僕は非常に音楽が好きである。 だから、 演奏会では、 よくうとうと眠る。 笑う人もあるが、 河上徹太郎の様な音楽の造詣の深いのになると、 そんな風になると一人前だと言って褒めてくれる。 実際、 演奏会で音楽を聞いている状態は、 床の中で寝ようとする時の状態に酷似しているのであって、 言ってみれば絶対の屈従によって、 心の自由を獲得しょうとする状態なのである。
「山木有三の 『 真実一路 』 を廻って 」 10-二一四 小林秀雄 (人生の鍛錬 P.67)
「山木有三の 『 真実一路 』 を廻って 」 10-二一四 小林秀雄 (人生の鍛錬 P.67)