密室の決闘

最近運動してないから身体を動かさないとと言うことで、今日は久しぶりにラペックに行ってきた。30分程ルームランナーで走った後に筋トレして終わったのだが、事件はその後に起こった。

運動後はいつも更衣室内にある風呂に入るのだが、実はこの風呂にはサウナがついている。3人も入れば満員の小ささだが、それでもちゃんとしたサウナだ。

中を覗いたら誰もいない。このところ藤ノ花湯にも行っていないのでいっちょサウナにはいってやろうということで中に入る。テレビはもちろんの事、時計すら置いていなく5分の砂時計があるだけ。とりあえず砂時計を裏返し5分入ることにした。

砂が半分くらい下に落ちた頃、もう1人客が入ってきた。

立派なヒゲを蓄えた40代くらいのデブのオヤジなのだが、驚くべき事にハーフパンツを履いてるじゃないの！一瞬我が目を疑ったが、やはり間違いなくハーフパンツを履いている。こんな事ってありえるの？

しかもサウナ中に頻繁に腕やら足やらを掻いている。なんか無性に腹が立ってきて、絶対にこいつより早く出てやるものかと心に誓った。

まずは5分経ち、砂時計を裏返す。そしてさらに5分経過。ここまでは想定内の展開。問題はここから砂時計がもう一度下まで落ちる5分間。この間にヤツが出るかオレが出るか。

ちなみにオレは1度に15分もサウナにはいった事がない。水風呂後は別だが、普通に入った場合は12、3分が最高だ。なので、この5分間にヤツが出て行かないとかなり厳しい。しかもヤツには2分以上のアドバンテージが存在する。

しかしだ、ヤツからしたらオレがいつから入っているかは分からない。無言・無表情で砂時計を裏返す時だけ動くオレに驚異を感じているのは明かだ。

砂時計が半分くらいきたあたりでオレは正直リタイアしようか迷った。しかし「自分がキツイと思うときは相手はよりキツイ」という何処の誰が言ったか分からない非常に曖昧な言葉を思い出し踏みとどまる。ヤツはと言えば相変わらず腕を掻いている。

そしてついに砂時計が下まで落ちきる。つまりは15分経過した合図だ。ヤツはまだ出ない。悔しいがオレはもう限界だ。だがここでオレは、サウナから出るそぶりは一切見せずに砂時計をもう一度裏返すという最後の攻撃に出た。

そうするとヤツは観念したように立ち上がりサウナから出て行った。捨て身の攻撃が功を奏し、まさかの大逆転勝利だ。しかしその後すぐ出るのも格好悪いので、1分ほどしてからゆっくりと出て行った。もう全身茹でダコ状態でフラフラだ。水風呂なんて気の利いたものはないので、冷水シャワーを浴びて身体を冷ます。

とりあえず風呂場から出て扇風機に当たろうとしたら、なんと扇風機をさっきのオヤジが占領してるじゃないの！仕方なく火照った身体をフラフラさせながらラペックを後にした。なんかスッキリしない勝利だぜ……

そんなわけで、みんなもサウナに入るときは競ったりせずに自分のペースで入ろうぜって話ヽ（*´Д｀）ﾉ

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