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春日大社 若宮の御祭 遷幸の儀

2017年12月14日 | 奈良と、神社と、好きなものごと
今日でブログを始めて300日です!
こんなに続いてきたとは
自分でもびっくり!です。

さて、その300日目の話題はというと
大好きな春日大社のお祭りのことです。


世界遺産にもなっている春日大社ですが
今月はとても大事なのお祭りがあります。

春日大社 若宮のおん祭


春日大社の若宮様は
春日大社の本殿とは少し離れたところに御坐す。

春日大社の参道を進み向かって左が春日大社
右方へ進むと、朱塗りの若宮様のお社があります。

若宮のおん祭りは、この若宮様のおわすお社より
若宮様のご出座を願い
御旅所と言われる仮のお社にお遷り頂き
若宮様に、一日歌舞音曲などを奉納し
また、お社にご還御頂く、というお祭りです。

若宮神社とおん祭り

若宮様は春日大社の
ご祭神の天児屋根命(あめのこやねのみこと)様と
比売神(ひめがみ)様の御子神(みこがみ)様である
天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)様です。

神社へいくと、本殿や本宮とは別に
若宮社とか御子神社という
お社があったりします。

ご本殿に祭られているご祭神のみたまの
多くは、仁愛あふれる優しく穏やかな神として
おわすことが多いと思いますが
そのような神の側面をにぎみたま、にきたま
と神道では呼んでいます。

でも、神には荒々しく、恐ろしい側面もあり、
神のそのような側面を
荒御魂あらみたまと呼び、祭ることで、
ただ、猛々しく暴れてしまうような
むき出しの荒々しさ、力強さではなく
人に利するような力として発現されるように
神に願います。

若宮というのは、若々しいため荒々しくもあり
御子神は神の荒御魂の側面を担っているとも言えます。

若々しく猛々しいことは
ご神威として頼もしいことではありますが
荒ぶることのないように、
力を保ちつつ鎮まっていただけるように
お祭りするというのが、神祭りの最も重要なことです。

毎年、途切れることなく800年以上という年月
行われてきたという若宮のおん祭りは
それほど人々が春日の若宮という神の力を
畏れ敬い祭ってきたかという証明でもあろうと
思います。

若宮様は年に一度、お社よりお出ましになり
御旅所まで遷御して
人々より大変なもてなしを受け
ご満足されてまたお社へご還御される
というのが若宮のおん祭りです。


私がこのお祭りを見学したのは
1度だけですが…
大げさに聞こえるかと思いますが
私にとっては

人生の中で最も美しい思い出

と、言っていい瞬間が
若宮のおん祭りの遷御の儀です。

まだ人生終わってないので(笑)
それで
人生の中で最も美しいと言い切れるのか?
と思うかもしれませんが
でも、
最も美しい経験、でした。

言葉にはいい表し難く
あまり伝わりにくいだろうと思いますが
でも、本当に美しかったとしか
いいようがありません。


今でも
若宮様がお社からご出御される時は
近隣の明かりが消されます。

街灯も、人の持っているライトも
販売機などの明かりも、全て消されます。
人口的な明かりは全て消されて
真っ暗になります。



遷御の儀を見学に行った時
私はどこを歩いて行ったか
暗くてよくわかりませんでしたが…
裏道?みたいな細い道を
とにかく先生の後に付いて行きました。

春日大社の普通の参道は人が
たくさんいて進めなかったと思いますし
多分、参道を進んできたのでは
氏子でも神職でもない者が
お社のこんな近くまでは
来れなかったのではないか?と思います。

それ以上近寄ってはいけません!
と言われる場所までお社の近くに控えることが
できて、儀式を見学することができました。

実際は真っ暗で見えなかったので
見学ではなく、物音を聞いただけですけど。


真っ暗な中で見えないので推測ですが
神職さんたちがお供えものなどを運んだり
祓えを唱えたり、
いろいろな所作をしている気配がして
オーーっという警蹕の声がして
ギギギィと木製の重い扉が開かれる音がして
若宮様がお出ましになったようでした。

ここのあたりはあまりよく覚えていません。

それから、若宮様の御神輿の列を見学するため
参道へ移動しました。
またひたすら、先生のあとについて
今度は走って、走って、
参道のどこかのあたりの
見学者の空いてる場所を見つけて
見学しました。

どこをどう走ったか全くわからないし
真っ暗な中、何にも躓かず、転ばないで
鹿にもぶつからずに走って行かれたことが
本当に不思議です(笑)


暗闇に目が慣れてくると
月の出ていた夜、夜空が明るく
春日の森が
真っ黒なシルエットで浮かんでいました。
警蹕の声が響いて
暗い参道の向こうに松明の炎が見えました。

炎がだんだんと近づいてきて
白い装束を着た人が参道の両脇を歩き
大松明を引きずっているようでした。

参道の砂利を踏み進む足音がして
その松明を打ちながら
火の粉を散らしている人があとに続いていました。
火の粉が轍を作るように落ちて、消えて
若宮様のお通りになる道を清めていました。

暗闇の中、松明のオレンジの火の粉が
はらはらと散り落ち、ふぅっと消えて行く様は
幽玄な美しさ
そうして清められた道に
雅楽の音が響き
芳しい香りがして

若宮様がお通りになりました。

真っ暗なので、
気配とシルエットのようなものしか見えません。

若宮様のお神輿がお通りになるときの
けおされるような厳守な空気
若宮様の御気配をなんと表現してよいか
わかりませんが
気配に打たれ、有り難いものでした。

その間、
無言で静かですが、多くの人の気配と熱気
夜空は仄かに明るくて
樹々や、お使いの鹿たちや
見学の人々がシルエットに
なって見えました。

その夜の月と、薄明るい夜空と
遠くで佇む鹿の景色と
若宮様のお渡りのご様子と
夢のような記憶となって
人生で最も美しい瞬間と刻まれています。


お香のお稽古を始めたきっかけは
この時の香りが本当にステキないい香りで
これが、香木の香りなのかと思ったことです。
機会があれば香道のお稽古に行ってみたいな
と思いました。


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