夢を見た。
とても、とても気持ちが悪い夢。
簡単に言えば、正義の味方の僕が、顔見知りの不良を倒すという、夢の世界では結構ありがちな夢。
なのに、嫌な感覚が、起きた後も、脳と手に残る。
どういった経緯でその悪と対峙したのかは覚えていない。
確か、何らかのストーリー仕立てだった記憶はあるが、強く脳に残っているのは、相手を殺す瞬間だ。
いや、殺すところまでは確認していない。
致命傷を負わせたところで目が覚めたんだ。
2対2のタッグマッチ。
場所は工事中の橋だろうか。
仲間は腹や背中を刺身包丁のようなもので滅多刺しにされて橋から落ちた。
その後、僕が相手の首を切りつけ胸を左袈裟に切り、大量出血させた。
なのに、悪者の相手は笑っている。
そして、この手には脳には、そのときの肉を切った感触。筋が引きちぎれる感覚が残っている。
きっと、これは肉料理でもするときに鶏肉を切り分ける感覚を脳が覚えていて、それを夢で人を切る感覚として疑似体験化させているんだろう。
悪をこらしめるとか、正義が勝つとかとても綺麗に聞こえるけれど。
自分の手で何かの命を絶ったことがある人とない人では、きっと認識が全然違うんだろうなって思う。
命は別の命を犠牲にして生きている。
生きるって事は、泥臭くて、醜くて、いやらしい。
に行って感じる。
本来は生きるためには見ないといけなかった、生き物を殺す現場。
今の社会では、その血なまぐさい動物の殺害工場は人目のつかないところで機械的に稼動している。
あまり美化しないでほしい。
僕は、僕たちは、いろんな罪を背負って生きているんだ。
今日の夢は、きっと、昨日殺した大切な木のせいかなって精神分析してみる。
犯罪の線引きは、人間が勝手に決めているに過ぎない。
だから、感じることが出来れば罪の意識は、もっと広くも狭くもできる。
生きるのも、死ぬのも楽ではないな。