積ん読の部屋♪

本棚に積ん読な本を読了したらばの備忘録

田中康弘『山怪 弐 山人が語る不思議な話』内容と感想

2020-09-04 09:52:21 | 電子書籍
山と渓谷社 田中康弘『山怪 弐 山人が語る不思議な話』(電子書籍版)を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
第I章 胸騒ぎの山
八甲田山/真夜中の行軍/怖いモノは無視せよ! /落ちた火の玉/仏おろし/同じ夢を見る/夢で呼ぶのは/神様の孫/マタギの里で/狸もたまには騙す/蛇に魅入られた男/秋山郷の謎の火/森の大笑い/青い服の女/山の中で聞こえる音は/御嶽神社/大菩薩女/通じなかった祈り/蛇の鳴き声/駆け巡る笑い声/まとわりつく鈴の音/鷹が見たもの/闇に笑う男/犬を入れた訳/降りてくる山の神/山盛りの内臓/霊感は伝染する?/昨日の友達

第II章 彷徨える魂
切りたくない木/峠に集う者/続・楽しい夜店/山の日の出来事/二度と行かない小屋/白日の火の玉/狐の嫁入り//座敷わらし/幻の巨大石塔/止まるチェーンソー/最新科学と交差する謎/天に昇る煙/小さな帽子/線香のにおい/悪いモノ/見知らぬタツマ/虫捕り/立ち上がる光柱/ミミズ素麺/山寺の騒ぎ/オオカミと蛇/十津川村/行者の世界/チャクラ全開の人/回峰行/遭難者が見たモノ

第III章 森の咆哮
軽トラの待ち伏せ/行ってはいけない/消えた友人/黒い山/一人だけに聞こえる/不気味な声/手相見の警告/おろちループ/呪い神/拝み屋と憑きもの封じ/ヒバゴンの里/爺婆の茶飲み話/神船/良くないモノ/エクソシストと丑の刻参り/森とみそぎ/遍路ころがし/大蛇は寝ている/招くモノ/悪狸/犬神家/ヤマミサキ/婆と侍/雅な調べ

後書き 怪異との付き合い方


【内容】
ベストセラー『山怪 山人が語る不思議な話』(2015年6月・山と溪谷社)の続編。東北から中国・四国地方まで新たに取材を敢行、山里に埋もれつつある興味深い体験談を拾い集めた「現在形のフィールドワーク」。


【感想】
オカルトやホラーではなく、なんとなく不思議なお話が好きなのでハイブリッド型総合書店 honto で電子書籍版を購入してみた。これで二冊目になる。

「山怪」と書いて「さんかい」と読む。日本の山にいる何かーはっきりしない何かを「山怪」と呼ぶのだそうだ。
山での不思議な出来事の類や謎の現象譚を、地道に日本各地に赴いて取材して収集しまとめたものの第二弾。前作が好評だったのだと思う。

山で聞こえる不可解な音や道迷い。人は理解したい生き物なので、理屈をつけて安心したい。
でも、「不思議な現象」はいろいろで、信じるも信じないも自由だが、それはそれとして受け止めていいのでは? そして、物や植物、動物にも敬意は大切だと思う。
東北では狐や狸が悪さをするが、東京の奥多摩では出ないらしい。地方によって同様のことがあっても、「○○のせい」の差異があるのがおもしろい。
ほんのり。。と怖いような怖くないような、どこか懐かしい気持ちがする怪異譚ばかり。するすると読めて楽しめる一冊。
まだまだ続編があるようなので、また購入するかも。


【余談】
大昔の生業としてのマタギはともかく、現代の趣味としての狩猟は個人的には好きではない。文化や誇りもあるのだろうが殺生だから…。
中にはひどいハンターもいて、狩猟犬を物のように扱い、シーズンが終わると山にそのまま放置していく輩がいるのも事実。どうしてそんなことが平気でできるのか人間性を疑う。悲しいね…。

読んでいて、母から子供の頃に聞いた話を思い出した。狐憑きの話だ。
母が子供のときに見たことがあったそうだ。狐憑きになった人は様子がすごく変になっていて、お祓いをしてもらい治ったということだった。
あまり詳しく話してもらっていないので、これくらいしか記憶にないのだが、その頃にはあちらこちらでままあったことなのだろう。
母から聞いた話にはほかにも、台所にお祭りする「おしらさま」(『千と千尋の神隠し』でお馴染みの神様)や子供の疳の虫を鎮める「おびんずるさま」の話を聞いた記憶がある。人の生活と神様や尊ぶべき存在が密接に関わっていたのだろう。
それらは、生きていくうえで必要な知恵だったのだと思う。人は人でしかないのだから…。



松原タニシ『事故物件怪談 恐い間取り』内容と感想

2020-08-27 10:45:45 | 電子書籍
二見書房 松原タニシ『事故物件怪談 恐い間取り』(電子書籍版)を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
◎ 世の中を震撼させた殺人犯が住んだ部屋
◎ 住むとひき逃げに遭う部屋
◎ 気絶するように体調が悪くなる部屋
◎ 前の住人も前の前の住人も自殺している部屋
◎ 二年に一回死ぬ部屋
◎ 住人がすぐに出ていく部屋
◎ 霊感があると住めない部屋
◎ 特殊清掃アルバイトをやった部屋
◎ インターホンに老人の幽霊が映る部屋
◎ 黒い人がゆっくり近付いてくる部屋
◎ 中庭に墓石のある長屋
◎ 黒いシミが浮き出てくる部屋
◎ 天井の穴から男の顔が突き出ている部屋
◎ インターホンに謎の声が聞えた部屋 etc


【内容】
殺人、自殺、孤独死など「ワケあり物件」の不思議な話を間取り付きで紹介。
事故物件とは、前の住人が自殺・殺人・孤独死・事故などで死んでいる部屋や家のこと。そんな「事故物件」を転々としている、「事故物件住みます芸人」の松原タニシ、初の書き下ろし単行本を電子書籍化。


【感想】
夏だし、暑いし、現実逃避的に非日常を感じるのは怪談かな~?と思い、電子書籍を購入してみた。
松竹芸能所属の芸人、松原タニシの事故物件に住んでみた経験談と知人友人から聞いた話をまとめたもの。半分くらいは聞いた話になっている。間取りが怖いというより、その部屋と建物自体が怖い…という感じ。

感想はというと、ほぼほぼ知っている話だった。CSで放送されている『怪談テラーズ』や『実話怪談倶楽部』で聞いた話ばかりだった。あれ?これ知っているよ~と。怖いけど、知っている話ばかりだったので怖さも半減という感じ。実際に自分が体験したら、洒落にならないくらい怖いのだろうが…。

姫だるまが出てくる話で思い出したのは、禍々しい(本人談)漫画家の伊藤三巳華の『視えるんです。』にも姫だるまの怖い話があった。こちらのほうが怖かったな~。
伊藤三巳華の漫画は可愛い絵柄にも関わらず、内容は結構ハードで怖い。本人の経験したことばかりなのでなおさら。文章より視覚的な漫画のほうがインパクトが強いのかもしれない。まぁ、ただ単に文章力の問題かもしれないけど。
インターホンの画像に残っていたという男性の姿は、かなり怖い…。写真は見なければよかったかも…と後悔したくらい。こんなことがあったら、絶対にそこには住めない!

怪談住職こと三木大雲に、著者一人だけ顔が真っ黒に写っていたという集合写真を見てもらい、「あと5年で大変なことになる」と言われたそうだ。タイムリミットは来年あたりらしい…。怖い…。


【余談】
自分自身には霊感は全くなく、見えもしないし、聞こえもしない。一生このままでいいけど。せいぜい、「ここ気持ち悪いな…」という場所があるくらいだ。例えば、池袋のサンシャイン60とか古戦場跡とか。
ただ、知人友人には霊感があったり、なくても不思議な体験をした人が何人もいる。わりとよくあることなのかもしれないな~と思う。

過去記事にも書いたのでよろしかったらどうぞ♪

いつも書籍を購入している、ハイブリッド型総合書店 hontoで電子書籍を購入した。DLも使い勝手もよかったのでKindleよりいいかな~と思っている。
電子書籍のリーダーアプリは幾つもあるけど、どれが一番なんだろうね~? 全部試してみるわけにもいけないしね。




田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』内容と感想

2020-08-24 10:18:42 | 電子書籍
山と渓谷社 田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』(電子書籍版)を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
序文
Ⅰ 阿仁マタギの山
狐火があふれる地/なぜか全裸で/楽しい夜店/生臭いものが好き/狐の復讐/見える人と見えない人/狸は音だけで満足する/消えた青い池/人魂、狐火、勝新太郎/親友の気配/辿り着かない道/蛇と山の不思議な関係/汚れた御札/マタギの臨死体験/叫ぶ者/白銀の怪物

Ⅱ 異界への扉
狐と神隠し/不死身の白鹿/来たのは誰だ/もう一人いる/道の向こうに/響き渡る絶叫/僕はここにいる/謎の山盛りご飯/山塊に蠢くもの/鶴岡市朝日地区/出羽三山/鷹匠の体験/奈良県山中・吉野町/ツチノコは跳び跳ねる/足の無い人/只見町/山から出られない/行者の忠告

Ⅲ タマシイとの邂逅
帰らない人/死者の微笑み/迎えに来る者/ナビの策略/椎葉村にて/テントの周りには/宮城県七が宿町/なぜか左右が逆になる/不気味な訪問者/奈良県天川村/帰ってくる人/固まる爺婆/お寺とタマシイ/飛ぶ女/帰ってくる大蛇/呼ぶ人、来る人/狐憑き/真夜中の石臼/狐火になった男


【内容】
著者の田中康弘が交流のある秋田・阿仁のマタギたちや、各地の猟師、山で働き暮らす人びとからから、実話として聞いた山の奇妙で怖ろしい体験談を多数収録。
話者が自分で経験したこととして語る物語は、リアリティがあり、とらえどころのない山の裏側の世界を垣間見させてくれる。山の怪談、現代版遠野物語。


【感想】
オカルトやホラーではなく、なんとなく不思議なお話が好きなので、夏でもあるし電子書籍版を購入してみた。

「山怪」と書いて「さんかい」と読む。初めて見た言葉なので、正直、読み方がわからず「やま?さん?えっと~どっち?」と思ったのは内緒。
日本の山にいる何かーはっきりしない何かを「山怪」と呼ぶのだそうだ。
山での不思議な出来事の類や謎の現象譚を、地道に日本各地に赴いて取材して収集しまとめたもの。
大体が狐や狸の仕業で、妖怪?の仕業ということもあるらしい。化かされたり、取り憑かれたり、狐火が見えたり、音が聞こえたりするらしい。
「らしい」ばかりだが、本当のことは誰にもわからないし、あるのかないのかそれもわからない。それでいいんだと思う。全ての事柄において、明確な答えが用意されているほうが逆におかしいと思うし。
答えはあってないようなもの、信じるも信じないも自由だが、ただ「不思議な現象」があったことだけは事実。それはそれとして、ただそのまま受け止めていいのではないだろうか?

ほんのり。。と怖いような怖くないような、どこか懐かしい気持ちがする怪異譚ばかり。するすると読めて楽しめる一冊。
まだ続編があるようなので、また購入するかも。


【余談】
狐といえば…亡くなった父のことを思い出した。父は山育ちで山が大好きな山男で、山菜や植物を採ってくるのが趣味だった。山男といっても登山ではなく、生活に近い山歩きというのだろうか?この本に出てくる男性陣に近いと思う。
その父から子供の頃に聞いたお話をふと。。思い出した。狐のお話だ。
父がまだ子供の頃、親にお使いを頼まれて、一人で油揚げを買いに行った帰りのこと。暗くなった山の細い道を歩いていると、後ろから狐が一匹ついてくる。飛びかかってくるでもなく、吠えるわけでもなく、一定の距離を保ってただずっとついてくるのだそうだ。父はまだ子供だし、「怖かったな~子供だからと舐められていたんだろうな」と言っていた。油揚げは無事だったそうだ。
「山怪」のひとつに出てきそうなお話だな。。

いつも書籍を購入している、ハイブリッド型総合書店 honto で初めて電子書籍を購入してみた。AmazonのKindle版を何冊か購入していたのだけど、最近なぜかDLが上手くいかないものがあったり、読みやすいようなそうでもないような。。微妙な使い勝手が気になっていたので、今回は honto で購入してみた。
結果、DLも問題なかったし、読みやすかったのでこちらでもいいかな~と。DLと削除の速度が遅くなるらしいけど。SDカードに保存先を変更しておいた。メモリが心配なのでね。

そういえば…。AmazonのKindle版の感想をアップしていないことに今、気づいた。まぁ、フラワーアレンジメントの本とかコミックだったので、そのときは別にいいかな~と思ったような記憶が。そのうち気が向けばアップするかも。