9/17 ヤコブ・ヤング・グループ@Tokyo TUC

(ヤコブ・ヤング・グループなのに、画像はマティアスとマツ。赤の照明のせいもあり非常に強面)

 今月と来月はノルウェー・アーティストが多数来日です。財布が非常に厳しい!というのは置いておいて。

 ノルウェイのジャズ・ギタリスト、ヤコブ・ヤング。三年前に他アーティストのサポートでの来日はあったものの、自身のグループとしての公演は今回が初めてなのだそう。メンバーには、個人的にかなり気になるTurangaのマツ・エイラートセンやJaga Jazzistのマティアス・アイクの顔ぶれもあり、かなり興味深いライヴでした。

 名門ECMからのリリース、と聞くと、個人的にどうしてもカタイ、敷居の高さみたいなものを感じてしまうのですが・・・
 ステージに現れた長身の彼とグループが奏でるそれは、ものすごく柔らかで美しく、言葉に出来ないような心地よさや懐かしさが溢れていました。

 年齢層の広い(28~64歳!)このグループの面白さは、しっかり音にも表れていて、若からず古からず、その絶妙なバランスがヤングの舵取りのもとに表現されていました。アコースティック・ギターよりも、エレキ・ギターの出番が多かった今回、エレキと聞くと、どうしてもハード&ワイルドな印象を抱きがちですが、このグループが奏でる甘く、郷愁を誘うような場面を、エッジの効いた音(ロックさながらのパフォーマンスも相俟って)でうまく引き締めてくれる、そんな表現の面白さを見たような気がしました。

 グループ最年少のマティアスもまた、Jagaの時のクールで硬派なイメージを掻き消すかのように、穏やかで柔らかい音を聴かせてくれ、ベースのマツも、ベルゲンでのはじけたパフォーマンスとは別人のように、ショーを支えるリズム隊として落ち着いたプレイを見せてくれました。最年長のドラムのヨン・クリステンセンは、アンコール後のいい雰囲気に、それまでの熟練の成せるドラミングとはまた違った、(本人曰く)サイケデリックなパフォーマンスを披露してくれました。(終演後、「あの時は、みんなのいつもと違うプレイに、ボクもいい気分になったんだよ~」と言ってました。)

 ノルウェイの今!を伝えるジャズは、ジャンルも趣向も世代も全て持ち寄りで上手く調和されたもの、それがこのシーンの最大の魅力なんだろうなぁ、と思った今日。
 インプロもエクスぺリメンタルももちろん大好きだけど、こうしたまとまりある美しい響きを持つジャズは、やはり北欧ノルウェイならではのもの。その研ぎ澄まされたセンスや感性が触発しあって生み出されたものであり、だからこそ、私はその全部が大好きで、全部が合わさって初めてノルウェイのジャズ、そして音楽シーンが好きなんだ、改めてそう思ったのです。

 マティアス、二年以内にJagaでの来日、期待して待ってますね
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