滝の水 / ルカちゃんの相談事（4）

実家から洒水の滝まで、時間はほとんどかからない。
10分か、15分か。
こちらのさじ加減で、どうにでもなるっていうくらい近い。

クルマに乗り込んで勢いよく出発！
。。。といきたいところだけど、後部座席で
「ああ、やっぱダメか～」とため息をつくルカちゃん。
う～ん。
あいかわらず、クルマ（というか、乗り物全般）には弱いまんまなのね。

「クルマなら3分で酔える！」
と、妙なところで自慢気に言うのだが、
これは僕の運転がどうこうのレベルではない。
だけど、ほら！
相談事は他にもなんだか山ほどあるみたいだったけど。
この際、話したいことはすっきり話してしまうとよい。
話をし続けて、なんとか酔わない方向に持っていきたい。

考えてみたら、先週も「相談」という名目で、
洒水の滝までドライブした。
なんでかな？
「相談」と「滝の水」のカップリングが基本設定って？

もちろん、「相談事」の詳細はここでは明かせない。
が、中学三年生の「相談」っていうのは、何て言うか、ホントにかわいい。

「わたし、滝の水を汲むなんて、
はじめてなんだけど。」
おや？
ルカちゃん達はこっちで暮らしてるのだから
その気になればいつでも来れるのに？

じゃ、一本、君のお家にも持っていくといい。
それでご飯炊いてもらってごらんよ。
「ホント、すごくおいしく炊けるんだよ♪」と、さっちゃんがひとことそえる。
今日はずっとニコニコしてるんだけど、
そういえば、久しぶりの発言ですな？
ルカちゃんが僕に相談ということで、
だいぶ遠慮してます？

日は落ちて、滝の周辺はかなり薄暗い。
が、ギリギリで間に合った感じかな。
これなら水を汲む間は大丈夫。

もちろん、人はほとんどいない。
のだけど、それでも夕涼みかな？
何組みか、のんびりお散歩してる。
混みすぎで、昼間は一時撤退したのにね。

水を汲むだけで、なんだか大いに盛り上がってる。
しぶきを浴びて「冷た～い」って。
そうか。こんなことでも無邪気に笑えちゃうんだな～(´ω｀)

前回、S君の時もそうだったんだけど、滝を眺めただけなのに、
なんだかすっきりした顔をしているルカちゃん。
滝って、ものすごく、ひとの心に効く何かがあるんじゃ？