日本的身体感性自体が、現在人の生活の中に息づいているのだろうか。
現代の日本において、日本的文化を繁栄した身体的機能美が存在するのだろうか。
私たちが日常的に常用し、活用することで、生活が効率的になり、仕事をしても疲れにくく、労働がはかどるような、身体の知恵は、あるのだろうか。存在するとしたら、その機能性に富んだ術を私たちは、なにに見出せるだろうか。そして、その術を日常で自覚的に技として活用し、次世代に伝える智として、現代の私たち日本人は持ち得ているのだろうか。
惜しくも、わたし自身にこの問いを尋ねたときの答えは、「思い当たらない。」でした。どうして、思い当たらないかの理由を探してみた結果。様々な視点があり混乱するばかりでした。なので、一応日本人の身体を持ち得る自分の身体が、日本人としてしっくり来る身体的機能美を採集することから作業をしました。
今回のHub Kyotoでのプレゼンテーションは、
7年掛けて採集し、身につけてきた日本的身体感性の要素を一つ一つ発表しようとおもう。身体感覚は、文字や映像で表現するのが困難なため、発表形態を工夫することにしました。プレゼンターが実際に踊ったり、時には参加者の皆様にも体験して頂きながら内的身体感覚を視覚的に把握できる様な形で発表することにしました。そして、最後にそれらの要素をコンテンポラリーダンスに融合させます。
わたしの中に根づいているバレエの基礎を土台にし、コンテンポラリーダンスを経由した身体に日本的身体感性の要素を加えた名前のまだない「ダンス以前」というダンススタイルをパフォーマンスします。
お付き合い頂ければ、幸いです。