命のカウントダウン2(健康余命927日)

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患者さんの基本的人権について

2024-06-30 22:21:03 | 在宅医療
昨日、人生の最後を過ごす場所として、自分としては病院ではなく自宅を望みたいという希望を述べました。その際、入院は入獄に似ているなどという誤解を招きかねない過激な表現をしてしまいました。少しだけですが、反省しております。表現が下手ですね。

私、入院治療を否定する気は全く無いのです。ただ、自分としては、避けたいのです。入院したくないのです。団体生活になじまない私です。

手術や重症患者の急性期医療など、入院治療が必須の病態があることは、医師の端くれではありますので、十分に理解しているつもりです。信頼できる病院に患者さんの入院加療をお願いすることもしばしばあります。
でも、入院治療は、手厚い医療を施す代償として、患者さんの基本的人権を侵害することが多いのも確かなのです。だから、私は入院したくないのです。

表現が過激かもしれませんが・・・
他人の体を鋭利な刃物で切りつけたら・・・ナイフで通行人を切りつけたら、傷害罪に問われます。対象者が死に至った場合は傷害致死罪に問われます。

ですが・・・・・病院の手術室で同じ?行為を行っても(余程の事が無ければ)そんな罪には問われません。メスを渡した(オペ出しの)看護師も共犯(傷害罪の幇助犯 )に問われることはありません。

そんな事、当たり前と思われるでしょうが・・・一事が万事 なのですよ。
病院関係者は、入院患者さんは人権を侵害されることを当然と感じています。その感覚の鈍さには驚きあきれてしまいます。現在の日本の病院は、患者さんの人権に関する意識があまりに低い。ついこの間まで、抵抗する患者さんは簡単に拘束していました。胃癌のの患者さんに胃潰瘍です肺癌の患者さんに肺真菌症カビの一種ですなんて嘘を平気でついていました。「昭和の頃は、列車の中、バスの中、飛行機の機内で自由にタバコが吸えたんだよ」などと言う話の様に「令和の頃は、病院や施設の中で、人権が本当に軽視されていたんだよ」などと言う話が出きる世界が早く実現してほしいと思っています。
嫌煙権に関しては実現したのですから、より重要な人権蹂躙の皆無化が、実現しないわけがないと思っています。

私も医師ではありますので、医療を優先するためには、ある程度の人権侵害はやむを得ないとは思っています。ですが・・・現在の日本の病院では、患者さんの人権が余りに軽んじられていると感じます。そして同じように介護などの老人施設でも。そして多くの患者さん、入所者さん達が、それは致し方が無いとあきらめてもいます。それで、問題が表面化していません。私はそれが腹立たしくてならないのです。とてもとても、もどかしいです。

精神科病院では患者さんの人権が意識され始めているようです。しかし、それは、これまで余りにも患者さんの人権を踏みにじり続けて来た反動だと感じます。
日本弁護士連合会:精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議 
2021.pdf (nichibenren.or.jp) 
精神科以外でも、少しはそのあたり意識してくれている病院もあるようですが、まだまだ少数です。

入院は入獄と類似しているなどと過激なことを口走ってしまうのは、もどかしい思いからなのです。病院側の人権意識、本当にレベル低いです。猛省を促したい私です!!



厚生労働省の調査によると、人生の最後を迎える場所の希望はやはり自宅が最多です。
しかし、思いと現実には大きな差があるようです。そして、その差はとても大きいのです。

私達は、いずれ・・・いつかは必ず死にます。
その死因は・・・・
現在では癌が最多ですね、心疾患、脳血管障害も結構多いです。これらの疾患には入院加療には適さない「病状が安定している」時期が結構長くあります。貴方の周囲にも但癌患者さんや脳梗後遺症、心臓悪いねん などと言いながら自宅で生活をつづけられている方、おられませんか?そんな方、入院しての積極的加療にはそぐわない状態なのです。ですが、健康ではありませんので、何らかの医療は必要です。このような場合に、在宅医療が大きな力を発揮します。そんな患者さんが確実に増え続けています。

在宅医療。今でもリソース不足なのですが、今後は今以上にが深刻化していきます。
年間の死亡者数は140万人以上が続きます。医師数は全国で34万人ほどですから、医師一人当たり年間4人程度の死者を診る計算になります。(正確には死亡診断書を作成できるのは、医師か歯科医師(10万人程度)なのですが、歯科医師が死亡診断書を作成することは稀です。そして死体検案書は医師しか作成できません。)(「自らの診療管理下にある患者が、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと認める場合」には「死亡診断書」を、それ以外の場合には「死体検案書」を交付 します、)

私は、年間20枚程度死亡診断書、死体検案書を書いております。平均よりも少し多いですが、殺人罪に問われたことは当然ながら?ありません。おかしなことを言うやつだなぁと思われるかもしれませんが、「苦しそうだったら楽にしてね。お願い」などと、生前に頼まれる事結構あるのです。しばらく前に京都で、同じような願いを持ったALSの患者さんの願いをかなえてしまった医師2人が逮捕されましたよね。いずれ近いうちに死に至るであろう患者さんの苦痛をどのような方法で取り去るかに関して、悪意に満ち満ちた解釈をされてしまえば、私も殺人罪や殺人ほう助罪に問われる可能性がゼロだとは思わないです。このあたり言い出すととても面倒なことになるので別の機会に譲ります。

兎に角、私は、住み慣れた自宅で最期まで過ごしたいと思っています。ですが、急性疾患 心筋梗塞や脳卒中、肺炎などで死を迎えるのならば、病院死もやむを得ないなとも思っています。このあたりの微妙なニュアンス、理解していただけるとありがたいです。私、今後も在宅医療にかかわっていきたいとは思っていますが、マンパワーには限りがあります。そして私自身70歳を超えました。そろそろ引退したいとも思っています。そのあたり本当に微妙です。そこいらのの微妙さも合わせてご理解していただけたら本当にありがたいです!!



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