アイコムのポータブルトランシーバー IC-705 を買ってしまった。今までの一番新しいリグは2016年なので実に7年ぶりの買い物である。
これは最新のトランシーバーがほとんど SDR タイプ(従来のヘテロダイン周波数変換・アナログ復調する方式と異なり、受信波を直接A/D変換してデジタル処理する方式)に変わったのを見て「いつかSDR トランシーバーを買ってみたい」と思っていたのが主な購入動機。また今までヤエスのトランシーバーがほとんどだったので(FT2000、FTdx3000)アイコムはどうかな? というのももう一つの動機。
IC-705はポータブル・ハンディ・モービルに特化したようなスタイルだが、これがなかなか固定機としても十分イケルと思う。守備範囲(HFから144・430まで)が FT991 と同じなので早速比べてみた。
FT991 と IC-705 の比較記事はネットに多くあり IC-705 は操作性が優れている、というのが定番だが、実際に触ってみるとまったくその通りでマニュアルを読むのが必要無いくらい洗練されている。また大きく異なるのはバンドスコープ(バンド内の受信信号が視覚的に見える)で、これは原理的に SDR にはかなわない。
上の IC-705 は非常に表示の分解能が高く、SSB/AMなら音声のスペクトラムも分かるが下の FT991 は団子状になるだけ。しかしここで比較したいのは無線機の本命である「耳の良さ」で、ここでは7と18の同じアンテナを切り替えて比べてみた。
その結果CWでは特に差がなくどちらもトーンがキレイに聞こえるが、電話は圧倒的に IC-705 の方が上である。これは7のSSB、エアバンド、FMラジオを聞いてみれば非常によく分かり、FT991の方は少しこもり気味なのに対し FT705 は語尾までキレイに聞こえる。また受信信号がない状態のノイズは、やはり SDR の方が抜群だが、これは原理的なコトなので比較することが無理なのかもしれない(ちなみに FTdx3000 と比べるとやや FTdx3000 の方が上の感じ)。
ただし FT991 の方は 送信出力が100W(144/430は50W)、144/430とHFの2つの同軸コネクタ装備、HF/50のオートチューナーなどのメリットがあるので(FT-705は10W、出力は1つ、チューナーなし)用途が違うのかもしれないが、聞いていて楽しいのは圧倒的に IC-705 だと思う。また IC-705 はこの他にデジタル機器としての多くの特徴を持っていて、いろいろと遊ぶのには楽しい機械だと思う。
IC-705 は入門機の位置づけだが、それは価格上のことだけで「これが入門機なの?」と思うほど高性能だと思うのは私だけだろうか?
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