10/19 お茶と私。


友人からいただいた、愛媛県の有機栽培農家の温州みかん。
タイトルがティーなので、とりあえずコーヒーと共に。

最近、ランチはユニットで利用者さんと食べるようにしています。
これまでは、「ミールラウンドだ!」なんて、張り切って
13コのユニットをバタバタ走り回って嚥下や咀嚼状態なんかも
見ていたりしたのですが…、
食卓を囲んで、初めて見えることもあると思ったし。
何より、
スタッフと利用者が同じテーブルで食事をすることって、
ユニットケアの考え方では、割と自然なことなんだそう。
でも、まぁ、賛否両論の声もありますが。

さて、そんな中の一コマ。

間もなく100になろうとする素敵なマダムがいます。
食事の声がけをすると、お洒落してお化粧もばっちり。
ハンドバッグを持ってリビングに現れます。
今日は一緒にランチしました。

とても多弁で、いつも楽しそうなマダム。
悲しかった記憶がよみがえる日は、
エンドレスでその話がくりかえされます。
私は(というか、介護スタッフ以外は)マダムの中では、
若い女医という設定。両親とも医者という恵まれた家庭に育ち、
一生懸命勉強して医大に進学。寝る間も惜しんで研修を積み重ね、
医者として独り立ちをした努力の人のようです。

なんどか自分は栄養士だし、父はサラリーマンなんだと
説明したこともありましたが、
結局受け入れてはもらえなかったので
最近はずっと女医のままです。
(ちなみに専門は整形外科です。特に膝下に詳しい。)

そんな設定の中でランチをしていたところ、
流れが生き方の話になりました。

「○○さんは、私の憧れですよ。」
そう思っていたのでそのままを伝えたところ、
とても恐縮しつつも、自分の生き方の話をしてくれました。

自分の生き方は、思いのままにとても自然だと。
利休の頃から続く日本の暮らしに息づくものだと。


つまりは、かつてお茶の先生だったということなのですが、
今ももちろん、彼女の中にはライフワークとして選んだ茶の道が
息づいています。
お茶をたてる前から、作法は始まっていて、
身のこなし方、ただ住まい、呼吸、など、
全てが茶道を通して自分の生き方を形作っているのだそう。

お茶の作法なんてほとんど知らない私ですが、
ふと、マダムが、
「夜、呼吸を整えて、
一人静かにお茶をたてる時間があったっていいはずよ」と。

自分と立ち位置を確認し、
自分(の考え)と向き合う時間を作りなさい、と
言われた気がしました。

夜、一人ポットで湯をわかし、
好きなカップにコーヒーをいれる。
ふわりと香り立つ湯気を見ながら、何を思う?

茶の道には遠く及びませんが、
自分なりの考えを深めたいと思ったところです。



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