義、マルクスの資本論などについて解説しています。
最近はSDGsをキャッチフレーズに、
世の中的にも自分自身も世界の諸問題を考えるようにはなってきています。
一方で便利さが失われるのもイヤですし、
全世界の意見が一致することもなかなかなく、
極端なことを言えば人間が生きていること自体が、環境に悪影響を及ぼしていますので、
バランスを考えて行動しています。
関連エントリ:
高校生からわかる資本論
伝える力2
伝える力
知らないと恥をかく世界の大問題11
経済は世界史から学べ!