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第1章 使徒時代の聖会 (紀元30年ー70年)

2018-05-16 05:39:06 | 教会史
「第1章 使徒時代の聖会 (紀元30年ー70年)」『聖会史のはなし』浦川和三郎司教


使徒たちは聖霊をこうむってから、何を致しましたか。

使徒たちは聖霊をこうむるや、たちまち室内を飛び出しました。
そして、聖ペトロは一同にかわり、むらがるユダヤ人に向かって口を開き、イエズスキリストが約束の救い主にてましますことを聖書によって証明し、皆に痛悔を勧めました。
聴く人はいずれも大に感じて信仰を起こし、洗礼を請うた者が3千人、
数日後には、5千人の多きにのぼりました。


ユダヤ人はこぞって御教えを信じましたか。

いいえ。
御教えを信じたものは極めて少数で、大多数は使徒達を迫害し、御教えを双葉の中にたたきつぶそうと働き、まず、助祭のステファノを捕えて、ステファノを石殺しにしました。
ステファノは最初の殉教者です。
この迫害の結果、信者たちはクモの子を散らすが如く四方へ逃げ走り、
至るところに御教えを宣伝しました。

シリアの都アンチオキアに避難した信者などは、異邦人に向かって教えを説き、たくさんの信者を得ました。
信者が「クリスチャン」と呼ばれるようになったのは、その時からであります。


聖パウロは、どのようにして改心しましたか。

聖パウロは、初め、サウロと称し、熱心なファリサイ派の人、キリストの大敵でした。
国内の信者を捕えて、牢獄にぶち込んだのみならず、隣国シリアの都ダマスコへ赴き、同地の信者をも引捕えようとしました。

でも、ダマスコに近づいたころ、突然、天からの光に打たれて地に倒れ、

「サウロ、サウロ、なぜ私を迫害するのか」
という声を聞いて改心し、「主よ、私が何を為すことを望み給うのでございますか」
と申しました。
そして、主の仰せに従い、ダマスコへはいって洗礼を受け、直ちにユダヤ人の前に立って、イエズスキリストが天主の御子、世の救い主にてましますことを説教しました。


サウロはそれからどうなりましたか。

サウロはそれから名をパウロと称し、小アジア、ギリシアの各地に3回の伝道旅行を試み、どのような艱難、苦労をもいとわず、至るところに福音を説いて、たくさんの人を信者となし、「異邦人の使徒」と呼ばれるに至りました。
後、ローマに赴き、宮殿の中にまで伝道の手を伸ばしましたが、紀元67年、ネロ帝の迫害に捕えられて聖ペトロと同じ日、(6月29日)にあっぱれな殉教をとげました。


聖ペトロはどのような活躍をしましたか。

聖ペトロは、最初から使徒たちの首長として活躍しました。
初めて主の御復活を説いたのもペトロ、初めてユダヤ人を改宗させ、また、異邦人に洗礼を授けたのも、
初めて奇蹟を行ったのもペトロでした。

このようにして、エルサレム教会を創立し、ついでアンチオキアに教座を据えたうえで、帝国の首都、異教の総本山であるローマに赴き、ここをカトリック教会の中心地とし、第一代ローマ教皇となりました。
聖ペトロの建てた教会こそ、一、聖、公、使徒承伝なるカトリック教会であります。


聖ペトロはどこで殉教しましたか。

聖ペトロは聖パウロと共にローマに布教して多くの信者を得ました。
時の皇帝はネロと称し、箸にも棒にもかからないほどの暴君でした。
火事を見るが為にローマ市に火を放って、その大部分を焼き払い、市民が騒ぎ出して、おだやかならぬ様子をみせるや、その罪をキリスト教徒になすりつけ、彼らを捕えて獣の皮をかぶせ、犬に投げ与えて食わせるとか、
着物に松脂(まつやに)をぬって十字架にはりつけ、火を放って街灯となし、
自分は馬車をかってその間を見物して廻るとかしたものであります。

この迫害に聖ペトロは捕えられ、ヤニクルス山中のヴァティカンという丘の上で、頭を下にして十字架に釘づけられて殉教しました。
その墓の上に建てられたのが、ヴァティカンの「聖ペトロ大聖堂」であります。

時は、まさに、紀元67年6月29日でした。


エルサレムの滅亡したのは、いつごろでしたか。

紀元66年、ユダヤ人は兵を挙げてローマに背き、独立を図りました。
ローマの将軍ティトウスは、紀元70年兵を督してエルサレムを十重二十重にかこみ、6ヶ月にしてこれを陥れ、神殿をはじめ、市の大部分を焼き払いました。
ユダヤ人の戦死10万人、奴隷として売られたもの11万人にのぼりました。
その時から、ユダヤ人は世界の四方に散り散りとなり、国もなく、政府ももたず、いたる所の国民から忌み嫌われているのであります。

結び--
これから聖会と文明とは固く相結び、両々相並んで進み、同じ試練にもまれ、同じ凱歌をも奏することになりました。


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