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Jazz at Santa Monica Civic '72 (LP)
音楽系の投稿で、前回はハリー・ベラフォンテの名演で聴衆とのすばらしいやり取りを紹介したが、今回は演者同士の、これまた大盛り上がりのやり取りを紹介したい。本アルバムの最後に収録されている「C Jam Blues」がそれだ。
ジャズではべラフォンテのようなライブノリは、ほとんど聞かない。もっぱら演者同士の交流がほとんどだ。更にボーカルが入ると、この演奏のように、ジャズにあまりなじみがない方でも楽しく聞ける作品もある。
「C Jam Blues」YouTube リンク(動画は無く曲再生のみ)
https://www.youtube.com/watch?v=3nU-ek8YhyA
軽く解説すると、カウント・ベーシーのピアノソロの後、エラ・フィッツジェラルドのスキャットが続き、その後、各楽器とエラのやり取りが続く。ソロイストはアル・グレイ(トロンボーン)⇒スタン・ゲッツ(テナーサックス)⇒ハリー・エディソン(トランペット)⇒エディ・ロックジョー・デイビス(テナーサックス)⇒ロイ・エルドリッジ(トランペット)。聴き所は、エラと各プレーヤーのインタープレー。エラのスキャットが各プレーヤーのアドリブをうまく引き出している。いくつかジョークをとばしているのもオツだ。いつもの JATP 興行メンバーなのに、本当に楽しく歌って盛り上がっている。さすがボーカルの女王。
実はエラ・フィッツジェラルドを一度だけライブで聞いたことがある。1983 年の JATP 日本公演。ソロイストも上記のうち 3 名が来日。エラは、眼鏡をかけた、太ったおばあさんだったような。なぜか歌声など鮮明な記憶がない。オスカーピーターソンとか、超大物もいたのに。演奏以外に気をつかうことがあったせいか、な?
このアルバム「Jazz at Santa Monica Civic '72」について:1974 年に発売された LP で 3 枚組という、気まぐれでは買えないボックスモノ。JATP と銘打ったノーマン・グランツ主催の、同じみのライブジャムセッション。目玉はカウント・ベーシー楽団、エラ・フィッツジェラルドなどであろうか。私はスタン・ゲッツがクレジットされているだけの理由で購入した。ゲッツの参加は全体の 1 / 3 程度だが、これは非常に良い買い物であった。