岸田首相は憲法記念日に、自衛隊明記など同党の改憲4項目について「現代的な早期実現が求められる課題だ」と強調、衆参両院の憲法審査会に対して「今後も真摯(しんし)に落ち着いた議論を重ねてほしい」と発言した。
いかにも改めて「改憲」を進めようというような語り口ですが、実際は閣議決定などで着々と軍備強化をすすめ、憲法違反の適地攻撃の準備を平然と進めています。
安倍政権で始まった現憲法下での「専制国家」づくりが国会での論議を巧みにかわしながら国民の意志を問うことなく、国内で着々と既成事実が作り挙げられ実体化が進んでいます。
「フェイクの安倍」と言われましたが、岸田首相は国会などでは要領を得ないあいまいな発言を繰り返し「フナ侍」などと言われソフトなイメージを振りまいていますが、国葬や軍備倍増、そして改憲など「要」の課題には明確に語ってどんどん進めています。安倍元首相は強面で強引なやり方が目立ちましたが、岸田首相は弱そうに見せてやることはえげつなく、むしろ油断ならない危険な人物と言えます。
今回の「改憲」発言は、憲法違反の「戦争をする国」づくりの後付けを狙ったもので、「改憲」をいかにも国民の声を聞いたように見せかけ実施、本当に国民がその実態に気付いた時には、「時すでに遅し」になるのではないかと心配をしています。
ドイツでは「『独裁』は笑顔でやってくる」と戦後の教訓にしているそうですが、日本は「『軍拡』はこっそりやってくる」ではないでしょうか。議会制民主主義の国なのに、国会論議が疎かにされ、国の方向を変えるような重要案件が「閣議決定」や「強行採決」で進められ、国民はカヤの外。それに怒りを表す人達も多くなく、日本の「民主政治」は発展途上にあるようです。
いま「少子化」が問題にされていますが、我が国の軍事国家体制が確立すれば、高齢化が進んでいる中で「兵隊不足」は避けて通れません。憲法が改悪されて「国防」が国民の義務と条文化されば、次にやってくるのは「徴兵制」ではないでしょうか。