唐突なのですが
私
日向坂46の
キツネという曲が大好きで…。
キツネ→こちらが歌詞
この曲、コエ蔵にとてもあうのです。
なので
ちょっとこれを元に小説を作ってみました。
*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..
んっと、蔵馬が銀の髪を揺らした、
朝だ。静かに身を起こした蔵馬の、髪をコエンマは撫でた…。瞬間、払いのけられた。
「つれないな」
くす、と笑ったのは蔵馬だった、
盗賊と知って手を出してきたくせに。この王子様は。
「今日ここを出なければいけない」
違うエリアに隠れ家を作る。
「次…」
言いかけたコエンマを、蔵馬は口で制した。
「お前が願えば会える」
自分からは行かないけれど。
僅かに蔵馬の目が細められた…切なく。
「お前には捕まらない」
冷たい声のくせに…重なる唇はなぜか優しい。
望むように…コエンマが描く蔵馬を夜は思い切り演じたはず。柔らかくてしなやかな、甘い夜を。
「蔵馬っ」
「お前も、霊界に、帰れば霊界のお前になる」
生きることは綺麗な化かし愛だから。
これも愛。
ふわりと、…昨夜はしない花の香りを残して。
蔵馬は消えた。
洞窟の周りにはキツネ色の花々。
===
コエンマは、霊界の私室で頭を抱えた。駄目だ…どうしても、あの狐の微笑みが
頭から離れない。書類をしっかりと見て判断しなくてはいけないのに。
パサパサと、細かい字で埋め尽くされている紙を見つめた。…複雑な人間関係の末に、
相手を殴ってそして、喧嘩の帰りに交通事故で死んだ男の判断はどうするか…。
罪と不幸を両方持ち合わせている話に、コエンマは溜息を吐いた。
なぜ出会ってしまったのだろう。
夜の狐は本当に美しい…。身体の全てから花の香りがするのではないかと思うほど。
白い肢体を広げ、柔らかな指を絡めて、ハッ…と息を漏らす。
ゆっくりと吐かれた息が、コエンマの耳をなぞるように。
んっと妖狐が身体をしならせる度に、青と銀の混ざった瞳が潤んでいくようで…。
「コエ…ンマ」
そこだと、妖狐は下半身をくねらせた、その瞬間に、妖狐の足がコエンマの身体を挟み込んだ。
逃がさないように…。
なのに、もっと奥に触ってくれと、甘く強請る声がする。強引なのに。
前から妖狐に抱きしめられるようにコエンマの身体が挟まれて、白い指がコエンマの背に絡んでいく。
「あっ…ふ…」
それだけで…惑わされる。
いけないとおもいながら溺れていく…。
その夜が頭から離れない。
ああ、駄目だと思い、窓の外の森を見た。
霊界の庭園には白と赤の花が美しいコントラストを描いていた。
囲む木々の中から、鳥が羽ばたいていた。
鳥の羽が白く柔らかで…それさえも妖狐を想い起こさせる…。
ああ、と一瞬だけコエンマは言って窓を閉めた。
あれは…一瞬の夢のこと。
狐と居るときは…恋に溺れる自分になる。今は…霊界に生きる者。
===
コエンマと会った洞窟から遠く、静かな森の洞窟に妖狐はいた。
あいつはどうしているだろうか。
もしかしたら、気が…自分が本当に望めば会えるかもしれない。
けれどそれは全てではない。
恋は全てではない。
自分は盗賊だし、コエンマのことだけを考えて生きているほど柔な生き物ではない。
生き方を変えるほど弱く純ではない…。
なのに。
一瞬胸が痛む。
純ではないのに、コエンマの優しげな髪の感触が忘れられない。
「はっ…」
自分のからだを抱きしめてみても、…あの人にはかなわない。
シャラ、と妖狐の指の中で重い感触がした。…少し前に盗った、青い宝石。
そうだ。
もっと薄く煌めく青の石を自分は狙っているはずだ。
心は、盗めない。自分の心は。
んっと、蔵馬が銀の髪を揺らした。銀の吐息。
*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..
私
日向坂46の
キツネという曲が大好きで…。
キツネ→こちらが歌詞
この曲、コエ蔵にとてもあうのです。
なので
ちょっとこれを元に小説を作ってみました。
*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..
んっと、蔵馬が銀の髪を揺らした、
朝だ。静かに身を起こした蔵馬の、髪をコエンマは撫でた…。瞬間、払いのけられた。
「つれないな」
くす、と笑ったのは蔵馬だった、
盗賊と知って手を出してきたくせに。この王子様は。
「今日ここを出なければいけない」
違うエリアに隠れ家を作る。
「次…」
言いかけたコエンマを、蔵馬は口で制した。
「お前が願えば会える」
自分からは行かないけれど。
僅かに蔵馬の目が細められた…切なく。
「お前には捕まらない」
冷たい声のくせに…重なる唇はなぜか優しい。
望むように…コエンマが描く蔵馬を夜は思い切り演じたはず。柔らかくてしなやかな、甘い夜を。
「蔵馬っ」
「お前も、霊界に、帰れば霊界のお前になる」
生きることは綺麗な化かし愛だから。
これも愛。
ふわりと、…昨夜はしない花の香りを残して。
蔵馬は消えた。
洞窟の周りにはキツネ色の花々。
===
コエンマは、霊界の私室で頭を抱えた。駄目だ…どうしても、あの狐の微笑みが
頭から離れない。書類をしっかりと見て判断しなくてはいけないのに。
パサパサと、細かい字で埋め尽くされている紙を見つめた。…複雑な人間関係の末に、
相手を殴ってそして、喧嘩の帰りに交通事故で死んだ男の判断はどうするか…。
罪と不幸を両方持ち合わせている話に、コエンマは溜息を吐いた。
なぜ出会ってしまったのだろう。
夜の狐は本当に美しい…。身体の全てから花の香りがするのではないかと思うほど。
白い肢体を広げ、柔らかな指を絡めて、ハッ…と息を漏らす。
ゆっくりと吐かれた息が、コエンマの耳をなぞるように。
んっと妖狐が身体をしならせる度に、青と銀の混ざった瞳が潤んでいくようで…。
「コエ…ンマ」
そこだと、妖狐は下半身をくねらせた、その瞬間に、妖狐の足がコエンマの身体を挟み込んだ。
逃がさないように…。
なのに、もっと奥に触ってくれと、甘く強請る声がする。強引なのに。
前から妖狐に抱きしめられるようにコエンマの身体が挟まれて、白い指がコエンマの背に絡んでいく。
「あっ…ふ…」
それだけで…惑わされる。
いけないとおもいながら溺れていく…。
その夜が頭から離れない。
ああ、駄目だと思い、窓の外の森を見た。
霊界の庭園には白と赤の花が美しいコントラストを描いていた。
囲む木々の中から、鳥が羽ばたいていた。
鳥の羽が白く柔らかで…それさえも妖狐を想い起こさせる…。
ああ、と一瞬だけコエンマは言って窓を閉めた。
あれは…一瞬の夢のこと。
狐と居るときは…恋に溺れる自分になる。今は…霊界に生きる者。
===
コエンマと会った洞窟から遠く、静かな森の洞窟に妖狐はいた。
あいつはどうしているだろうか。
もしかしたら、気が…自分が本当に望めば会えるかもしれない。
けれどそれは全てではない。
恋は全てではない。
自分は盗賊だし、コエンマのことだけを考えて生きているほど柔な生き物ではない。
生き方を変えるほど弱く純ではない…。
なのに。
一瞬胸が痛む。
純ではないのに、コエンマの優しげな髪の感触が忘れられない。
「はっ…」
自分のからだを抱きしめてみても、…あの人にはかなわない。
シャラ、と妖狐の指の中で重い感触がした。…少し前に盗った、青い宝石。
そうだ。
もっと薄く煌めく青の石を自分は狙っているはずだ。
心は、盗めない。自分の心は。
んっと、蔵馬が銀の髪を揺らした。銀の吐息。
*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..
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