4/8 食卓の肖像


うちのニューフェイス、セラドングリーン15cmプレート。

本日の食卓。オリーブグリーンのプレート使用。

新宿「K’s Cinema」で映画「食卓の肖像」を見た。
既に見られた方もいるかもしれないが、1968年に起こった「カネミライスオイル」による食品公害事件の被害者の声をベースに作られたドキュメンタリー作品だ。

カネミ油症。友人にこの映画を薦められるまでは、恥ずかしながらざっくりとした公害事件の印象しか持っていなかった。当時この油を口にした人が様々な疾患症状を起こした、というぐらい。

油の中に混入したPCB(ポリ塩化ビフェニル)がダイオキシンに変化し、それを食した被害者は14,000人に上る。さまざまな皮膚症状や内臓疾患、細胞の癌化などに苦しみ、被害者の子や孫にまで被害は及び、現在も多くの方が苦しんでいるという。

映画を通して不思議に思ったのは、これだけ大きな食品公害事件だったにも関わらず、患者に対する補償は本当にびっくりするぐらいお粗末だということ。認定・未認定の基準も国の保障も、事件を起こした会社の責任も、ある程度の責任はとっているものの、何だか曖昧なまま現在に至っている。(2004年に新認定基準は示されているが…被害者すべてを救うというものではない。) これまでに前例がない事件、ということで、これから、つまり次世代への影響までは責任がとれない、影響が断定出来ない、という理由のような気もする。今も少しずつ病気に蝕まれていく恐怖や、見えない不安と戦いながら生きる被害者の方々を思うと、日本って、何て信じられない国なんだろうと思ってしまう。

発売当時、この油は血中脂肪濃度を下げる効果があるとして、今でいう特保とか機能性食品のような感じで話題を呼び、多くの人が口にしたという。健康にいいとされた食品によって、身体を破壊されたという悲劇。でもこれは、現代社会でも普通に起こり得る話だと思う。だって、食べ物と身体の関係はリスクの駆け引きみたいなものだから。

話はそれるが、
私は一応管理栄養士だけど、スタンスは中庸なので、それ単独で健康によいという食品は存在しないと思っている。

食材やそれらから作られる食品は、限りなくグレーだ。白い食材も食品もない。(もちろん黒もない) 食べ物それぞれにいいところと悪いところがあって、それらをいろいろ食べることからバランスが生まれると思っている。以前、保健所の講義で聞いた「リスクを分散させる」食べ方がそれだ。

好き嫌いはもちろんよくないし、偏った思考や嗜好もよくない。

何でもバランスよく食べる大切さみたいなものも、改めて感じさせられた作品だった。
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