「蜜蜂と遠雷(上・下)」
恩田陸著、幻冬舎文庫、2019年4月
映画「蜜蜂と遠雷」のレビューを書いたブログで、
書籍をおすすめするコメントをいただいていたので読んでみました
(だいぶ時間が経ってしまいましたが)。
読み終えて、映画は書籍に着想を得て映像化した別作品程度に捉えた方がよいと感じました。
コンクールまでの経緯、コンクール開始から終了まで、コンクール期間の過ごし方
などで描かれる登場人物の人柄・才能、コンクールの緊迫感が書籍では深く強く伝わってきて、
映画の出来以前に、2時間の映画ではとても表現できないです。
コンクールの過程やラストシーンなどストーリーも違います。
自分はピアノは子どもの頃一瞬習った程度で、
本書に出てくる曲名もほとんど分かりません。
それでも音楽を表現するボキャブラリーの豊富さに圧倒されましたし、
演奏を色々な人がそれぞれの視点で語ることで広がりも感じました。
文庫は上巻454ページ、下巻508ページとかなりのページ数でしたが、
詩的な表現だったり、改行や1行空けている箇所が多かったりで、読みやすかったです。
巻末解説の執筆開始から直木賞受賞までの話も興味深い。
映画で風間塵を演じていた鈴鹿央士は、
現在放送中のTBS日曜劇場「ドラゴン桜」で東大専科の嫌味な学生・藤井遼を演じています。
役作りが上手すぎ。
長濱ねるのしおりがついてしました。
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