山と渓谷社 田中康弘『山怪 弐 山人が語る不思議な話』(電子書籍版)を読了しました。
内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。
【目次】
第I章 胸騒ぎの山
八甲田山/真夜中の行軍/怖いモノは無視せよ! /落ちた火の玉/仏おろし/同じ夢を見る/夢で呼ぶのは/神様の孫/マタギの里で/狸もたまには騙す/蛇に魅入られた男/秋山郷の謎の火/森の大笑い/青い服の女/山の中で聞こえる音は/御嶽神社/大菩薩女/通じなかった祈り/蛇の鳴き声/駆け巡る笑い声/まとわりつく鈴の音/鷹が見たもの/闇に笑う男/犬を入れた訳/降りてくる山の神/山盛りの内臓/霊感は伝染する?/昨日の友達
第II章 彷徨える魂
切りたくない木/峠に集う者/続・楽しい夜店/山の日の出来事/二度と行かない小屋/白日の火の玉/狐の嫁入り//座敷わらし/幻の巨大石塔/止まるチェーンソー/最新科学と交差する謎/天に昇る煙/小さな帽子/線香のにおい/悪いモノ/見知らぬタツマ/虫捕り/立ち上がる光柱/ミミズ素麺/山寺の騒ぎ/オオカミと蛇/十津川村/行者の世界/チャクラ全開の人/回峰行/遭難者が見たモノ
第III章 森の咆哮
軽トラの待ち伏せ/行ってはいけない/消えた友人/黒い山/一人だけに聞こえる/不気味な声/手相見の警告/おろちループ/呪い神/拝み屋と憑きもの封じ/ヒバゴンの里/爺婆の茶飲み話/神船/良くないモノ/エクソシストと丑の刻参り/森とみそぎ/遍路ころがし/大蛇は寝ている/招くモノ/悪狸/犬神家/ヤマミサキ/婆と侍/雅な調べ
後書き 怪異との付き合い方
第I章 胸騒ぎの山
八甲田山/真夜中の行軍/怖いモノは無視せよ! /落ちた火の玉/仏おろし/同じ夢を見る/夢で呼ぶのは/神様の孫/マタギの里で/狸もたまには騙す/蛇に魅入られた男/秋山郷の謎の火/森の大笑い/青い服の女/山の中で聞こえる音は/御嶽神社/大菩薩女/通じなかった祈り/蛇の鳴き声/駆け巡る笑い声/まとわりつく鈴の音/鷹が見たもの/闇に笑う男/犬を入れた訳/降りてくる山の神/山盛りの内臓/霊感は伝染する?/昨日の友達
第II章 彷徨える魂
切りたくない木/峠に集う者/続・楽しい夜店/山の日の出来事/二度と行かない小屋/白日の火の玉/狐の嫁入り//座敷わらし/幻の巨大石塔/止まるチェーンソー/最新科学と交差する謎/天に昇る煙/小さな帽子/線香のにおい/悪いモノ/見知らぬタツマ/虫捕り/立ち上がる光柱/ミミズ素麺/山寺の騒ぎ/オオカミと蛇/十津川村/行者の世界/チャクラ全開の人/回峰行/遭難者が見たモノ
第III章 森の咆哮
軽トラの待ち伏せ/行ってはいけない/消えた友人/黒い山/一人だけに聞こえる/不気味な声/手相見の警告/おろちループ/呪い神/拝み屋と憑きもの封じ/ヒバゴンの里/爺婆の茶飲み話/神船/良くないモノ/エクソシストと丑の刻参り/森とみそぎ/遍路ころがし/大蛇は寝ている/招くモノ/悪狸/犬神家/ヤマミサキ/婆と侍/雅な調べ
後書き 怪異との付き合い方
【内容】
ベストセラー『山怪 山人が語る不思議な話』(2015年6月・山と溪谷社)の続編。東北から中国・四国地方まで新たに取材を敢行、山里に埋もれつつある興味深い体験談を拾い集めた「現在形のフィールドワーク」。
【感想】
オカルトやホラーではなく、なんとなく不思議なお話が好きなのでハイブリッド型総合書店 honto で電子書籍版を購入してみた。これで二冊目になる。
「山怪」と書いて「さんかい」と読む。日本の山にいる何かーはっきりしない何かを「山怪」と呼ぶのだそうだ。
山での不思議な出来事の類や謎の現象譚を、地道に日本各地に赴いて取材して収集しまとめたものの第二弾。前作が好評だったのだと思う。
山で聞こえる不可解な音や道迷い。人は理解したい生き物なので、理屈をつけて安心したい。
でも、「不思議な現象」はいろいろで、信じるも信じないも自由だが、それはそれとして受け止めていいのでは? そして、物や植物、動物にも敬意は大切だと思う。
東北では狐や狸が悪さをするが、東京の奥多摩では出ないらしい。地方によって同様のことがあっても、「○○のせい」の差異があるのがおもしろい。
ほんのり。。と怖いような怖くないような、どこか懐かしい気持ちがする怪異譚ばかり。するすると読めて楽しめる一冊。
まだまだ続編があるようなので、また購入するかも。
【余談】
大昔の生業としてのマタギはともかく、現代の趣味としての狩猟は個人的には好きではない。文化や誇りもあるのだろうが殺生だから…。
中にはひどいハンターもいて、狩猟犬を物のように扱い、シーズンが終わると山にそのまま放置していく輩がいるのも事実。どうしてそんなことが平気でできるのか人間性を疑う。悲しいね…。
読んでいて、母から子供の頃に聞いた話を思い出した。狐憑きの話だ。
母が子供のときに見たことがあったそうだ。狐憑きになった人は様子がすごく変になっていて、お祓いをしてもらい治ったということだった。
あまり詳しく話してもらっていないので、これくらいしか記憶にないのだが、その頃にはあちらこちらでままあったことなのだろう。
母から聞いた話にはほかにも、台所にお祭りする「おしらさま」(『千と千尋の神隠し』でお馴染みの神様)や子供の疳の虫を鎮める「おびんずるさま」の話を聞いた記憶がある。人の生活と神様や尊ぶべき存在が密接に関わっていたのだろう。
それらは、生きていくうえで必要な知恵だったのだと思う。人は人でしかないのだから…。