朝日出版社 中野京子『怖い絵』を読了しました。
内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/7c/84a63de052dfa26018e7afb37fd5cffd.jpg)
【目次】
作品1 ドガ『エトワール、または舞台の踊り子』
作品2 ティントレット『受胎告知』
作品3 ムンク『思春期』
作品4 クノップフ『見捨てられた街』
作品5 ブロンツィーノ『愛の寓意』
作品6 ブリューゲル『絞首台の上のかささぎ』
作品7 ルドン『キュクロプス』
作品8 ボッティチェリ『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』
作品9 ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』
作品10 アルテミジア・ジェンティレスキ 『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』
作品11 ホルバイン『ヘンリー八世像』
作品12 ベーコン『ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作』
作品13 ホガース『グラハム家の子どもたち』
作品14 ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』
作品15 グリューネヴァルト『イーゼンハイムの祭壇画』
作品16 ジョルジョーネ『老婆の肖像』
作品17 レーピン『イワン雷帝とその息子』
作品18 コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』
作品19 ジェリコー『メデュース号の筏』
作品20 ラ・トゥール『いかさま師』
【内容】
誰もが知っている西洋名画の数々。見慣れた名画には、驚くべき怨念や冷酷や非情や無惨が込められている。
一読すれば、以後、平然と絵の前を通り過ぎることができなくなること請け合い。親切でやさしく「怖いもの見たさ」の感情に強く訴える美術エッセイ。
【感想】
現在、三冊出版されていて、そのうちの一冊目がこの本になる。いきなり!装丁の表紙からして怖い。背表紙の色は真っ赤!本棚で目立って目立って…。
表紙絵は、作品20 ラ・トゥール『いかさま師』正面の女性がアップになっている。
掲載されている作品は、全部で20作品。ドガやゴヤなどのビッグネームや、レーピンなども。ひとめ見て、明らかに誰にでもわかる怖いものと、説明されるまで、どこが怖いのかさっぱりわからないものまで、様々な怖さについて解説されている。
私は小さい頃から絵を描くのも見るのも好きだったので、楽しんですらすらと読めた。なんの予備知識がなくても、十分、わかりやすく楽しめる作品だと思う。
本書の一番最後の一文が真の怖さとはなにかを物語っていた。
>一番恐ろしいのは天変地異でも幽霊でもなく、生きた人間なのだと肝に銘じた者にしか、『いかさま師』のぎろりとした横眼は描けなかったのかもしれない。
そのとおり。
【余談】
昨年にNHKで特別番組が作られて、そのときにこの著者と本の存在を知った。番組自体も民放のように、演出や出演者が無駄にうるさくなく、淡々とした作りがかえって怖さを醸しだしていたように思う。