日本は民主主義の国だろうか?

日ごろ感じる不条理を書き綴ります。

憲法改正の準備着々

2021-11-21 08:59:54 | 政治
「憲法改正」の準備が着々と進められています。
 
岸田首相 
⑴ 11/1日記者会見:党是である、憲法改正に向け、精力的に取り組んでいきます。与野党の枠を超え、憲法改正の発議に必要な国会での三分の二以上の賛成を得られるよう議論を深めます。 
⑵ 11/19日東京新聞記事:憲法改正を来夏の参院選で主要争点にする考えを示した。自民党の改憲4項目について「一部が国会の議論の中で進むならば、同時の改憲にこだわらない」と述べ、与野党協議に委ね柔軟に対応する姿勢を強調した。(自民党の改憲4項目①自衛隊の明記 ⓶緊急事態条項 ③合区の解消 ④教育無償化の明記。
※⓶④項は改正しなくてもできること、③項は1票の価値よりも地域性を優先することになり議会制民主主義の理念から逸脱する。)
 
日本維新の会・松井代表 
11/2日記者会見:国会で来夏の参院選までに憲法改正原案をまとめて改正を発議し、国民投票を参院選の投票と同じ日に実施するべきだ。
国民民主党・玉木雄一郎代表 
11/7日YahooNews:7日のフジテレビ番組で、日本維新の会と国会運営での連携を強化するため、9日にも両党の幹事長、国対委員長会談を開催すると明らかにした。玉木氏と同じ番組に出演した維新の吉村洋文副代表(大阪府知事)は、憲法審査会などで憲法改正論議の促進を目指す考えで一致した。
 
一方岸田首相は国民向けの懐柔策も怠りません。
コロナ対策の給付金(給与所得が100万円以下の非課税世帯に)、介護や保育、看護職の賃上げ(実態は介護・保育が月3%、看護が月1%程度で物価の上昇に見合わない)、コロナ「第6波」対策(医療がひっ迫する「最悪の事態」時にコロナ以外の通常医療を制限、「原則自宅療養」の方針は不撤回)、新しい資本主義(「成長を実現し、それを分配する」と中身は失敗したアベノミクスとかわらない)など、聞こえはいいが今までの安倍・菅政権政策とあまり変わらない。
しかし「優しい言葉に弱い」日本国民、さっそく岸田政権支持率が上昇しています。国民が危機を感じないうちにさっさと改正をしようということでしょう。
そういえば麻生副総裁の以前の発言を思い出しました「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」2013年8月に東京都内での講演での発言です。当時大問題にされ撤回をしましたが、彼らはをまさに今、この助言を着々と実行しているのではないでしょうか。
 
再びドイツのガイドさんの言葉「軍国主義は笑顔でやってくる」を記したいと思います。ナチスに侵略されたヨーロッパの国々の教訓になっています。日本は侵略戦争の総括をあいまいにしたまま今日に至っています。学校でも戦争前後の歴史を簡単にしか教えていません。日本の侵略を受けたアジアの国々では、二度と災難に合わないよう日本の侵略についてしっかりと学ばせています。
 
そして今、自衛隊の軍備拡張は着々と進められています。来年度の防衛費は過去最大になるとのこと。岸防衛大臣は「GDP比1%ルール」を破って2%にと要求しています。この規模になれば米・中に次ぐ世界第三位の軍事費大国となります。
今年の5月には日米仏共同軍事訓練、7月には日米豪韓共同訓練、8月には日米豪印海軍共同訓練と日米英蘭加新共同訓練、11月には日米共同訓練、これらに加えフィリッピンやスリランカ、パキスタン、バヌアツなどと親善訓練を行っています。
さらに、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)も増え続けています。沖縄の辺野古新基地建設も引き続き強引に進められています。
 
日本は明らかに「戦争をする国」に進んでいます。
 
 

平和に背を向ける日本政府

2021-11-10 08:10:57 | 政治
韓国の文在寅大統領が提唱する北朝鮮との「終戦宣言」ついて、岸田首相は「急がない方がいい」と主張しました。また、バイデン米政権が新しい核戦略の指針である「核体制の見直し(NPR)」で、「核兵器の先制不使用」を打ち出すことに日本は不同意を表明していると言います。
いずれもアジアや世界の平和を進める動きに日本政府は逆らっている訳です。国連で長年の論議を経てようやく採択された「国連の核兵器禁止条約」の批准も拒み続けています。「平和」に背を向ける日本現政府。つまり自衛隊ではなく正式な軍隊を持つ国をめざす政府としては、争いのない穏やかな世界では困るわけです。国民に中国や北朝鮮の脅威を訴え、「防衛のための軍事力が必要」の根拠が薄れるようなことになるのは望みません。
防衛のための軍備増強は果てしない軍拡競争を生み出します。世界に核兵器が13,000個も保有され地球を何回も破壊するほどになっているといいます。全て軍拡競争が生み出した結果です。
喜んでいるのは兵器会社です。兵器はすぐ消耗する最も効率の良い商品です。その購入先はほとんどが国ですから、財源は税金です。とてもいい商売になります。彼らは両国政権の大スポンサーです。逆に恐れ慄いているのが我ら国民大衆です。
そもそも兵器は人の殺傷を目的とするものです。そんなものが溢れていて「平和」などありえないでしょう。
 
現在世界では「永世中立国」が8か国あります。周辺国が承認している国が4か国(スイス、オーストリア、ラオス、トルクメスタン)、永世中立を宣言している国が4か国(カンボジア、モルドバ、リヒテンシュタイン、コスタリカ)です。
日本が全ての兵器を廃棄してこの仲間に入れば、アジアの「平和」に大きなインパクトを与えるのではないでしょうか。
中国や北朝鮮からの攻撃におびえることも、今よりずーっと楽になるはずです。
軍事費など不要不急な支出が不要になり、今まで抑えられてきた社会保障や医療、教育、文化を充実させ、安心で豊かな国づくりがすすめられるのではないでしょうか。まあ当然米国は猛反対するでしょう。そして兵器産業の輩も。
戦後の日本の信託統治から75年、日本を米国の砦として営々と努力をしてきたことが泡になり、今でさえ後退している米国の世界戦略は根本から崩れることでしょう。それは新しい世界平和の構築に向かってい行く先駆けになるはずです。

総選挙「野党共闘」失敗説

2021-11-08 13:20:59 | 政治

「野党共闘」失敗説がマスコミをかけめぐっています。これは事実を見れば「ためにする虚言」だと判ります。289小選挙区のうち野党共闘となったのが214、その中で自民党に競り勝ったのは62です。共闘が無かった前回の2017年総選挙、今回共闘を組んだ5党の前身の立憲・希望・共産・社民の小選挙区当選の合計が38ですから、今回「野党共闘」が大きな成果を上げたのは明らかです。

「野党共闘」失敗説を一番喜んでいるのは自民党でしょう。幹事長だった甘利氏をはじめ閣僚経験者の大物10人が野党統一候補に敗れました。次の選挙で野党共闘が進めば大いなる脅威となりまますから。

立憲民主党は14議席を減らしました。責任を取って役員が辞任し、新役員の選出がマスコミの話題になっています。ここで気になるのがその支持母体の労組・連合の新会長の「共産の閣外協力ありえない」発言です。選挙最中での「野党共闘」に水を差す発言でした。小選挙区制では野党が統一候補を立てて戦わなければ、政権交代など考えられない状況なのに。資本家ではなく、国民多数の労働者の味方であるはずの労働組合のトップが何を考えているのでしょう。実際、議席を減らしたのは小選挙区ではなく比例区でした。

ここでバブルのはじける前の出来事を思い出しました。 日本の高度経済成長を視察しようと、当時世界の労働組合組織でも最も右寄りと言われた全米自動車労組の幹部がトヨタ自動車や日産自動車の労働組合を訪問しました。帰国前の記者会見で彼らは「我々の訪問した組織は『労働組合』ではなかった。それは会社の労務管理の一部門と言えるものでした。彼ら組織の幹部は日常的に会社幹部と交流をもっているようですが、我々の常識ではそれは反組合行為で、発覚すれば追放されます」と述べました。これらの労組は今も「連合」の主要組織です。

日本の選挙制度は大いに問題があります。議会制民主主義の根幹となる国会議員選挙で多くの死票が出ることです。今回の総選挙の比例代表選挙区の各党の獲得率を単純に議員総数465で換算してみました:

政党    ― 得票率 ― 議員数 ―獲得率換算  ―増減

自民  ― 34.66% ―  261 ― 161 ―    +100

立憲  — 20.00% ―  96 ―  93 ―        +3

維新  — 14.12% ―  41 ―  65 ―       -24

公明  — 12.38% ―  32 ―  58 ―       -26

共産  —   7.25% ―  10 ―  33 ―       -23

国民  —   4.51% ―  11 ―  20 ―         -9

れいわ —   3.86% ―    3 ―  18 ―       -15

社民  —   1.77% ―    1 ―    8 ―         -7

この場合、自公の合計は219で、過半数に届きません。小選挙区制が政権政党に有利なことが見えてきます。狭い地区で政治力を駆使した利権分配で支持を集め、強固な後援組織をつくり、それが選挙で力を発揮します。今回の選挙では、僅差で野党統一候補に競り勝った選挙区が多くありました。負ければ今の利権失うという危機感が組織を一層結束させ、底力が発揮された結果だと推測しています。

利権をきずなにした後援組織は、長年の政権維持によってより強力な選挙地盤を構築させました。利権政治は当然民主政治の敵です。


衆議院総選挙

2021-11-04 08:11:29 | 政治
衆議院総選挙の結果が出ました。
しのび難いことに、日本は「主権在民」ではない国に一歩近づいてしまいました。
自民・公明・維新の改憲を是とする勢力が三分の二を超えました。彼らは言葉巧みに日本を戦争する国に導いてゆくことでしょう。
政権交代が争点と言われながら、投票率は55.93% と戦後3番目の低水準、国民が自らの主権を放棄しています。
政治不信などとのんきなことを言っている間に、事態はさらに悪化するのではないでしょうか。
国民が政治に背を向けている時は、悪い政治を進めるチャンスとなります。
苦難の太平洋戦争を経てようやく民主主義を手に入れました。我々はその大切さをしっかり身に着けなければいけないのに。
経済大国と言われた日本ですが、いまのGDP(国内総生産)は世界の23位、国民一人当たりの平均収入は24位、お隣の国韓国19位より低くなっています。民主主義進度を表す「報道の自由」は66位(韓国は42位)です。もはや先進国と言えず、G20の資格もない状況です。
これがいまの政治の現状です。そしてその政治を支えているのが我々国民です。
こんな国でいいのでしょうか? 憂いは尽きません。