ちょっと前の話。
GWを過ぎたくらいの話だったかな?
「インフェルノ」を観た。
さっちゃんが映画を見て怒るなんてことは永遠に起こり得ないというか、
想像さえしたことはないのだけど、その起こり得ないことが
この映画を見ているときに起こってしまった。。。
いや、怒るというよりは、ただ
ただ呆れてしまったというのがより正確か?
呆れ果てて、思わず声が出てしまったのかもしれない。
見せたかったわけじゃないけど、見てもらうと話がしやすくなるっていうことがある。
ある種の考え方の「型」とか「モデル」とか「タイプ」とか。
そういうことがわかりやすく描かれているもの。
映画の好き嫌いとはほとんど関係がない。
そして、僕が時折口にするひとつの「型」、ひとつの「タイプ」の典型が「インフェルノ」だった。
こんな悪趣味な映画を、そもそもさっちゃんに見せたいわけではなかった。
世の中、知らない方がよかったっていうことは結構たくさんあるものだけど、
そんな質のものをわざわざ見せつけるなんてことは普通はしない。
なので「見てみたい」と本人が言ってきたのには、正直、ちょっと驚いた。
だが、見てもらったことで、より誤解なく話が伝わるようになった実感はある。
ハリウッドとブロードウェイを、僕がずっと毛嫌いしていた理由も、
そんなことはよくよく知っていただろうけど、これを見たことで
ダメ押し的な確信を持っていただけたろうと。
これが公開されたその時点で、その後に起こることを即座に、
且つ正確に見抜くなんてことは、僕にしたってできるはずもなかった。
不穏な何かは感じていても、具体的なことは映画とは違うから。
ただ、その「予定」を知っている者にとっては、暗号と言うにはあからさまに過ぎる
わかりやすさで描かれているように、後から見れば見えなくもない。
その悪意も、悪趣味も、僕らには理解できない質の「善意」だったり、
「真剣さ」だったりで固められているのだから、
これを見て呆れてしまう感覚はとても正しいと思う。
で、ハリウッドはそういうことを、ずっと昔からやり続けているのだ。
このやり方はちっとも変わっていない。
「インフェルノ」には顕著にその本質があらわれている。