4/18 料理に愛をとわないで

今日は、恵比寿でコーヒーを二杯いただきました。





これは、私の強引な作品



という話ではなく、
営業のN氏と共に、料理研究家の辰巳芳子さんの講演会を聞きに行くため、ガーデンホールにやってきました。

家庭料理の草分け的存在であり、86才でなお現役でご活躍されている辰巳さん。著書を深く拝読したことはないのですが…、凛とした生き方が料理だけでなく、食材に対しても妥協しないところからも伝わってきます。

今日の講演テーマは「スープ」。話をしながらも壇上で手を動かし、しいたけのスープや煎り玄米のスープが、コトコト音を立てて仕上がっていきます。広い会場の中に、話が進むうちにもお出しのいい香りが漂ってきて、まるでばあちゃんの家にいるような気分に。

普段、忙しく毎日を過ごす私たちが、日本のスープであるお味噌汁をきちんと作る割合は、一週間のうちに3回でもまあまあよいというのが現状。都心では、マンションやアパートに暮らす人々が増え、日々の暮らし、辰巳さんのいう「生きる」こと自体が宙に浮いている感じなのだそう。食物を作ることさえなかなか出来ない状況の私たち。そんな中、「料理を作る」ということだけが、唯一自然でいられること。その唯一の手段でさえ、日々に忙殺されおろそかにしている残念な現実。

忙しいから仕方がない、と思う反面、後ろめたいという気持ち。そして、それをきちんと行っていくことが、「よりよく生きる」ということなんだということを、改めて実感させられるばかり。

辰巳さんの話は、辰巳さんが作る日々のスープのごとく、心にじんわり伝わり、体全体に吸収されていくようでした。

生きるために、食べる。
よりよく生きるために、食べる。
きちんと食べることは、より良く生きること。

そこはかとない旨味の出た、辰巳さんのスープのようになりたいと思った次第。



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