Dmajor / ルカちゃんの相談事（3）

ルカちゃんにはDのコードを教えることにする。
４弦が切れていて、ベース音が鳴らないのは
かなり都合がよろしくない。
だが、苦肉の策。
この４弦がないというのは、他のコードだとさらに難しいことに。
CもAもEも、どうにも感じが出ない。
ま、明日にはお父さんと一緒に弦を買いに行くとか言ってるし。
新しい弦が張れたら、まずは一発、ジャラーンと鳴らしたいよね♪

とにかく指のカタチを！というつもりでDから。
なかなかうまく鳴ってはくれないけれど、
指のカタチは大変によろしい。
あれ？
これって案外、あっさり弾けるようになるんじゃ？
ガットギターは指板が広く大きいので、
ビギナーにはポジションを取るのが難しいかも？
だけど、これがちゃんと鳴れば、いろいろ要領はあるけど、
ギターなら何だって弾けるようにはなる。
３年間、吹奏楽部で音楽をやってきたこともあって、勘もよい。
お？！
たまにうまく綺麗に鳴ることもあるね！

「お～♪」
っと、ちょっと鳴っただけでも、ルカちゃんはニコニコしている。

自分がギターを弾きはじめた頃のことを
ちょっとだけ思い出す。
一番最初の一番最初、ものすごく遠い景色だけど、
とっても幸せな気分になったこと。

となりの弦に指がさわってしまうので、
鳴ったり鳴らなかったりだけど、
新しい弦を張るなら、実はそれで万事解決かも。
Dの指のカタチがわかったなら、
Dmajor7、D7、D6とバリエーションを教えてみる。
この辺りの理屈も、鳴らしてみる方がはやいし、
ルカちゃんの飲み込みもはやい。

唐突にはじまったギター・レッスンだが、
ルカちゃんが他にもいっぱい質問してくるので、
なかなか盛りだくさんになってしまった(^_^ゞ
ま、弦の切れてるギターでも、結構できることってあるものね。

「なんか、覚えることがいっぱい？！」
って言いながら、ルカちゃんが楽しそうなので、
ま、いっか(^_^ゞ

一時間半くらいはやってたかな？
ひと段落ついたところで、ルカちゃんがボソッと言う。

「そういえばさ。
滝の水を汲みにいくって言ってたけど、
いいの？もうすぐ暗くなっちゃうよ。」

ん？

し、しまった～(T0T)？！

まだ、間に合うかな？
せっかく来たのだから、わが家のおいしい水は
ぜひとも調達しておきたいっ！

「それじゃ、一緒にいってあげるよ～♪」

おや？
クルマに乗るのが大の苦手なルカちゃんが、
自分からつきあうとか言うなんて。。。
これはたいへんめずらしい！
今日はお話ししたいこと、いっぱいあるようですな(´ω｀)