2/14 北欧映画祭 その2

 先週は監査対策のため、恐ろしいほど残業をしたので、息抜きに半休を取りました。

 生憎の雨でしたが、どうしても見たかった『シンプル・シモン』を見に渋谷ユーロ・スペースへ。今年の北欧映画祭は、興味深いラインナップで、出来ることなら全部見たい!と思ってしまったほど。そう思うのは私だけではないようで、会場は平日の昼間だというのに、たくさんの人で賑わっていました。学生やら社会人やら高齢者やら、ほんとうにいろんな世代の人ヒトひと。

 そして、本題の『シンプル・シモン』

 アスペルガー症候群という障害(といったら誤解があるかもしれません)を持つ主人公・シモンと、彼の保護者であるしっかり者のお兄ちゃん・サムの物語。スウェーデンらしいポップな音楽とともに繰り広げられる不思議なシモンの日常は、私からみるとすごく「非・日常」であり、驚きとユーモア、ときに混乱に満ちたものでした。

 他人の感情や行動を理解することが難しい彼にとって、世の中の多くの人が当たり前に振舞っていることが、しごく難解なことなのだそう。よく対人関係において「空気を読め」とか言われますが、彼は、空気なんて最初から読めないし、読むことの必要性について考えるという始末。

 変化することを恐れ、様々な変化の過程において起こる事象を理解しようと悩むことを拒む。悩まないから、ストレスなんてたまらない?

 そんな障害による言動のせいか、誤解されることも多く。彼にとって現代はとても生き難いものなのかも知れない。そんな彼・シモンを深く理解し、彼を大切に思うが故に自分の大切な恋人を失ってしまうという兄・サム。すごくいいお兄ちゃんなんだけど、その優しさがゆえにすごく残念な目にあってしまう・・・。そんな二人の関係はすごくいいんだけど、このままじゃ二人とも幸せになれないような気がして不安になってしまう。・・・、果たしてこの物語の結末は?? というのが作品の大まかな内容。

 見終わって思ったこと。

 いろんなことを考えて、あれこれ人の気持ちまで考えていくと、本当の自分の気持ちさえわからなくなってしまうことはよくある。こんな事を言ったら、相手はどう思うか、とか、考え出すときりがない。

 少し立ち止まって考えてみる。

 答えはしごくシンプルなはず。

 障害があったって、なくたって、同じ時代を生きてるんだもの。

 空気を読むんじゃなくて、お互いを思いやる気持ちさえあれば、世の中の問題の多くはわりとすんなり解決するんじゃないのかな、と思ったりして。

 なんだか心があったかくなる作品でした。

 
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