マリアと共に歩む（２）

男子跣足カルメル会『カルメル山の聖母　－　スカプラリオを理解するために』ドン・ボスコ社

◆１８、マリアと共に歩む（２）

　マリアの偉大な崇敬者であり詩人であったモンフォールの聖者は、聖母について言いました、「マリアは、神であり人でもあるお方をごく自然に形造るために、聖霊がおつくりになった、神を写し出す偉大な模範である」と。だれもマリアに近づくことが出来ます。マリアは生き生きとした、血の通った、純粋な神の似姿、愛である神の肉身をもった似姿です。それは、イエズスが私たちの一人となるために、マリアを通してそうされたからで、神の母は、こうして人類を抱擁し、その涙をぬぐい、傷を癒し、永遠を指し示すみ摂理の手となったのです。

　しかし私たちは聖霊によって、新しい人として形成されて行くために、聖霊にみたされた母マリアに子として自分をゆだねなければなりません。マリアは私たちのうちにイエズスを形成するための型であり、モンフォールによれば「この型は三位一体の神によって完全に仕上げられており、自分をこの型に流しこんでさからわない人は、イエズスにかたどられて完全な人となる。」神であり人であるイエズスが、知恵と恵みのうちに成長するよう世話をされたマリアは、私たちが完全になるまで、私たちの内にある人間的、神的な可能性を育てあげることを知っておられるはずです。三位一体の崇高な富に与っている聖母は、人にキリストを与える使命を永遠なるお方から受けたのです。愛の条件である私たちの自由を尊重しながら、マリアは私たちを自分の道へ招き、そこを通って最高の生命へ私たちを導こうとするのです。マリアは愛である神の母であるばかりか、また私たちに神を「解説」するお方、私たちに神を悟らせるために開かれた本でもあるのです。なぜならマリアは本のように沈黙していますが、神のことばイエズスは、そこに書かれ、世界がそれを読みとるのを待っているからです

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マリアと共に歩む

男子跣足カルメル会『カルメル山の聖母　－　スカプラリオを理解するために』ドン・ボスコ社

◆１７、マリアと共に歩む

　私たちのそばに、私たちと同じ被造物として、私たちと隣人の、またすべての人々のさまざまな問題にたいしても答えを与え、人生の道をためらいなくたどることを教えてくれるお方がおられます。それは、イエズスの母マリアです。二千年前地上に来られたとき、イエズスはあえて聖母に頼り、依存することをお望みになりました。生まれるためにも、生まれてのちも、私生活中も、公生活においても、さらに死と復活ののちにさえ。イエズスは自分のためにも、自分のみ業、すなわち教会、自分の神秘体のためにも、マリアの奉仕をお望みになりました。「私のうちに生命の希望は宿る」という聖句はマリアにあてはめられますが、今日もイエズスはマリアのためになら地に降ってこられます。マリアは地上にあって、めくるめく天の高みから限りなく小さな被造物にまで降りてきた、神のご計画の神的な贈り物をそっとうけとめ、この世に人となった憐れみを与える母となったのです。


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実際的ないくつかの勧め（４） － スカプラリオを理解するために

男子跣足カルメル会『カルメル山の聖母　－　スカプラリオを理解するために』ドン・ボスコ社

◆１６、実際的ないくつかの勧め（４）

　六、スカプラリオをつけた人は、その身分にふさわしく、カルメル山の聖母の祝日だけではなく、一年を通して聖母に誉れを帰するのです。教会が認可したすべての信心業は、神の御母への信心の表現とも糧ともなるのであって、とくにロザリオを唱えることは、天の母との日々の語らい、祈りの翼を用いて会いに行くことであると言えるでしょう。ルルドやファティマにおいて、聖母の出現はロザリオの祈りと結びついていました。ルルドではを一生涯スカプラリオをつけていた聖ベルナデッタがとくに指摘しているように、聖母の一連の出現はカルメル山の聖母の祝日をもって終わりをつげるのです。また、カルメル会修女となったルチアは、聖母のおさとしの中で「ロザリオとスカプリオは離せないものでした」と言いました。最近の教皇公文書の中でもロザリオとスカプラリオとは、神の御母へのキリスト教的信心の真の表現、信者の霊的生活を促進する手段として、しきりに勧められています。


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実際的ないくつかの勧め（３）

男子跣足カルメル会『カルメル山の聖母　－　スカプラリオを理解するために』ドン・ボスコ社

◆１５、実際的ないくつかの勧め（３）

　五、スカプテリオ会員に特有の祝日は、七月十六日、カルメル山の聖母の祝日です。この祝日は十四世紀から始まって、今日では全世界に広がっています。パウロ六世教星はそれを「はじめは特定の修道会で祝われ、やがてさらに広く行なわれるようになって、教会の祝日と言えるようになった」祝日のひとつに数えています。（マリアリス・クルトウス8）

　この祝日の目的は、最初からマリアを敬い、カルメル会とその子らに与えられた保護を感謝することにありました。次いで、とくに十六世紀にスカプラリオに重点がおかれるようになってきましたが、それは、スカプラリオが神の御母に感謝するための、もっともわかりやすい動機となったからです。この祝日を祝い、霊的な実りを受けるもっともよい方法は、マリアに身を捧げた者としての自覚をよびさまし、マリアを敬いマリアに倣う決心を新たにすることにあるのです。これは、周囲の人々がこの祝日を祝わないような土地にいる場合でも、スカプラリオの着用者が実行すべきことです。


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実際的ないくつかの勧め（２）

男子跣足カルメル会『カルメル山の聖母　－　スカプラリオを理解するために』ドン・ボスコ社

◆１４、実際的ないくつかの勧め（２）

　四、司祭からスカプラリオを受けて、いつもそれを身につけているすべての人は、カルメル山のスカプラリオの会に属し、カルメル会の精神と伝統に従って、聖母を敬いつつキリスト教的生活を送ろうとの意図をもつ人々の仲間入りをすることになります。ピオ十二世はこの人々に、「特別な愛の絆によって、この聖母の家族に結ばれている」ことを想起させています。また、コハネ二十三世教皇は、まだパリで教皇使節であったころ、アヴォンのカルメル会士たちに言われました。「スカプラリオによって私もあなたがたの家族の一員です。私はこの恵みを聖母のまったく特別なご保護の保証として、ひじょうに大切にしています。」スカプラリオはカルメル会の修道服の象徴的な一部分でありますから、それを着る人は、聖母をとくに敬愛してきた、この会とのつながりを持っているわけです。それで、すべてスカプラリオを着ている人はマリアの兄弟たち、マリアの子なのです。


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