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教皇庁が中国政府公認司祭を承認、中国との関係改善に向け譲歩(WSJ)

2018-02-04 01:39:38 | 時事
ローマ法王、中国との関係改善に向け譲歩 
ローマ法王庁が中国政府公認司祭を承認

2018 年 2 月 2 日 11:24 JST The Wall Street Journal

 フランシスコ・ローマ法王はこのほど、中国政府が任命した同国内司教7人の正統性を認める決定を下した。バチカン(ローマ法王庁)の関係者が明らかにした。法王はこの譲歩により、中国政府が同国カトリック教会の長としてのローマ法王の権限を受け入れることになるよう期待している。

 中国政府は、法王を無視して中国内の司教を相次ぎ任命してきたのに対し、バチカンはそれを不当として認めず、バチカンと共産党一党支配の中国政府は、司祭の任命権をめぐり長年対立してきた。

 関係者によれば、法王はこれら7人の破門を撤回し、それぞれが管轄する教区長として承認する。バチカンの広報担当者はコメントを控えた。

 今回の決定は、法王が中国との関係を改善し、政府公認の教会と、法王に忠誠を誓ういわゆる地下教会との対立に終止符を打ちたいと切望していることを反映している。中国ではキリスト教徒が大幅増加しているが、その多くはプロテスタントで占められている。世界宗教データベースによると、2015年時点では中国国内のカトリック教徒は政府公認教会に属する者が730万人、それ以外が1050万人に上っている。

 中国は、高圧的な姿勢を強める習近平国家主席の下で、宗教活動への締め付けを強化している。中国のカトリックの教徒や司祭の多くは、国家管理や政府任命の司教を遠ざけ、バチカンへの忠誠を守ってきた。そうした信者は、投獄されたり、嫌がらせを受けたりして、迫害されている。

 地下教会の著名な擁護者で、香港カトリック教会前司教の陳日君枢機卿は、法王が中国と司祭任命権をめぐり合意を取りまとめることに反対を表明している。同枢機卿はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「ウィンストン・チャーチルは『一党独裁体制と取引ができるのか、一党独裁体制を信頼できるのか』と疑問を呈した。全体主義体制は全く信頼できない」と語った。

 カトリック教会の中には、中国での影響力を維持するには、教会への締め付けを強める同国政府との和解を必要なものとみなす向きもある。

 バチカンは、法王の決定を非公式に中国政府に伝えている。関係者によると、法王はこの決定についてまだ正式なものとしていないが、今春には発表するとみられている。

 バチカンが提案している合意案では、法王は将来の中国国内の司教候補について拒否権を与えられることになっている。中国政府はこの案を受け入れるかどうか決断を下すことになる。中国側は、合意案受け入れの前提条件として、政府が任命した司教7人を承認することを挙げていた。

 中国共産党は、あらゆる宗教活動への取り締まりを厳格化しており、宗教団体に対し外国の管理下から外れるよう命じている。1日に発効した新規則では、宗教団体は指導案や海外への巡礼などの活動について政府の承認を得ることを義務付けられている。

 中国は1951年にバチカンと断交した。1980年代以降、バチカンと中国政府は、司教の任命に当たっては大抵の場合非公式に調整しているが、中国側は周期的にバチカンの同意を得ないま司教を任命している。

 関係者によれば、バチカン当局者は中国との間に合意がないままだと、中国政府が自ら任命する司教がますます増加し、同国政府とバチカンや政府公認以外の中国の地下教会との亀裂が深まるとの懸念を強めてきた。

 一方で合意ができれば、バチカンにとって見れば、中国政府が中国カトリック教会の長としての法王の管轄権を初めて正式承認するという大きな進展となる。

 ただカトリック教会の中国における地位をめぐっては、それ以外にも未解決のさまざまな重要問題がある。例えば、バチカンが承認したものの、中国政府が認めていない司教が30人以上いる。中国とバチカンの外交関係の回復は依然として遠い目標である。

http://jp.wsj.com/articles/SB10498810886951743680904584019793971778368




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