いつ頃の発売なのか「IC21」で検索しても記事のヒットが無いので人気の無い機種のようです。
水晶発信方式だから1970年代で40年以上前の機種と思われますが…
先日、送信不良でオークションに出ていました。
少しいじってみようと思い入札しましたが、私の他に誰も入札せず送料と余り変わらない金額で落札。
本体が着きました。40年の歴史を感じさせる外観です。
まあ、回路の勉強教材だから良しとします。
それにしても多少掃除して見ようかなぁ…
電源投入、取りあえずランプの切れは無いようです。
スケルチVRを最小にしても開きませんが強い局を受信すると開きます。
その後ボリューム洗浄等を行ったせいか知らない内にスケルチは正常に…
ダミーロードを付け送信してみましたがパワー計がまったく振れませんでした。
送信の水晶は発振しているようでファイナルユニットまで信号が届いています。
ファイナルユニット
ここのトランジスター2SC552が不良なのかな? ハンダ面しか見えない。
ちなみにこのIC21は製造番号3000番台です。
もう1台のIC21が手元に有りましてこちらは製造番号が6000番台です。
ファイナルトランジスターが2SC1177に変更、改良?されている。
受信用の水晶が多めに入っています。
どこの周波数かは大体想像が付きますが最近はデジタル化されたので聞こえないでしょう。
リレーは接点洗浄が必要かな…
水晶の切り替えスイッチ。
基板は簡単に取り外せた。接点復活剤が乾燥して結構汚れている。
裏面に有るロータリーSWを接点洗浄剤で洗浄して再組み付け。
接点洗浄剤を使用するとシャフトの回転が重くなるのでシリコーンスプレーを軸部分に少量付けると良くなります。
全体への13.5V供給ユニットです。
IFユニットか…
こちらは小さな基板に、ファイナルユニットへの8~13.5Vの供給と水晶発信系への9Vの供給をになっています。
9V系は、1N757と言う聞き慣れないツェナーダイオードと2SC620による9V固定出力で問題なく出ています。
各部の電圧や送信信号の道筋を確認中にこのユニットからモクモクと煙が!
見ると、9V側のユニットの抵抗が炎上?
ツェナーダイオードの外観が醜い状態なのでこれの不良により電圧が上がり電流増で焼けたのかな?
換えのダイオードも無いので取りあえず9Vは外部電源から供給して調査続行です。
ただし供給先のユニット不良も考えられるので電流計をいれて監視です。
受信時約30mA、送信時約10mAで問題無さそう…
8~13.5V系は送信時だけ電圧が掛かるのですが13.5Vの入力は有るのですがファイナルユニットへの出力は2.5V位です。
トランジスターの不良が疑えますのでユニットを取り外しました。
丸いトランジスター横の抵抗が焼けています。
ここで送信系の電源も外部別電源で13Vをファイナルユニットに供給して送信したら出力10W以上をを確認、ファイナルトランジスターは生きていました!
先ほど取り外した電源ユニットのトランジスター不良を疑い出力側から順次外したがどれも正常…
どうも半固定ボリュームの不良のようです。
50kΩの規格に対して両端で75kΩ、写真の回しきった状態で中央と左の端子間が25kΩも有るのでファイナルユニットへの電圧が2.5Vしかなかったのでしょう。
最初に半固定ボリュームを疑うべきでした…
前回、半固定ボリュームの不良と判定したけど…疑問が出て来た。
半固定ボリュームが高抵抗になれば出力制御のトランジスターのベースに電圧が掛からない方向になるからです。
結局このユニットも後から出てくる電源ユニットの不具合と同じく電解コンデンサーの問題だったかも…
取りあえず注文した部品が入って来たので作業開始です。
問題ユニットのトランジスター、電解コンデンサー、焼損抵抗を交換しました。
焼損抵抗は必要無いかと思いましたがワット数を上げて1ワット品に交換です。
この抵抗、回路図上は22オームの所を手配ミスで220オームを取り付けたけどその後のテストでは問題なし?…
最近の抵抗は値段は格安ですが100個単位の注文なのが難点です。
せめて10個単位くらいに成らないかな、残り99個使い切れない…
2SC372は手持ち品をその他はコレクター電流とワット数から適当な物に交換です。
組み込み前に電源を供給してテストをしましたが9Vと13Vがそれぞれの出力より出て問題なしでした。
半固定ボリュームの所に電圧を加えるとパワーユニットへの供給電圧が低下することも確認です。
SWRが悪くなると、ここに電圧がかかりパワーユニットへの電源電圧を下げてファイナルトランジスターを保護する役目を果たします。
交換後(1ワットの抵抗が大きく目立つ)
このユニットの回路図(R601 22オーム 間違えて220オームを付けた)
ファイナルへの電源供給とSWRが高い時に保護する役目を果たす回路部分。
部品交換したユニットを組み込み、ダミーロードを付けて送信テストを行いましたが「LOW」だと問題ないのですが「HI」だと電源が遮断されます。
最初は半固定ボリュームの所の問題かと思い色々と調整をしてみましたが状況は変わりませんでした。
その内に電源遮断は大元の13.5V電源だと言うことに気が付き基板上のコンデンサー3個を交換してみました。
そうすると送信「HI」でも問題なく成りました。どうも電源の過電流保護回路がコンデンサーの劣化で低い値で動作していたようです。
本当はこれくらい古い機体は電解コンデンサーを全て交換するくらいにしなければいけないのですが…
新スピリアスと免許の関係でこのリグを交信に使用することは無いのだけど、HI送信だと10W以上出るので電源電圧を少し下げた。
調整中にムギ球が切れたのでLEDに交換しました。ムギ球の方が暖かい色合いで良いのだけど…
もう1台のIC21や他機種と聞き比べ中ですが田舎なので交信している局がほとんどいない…
受信感度はそんなに悪くないようですが他の機械と比べるとイマイチなので調整が必要のようです。
ひとまず送信できるようになり色々と良い勉強が出来たリグでした。
これでこのタイトルはひと区切りとします。長文お読み頂きありがとうございました。
※コメント頂きありがとうございました。
少しはお役に立てましたでしょうか?
FBなハムライフをお送りください。
水晶発信方式だから1970年代で40年以上前の機種と思われますが…
先日、送信不良でオークションに出ていました。
少しいじってみようと思い入札しましたが、私の他に誰も入札せず送料と余り変わらない金額で落札。
本体が着きました。40年の歴史を感じさせる外観です。
まあ、回路の勉強教材だから良しとします。
それにしても多少掃除して見ようかなぁ…
電源投入、取りあえずランプの切れは無いようです。
スケルチVRを最小にしても開きませんが強い局を受信すると開きます。
その後ボリューム洗浄等を行ったせいか知らない内にスケルチは正常に…
ダミーロードを付け送信してみましたがパワー計がまったく振れませんでした。
送信の水晶は発振しているようでファイナルユニットまで信号が届いています。
ファイナルユニット
ここのトランジスター2SC552が不良なのかな? ハンダ面しか見えない。
ちなみにこのIC21は製造番号3000番台です。
もう1台のIC21が手元に有りましてこちらは製造番号が6000番台です。
ファイナルトランジスターが2SC1177に変更、改良?されている。
受信用の水晶が多めに入っています。
どこの周波数かは大体想像が付きますが最近はデジタル化されたので聞こえないでしょう。
リレーは接点洗浄が必要かな…
水晶の切り替えスイッチ。
基板は簡単に取り外せた。接点復活剤が乾燥して結構汚れている。
裏面に有るロータリーSWを接点洗浄剤で洗浄して再組み付け。
接点洗浄剤を使用するとシャフトの回転が重くなるのでシリコーンスプレーを軸部分に少量付けると良くなります。
全体への13.5V供給ユニットです。
IFユニットか…
こちらは小さな基板に、ファイナルユニットへの8~13.5Vの供給と水晶発信系への9Vの供給をになっています。
9V系は、1N757と言う聞き慣れないツェナーダイオードと2SC620による9V固定出力で問題なく出ています。
各部の電圧や送信信号の道筋を確認中にこのユニットからモクモクと煙が!
見ると、9V側のユニットの抵抗が炎上?
ツェナーダイオードの外観が醜い状態なのでこれの不良により電圧が上がり電流増で焼けたのかな?
換えのダイオードも無いので取りあえず9Vは外部電源から供給して調査続行です。
ただし供給先のユニット不良も考えられるので電流計をいれて監視です。
受信時約30mA、送信時約10mAで問題無さそう…
8~13.5V系は送信時だけ電圧が掛かるのですが13.5Vの入力は有るのですがファイナルユニットへの出力は2.5V位です。
トランジスターの不良が疑えますのでユニットを取り外しました。
丸いトランジスター横の抵抗が焼けています。
ここで送信系の電源も外部別電源で13Vをファイナルユニットに供給して送信したら出力10W以上をを確認、ファイナルトランジスターは生きていました!
先ほど取り外した電源ユニットのトランジスター不良を疑い出力側から順次外したがどれも正常…
どうも半固定ボリュームの不良のようです。
50kΩの規格に対して両端で75kΩ、写真の回しきった状態で中央と左の端子間が25kΩも有るのでファイナルユニットへの電圧が2.5Vしかなかったのでしょう。
最初に半固定ボリュームを疑うべきでした…
前回、半固定ボリュームの不良と判定したけど…疑問が出て来た。
半固定ボリュームが高抵抗になれば出力制御のトランジスターのベースに電圧が掛からない方向になるからです。
結局このユニットも後から出てくる電源ユニットの不具合と同じく電解コンデンサーの問題だったかも…
取りあえず注文した部品が入って来たので作業開始です。
問題ユニットのトランジスター、電解コンデンサー、焼損抵抗を交換しました。
焼損抵抗は必要無いかと思いましたがワット数を上げて1ワット品に交換です。
この抵抗、回路図上は22オームの所を手配ミスで220オームを取り付けたけどその後のテストでは問題なし?…
最近の抵抗は値段は格安ですが100個単位の注文なのが難点です。
せめて10個単位くらいに成らないかな、残り99個使い切れない…
2SC372は手持ち品をその他はコレクター電流とワット数から適当な物に交換です。
組み込み前に電源を供給してテストをしましたが9Vと13Vがそれぞれの出力より出て問題なしでした。
半固定ボリュームの所に電圧を加えるとパワーユニットへの供給電圧が低下することも確認です。
SWRが悪くなると、ここに電圧がかかりパワーユニットへの電源電圧を下げてファイナルトランジスターを保護する役目を果たします。
交換後(1ワットの抵抗が大きく目立つ)
このユニットの回路図(R601 22オーム 間違えて220オームを付けた)
ファイナルへの電源供給とSWRが高い時に保護する役目を果たす回路部分。
部品交換したユニットを組み込み、ダミーロードを付けて送信テストを行いましたが「LOW」だと問題ないのですが「HI」だと電源が遮断されます。
最初は半固定ボリュームの所の問題かと思い色々と調整をしてみましたが状況は変わりませんでした。
その内に電源遮断は大元の13.5V電源だと言うことに気が付き基板上のコンデンサー3個を交換してみました。
そうすると送信「HI」でも問題なく成りました。どうも電源の過電流保護回路がコンデンサーの劣化で低い値で動作していたようです。
本当はこれくらい古い機体は電解コンデンサーを全て交換するくらいにしなければいけないのですが…
新スピリアスと免許の関係でこのリグを交信に使用することは無いのだけど、HI送信だと10W以上出るので電源電圧を少し下げた。
調整中にムギ球が切れたのでLEDに交換しました。ムギ球の方が暖かい色合いで良いのだけど…
もう1台のIC21や他機種と聞き比べ中ですが田舎なので交信している局がほとんどいない…
受信感度はそんなに悪くないようですが他の機械と比べるとイマイチなので調整が必要のようです。
ひとまず送信できるようになり色々と良い勉強が出来たリグでした。
これでこのタイトルはひと区切りとします。長文お読み頂きありがとうございました。
※コメント頂きありがとうございました。
少しはお役に立てましたでしょうか?
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