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志村辰弥神父『聖母マリアの崇敬』、7

2016-07-23 07:00:06 | 聖母崇敬
志村辰弥神父『聖母マリアの崇敬』

4、ロザリオの祈り

 ロザリオの祈りは、マリアを崇敬し、その取りつぎを願うために、もっともふさわしい祈りであります。

 ローザはバラの意(ラテン語)、天国の優雅な象徴とされています。そこで、マリアを賛えるために、「めでたし」の賛歌をくりかえして霊的バラの花冠をつくり、これを献げるのが、ロザリオの祈りであります。

 この祈りは、一三世紀のはじめ、ドミニコがアルビ派の異端を克服する為に、マリアの啓示を受けて始めたといわれます。それから、三百年経って、トルコの大軍がイタリアを襲ったことがあります。そのとき、ピオ五世教皇は、その難を免れるために、全国に指令してロザリオをとなえ、マリアのご保護を祈らせました。そして一〇月一〇日、わずかの兵をもって、レバントの海戦で敵を全滅し、奇跡的な大勝利を得ました。教皇は、マリアのこの著しい助けを記念するために、一〇月の第一主日をロザリオの祝日と定め、マリアの連願に「キリスト信者のたすけ」という語句を加えました。その後、1716年、またもトルコ軍がハンガリーのコルフー市を襲いましたが、国王カロロ六世は国をあげてロザリオを祈らせ、マリアの取りつぎによって、強敵を撃退することができました。教皇クレメンス一一世は、これを感謝して、ロザリオの祝日を全世界の教会で祝うように命じました。現在一〇月一〇日に祝われているのは、1913年ピオ一〇世によって変更されたためです。

 一九世紀は唯物主義や自由主義の台頭によって信仰が脅かされはじめた時代です。教皇ピオ九世およびレオ一三世は、これに対処するために、マリアの崇敬に関する回勅を出して、ロザリオの信心を推奨しました。二〇世紀においては、科学の偉大な進歩と唯物主義、共産主義が暴力をふるい、世界の多くの国々がその支配を受けて、道徳が頽廃しました。ロザリオの信心を促すため、ピオ一二世は、ファティマに出現したマリアの啓示に促がされて、現代の危機を救うために、マリアの特別なご保護を求めるよう強調しました。そして一九五〇年には、マリアの被昇天のドグマ(信仰箇条)を決定して、マリアの崇敬を高めました。

 ヴァティカン公会議を召集したヨハネニ三世教皇は、典礼の刷新やプロテスタント神学の影響によってマリアの信心が低下するのを憂慮し、一九六一年、六二年の二回にわたって使徒的書簡を公にして、「ロザリオはその重要さにおいて、ミサ聖祭と秘跡および聖務日課に次ぐものであり、一般信徒にとっても、秘跡にあずかることの次に、もっとも重要な信心である」とさとしました。つづいて、パウロ六世教皇は、一九七四年、「マリアの崇敬について」という使徒的勧告によって、マリアヘの信心をすすめ、公会議による典礼刷新の意図を明らかにしたことは前述の通りであります。なお、現教皇ヨハネ・パウロ二世もファティマのマリアに対する深い信心を持ち、現代の悪を克服するには、キリストのしるし(十字架・ぎせい)とロザリオが最良の武器である」と強調しています。このように歴代の教皇がロザリオを推奨しているのは、その祈りの効果が著るしいばかりでなく、マリア自身がこの祈りをとなえることをルルドやファティマで求めておられるからでありましよう。

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