日本は民主主義の国だろうか?

日ごろ感じる不条理を書き綴ります。

「今のロシアと戦前の日本と相似している」

2022-05-21 05:41:18 | 政治

「今のロシアと戦前の日本と相似している」中国近現代史研究・広中一成氏(2022.3.11 東京新聞 <デスクの眼>ロシアと戦前の日本の相似、歴史学を未来に生かせるか https://www.tokyo-np.co.jp/article/164548、 2022.3.03 毎日新聞 ウクライナは「満州国」に? 中国近現代史家が憂えるいつか来た道 https://mainichi.jp/articles/20220302/k00/00m/030/218000c)

76年前、日本は侵略戦争の反省にたち今の「日本国憲法」を採択しました。立憲主義に基づき「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の三原則を柱にしたものです。

しかし戦前の国家の主権者「天皇」が象徴として残り、政治も装いは民主化されたもの官僚体制の民主化は徹底されず、実際の治政は戦前の専制的なやり方を色濃く残したまま今日に至っていると思われます。国民が「主権在民」を理解し「民主主義」を身に付けることを促すこともなおざりにしてきました。

民主主義国と言われる国々では、政治は国民の要求を基に進めるのが当たり前です。しかし日本では、国民の暮らしに直結するような課題も住民運動をし、声を上げなければなかなかとり上げられません(例;「ポストの数ほど保育所を」の保育運動、「四日市喘息(ぜんそく)」の公害反対運動など)日本は、実質的に民主国家とは程遠い状態です。

1955年11月に発足した自民党は、その党是として「現行憲法の自主的改正」を目標にしています。基本的に「現憲法」を積極的に守る立場にたっていないわけです。その党が今日まで、民主党政権の3年間を除きずっと政権を担当してきました。彼らのこれまでの治政を見れば、「国民主権」「国民の要求」を基本に据えた政治をしては来なかったことは明白です。言葉巧みに国民の期待に沿う政治のように見せかけながら、実際には財界を後押し、利権に走る専制的な政治に終始してきました。

岸田首相が「改憲」に突き進み、自民党が「軍備強化、軍事費倍増」を叫び、維新と国民党が連携して「改憲」を促進、連合会長が自民党幹部と会食・自民会議に出席、侵略戦争に突き進んだ戦前の様相を想起させる事態が進んでいます。マスコミもこれに加勢しているように見えます。このままでは日本は戦前に復帰、また来た道を進むのではないか不安を感じます。ロシアの侵略行為を利用して国民に「国防」を煽っていますが、自分たちが80年前に起こした侵略戦争の歴史をすっかり忘れています。

この20年、政治の劣化が進み、日本は二流国になってしまいました。アベノミクスは破綻し、現在の日本の一人当たりのGDPは24位、平均賃金22位になりました。いずれもお隣の韓国に後れを取っています。安倍悪代官が今なお自民党の主流として鎮座し、専制化へ旗を振っています。軍事強化を叫ぶ裏は、彼らの経済対策の一環と考えられます。アメリカが戦後行ってきたように、兵器の大量使用する「戦争」は経済喚起の劇薬ですから。

民主主義を基盤とした現憲法を守る気のない人たちに国民のための政治が行えるとはとても思えません。そして、その彼らを支持している人たちは本当に憲法の「主権在民」を理解しているのでしょうか?

 



1 コメント

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Unknown (9vs9qvsq)
2022-05-21 12:51:55
 エントリー最後の方で「経済の軍事化」に触れておられますね。そう、資本主義は供給が需要よりもかならず多くなりすぎるところから、恐慌が繰り返される。近くはリーマンショック。こんな時の政府はいつも、国家予算で余った供給力を買い取って、「景気」を良くする道に踏み込んでいったもの。
 ヒトラーが国民的人気を得たのも、軍事産業と軍隊を急増大させて失業をなくしたり給料を上げたりしたから。意外なことですが、ヒトラーは特に家庭の主婦に爆発的人気があった。夫の失業を救い、子どもに職を作ったからだったと言われてきました。

 今また基本は同じ道ですね。戦後すぐアイゼンハウアー米大統領がアメリカの軍産政複合体の影響力を警戒せよと発言し続けたのも、そういう良識がまだ残っていたということですが、21世紀になってもアメリカは戦争をし続けてきた。アメリカがけしかけ続けて来て成功したに等しいウクライナ戦争、この後始末は一体どうなるのでしょう? そしてウクライナ戦争をもその布石としているはずの、対中国戦争。これはどんな形になるのだろう? この地上、ますます悲しいことです。 
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