思想のモデルを、 決して外部に求めまいと自分自身に誓った人、 平和という様な空漠たる観念の為に働くのではない、 働く事が平和なのであり、 働く工夫から生きた平和の思想が生れるのであると確信した人、 そういう風に働いてみて、 自分の精通している道こそ最も困難な道だと悟った人、 そういう人々は隠れてはいるが到る処にいるに違いない。 私はそれを信じます。
「私の人生観」 17 - 一九六 小林秀雄 (人生の鍛錬 P.143)
「私の人生観」 17 - 一九六 小林秀雄 (人生の鍛錬 P.143)