久々のランドナーの話。「最近どうなの」というご心配もあるようですが、まぁ、ダメだったわけで。
ランドナーの駆動系(ワイヤー回り)ですが、現在主流になっている「ワイヤーがボトムブラケットの下を通る」のではなく、『ダウンチューブに沿って降りてきたワイヤーをアウターワイヤーを介してシートチューブのほうに曲げる』昔ながらの方式を取っています。
去年、栃木から渡良瀬を抜けて走ったツーリングの際、コース終盤になって「アウターチェーンリングにチェーンが上がらない」事態が発生しました。シフトレバーは動くのですが、ディレイラーがチェーンを押し上げてくれないんです。ツーリングは無事に終了しましたが、帰宅後(あれやこれやあって)調べてみると、こんなことが。
通常、左側の状態でインナーワイヤーの向きを変えるためのアウターワイヤーをカップで押さえているのですが(図右側)、シフトアップのためインナーワイヤーを引っ張ると、そのカップが動いてしまって(図左側)ディレイラの移動量を稼げていないことが分かりました。これをもとに戻しても(手で曲がるものではないので手荒い解決法ですがハンマーで叩いて直した)、やはりシフトアップすると症状が再発します。修理には溶接し直し、このカップがワイヤーを引く力に負けないよう補強する必要があると思われましたが、溶接はさておきこのままではフレームの再塗装は必至で、ヤレたランドナーなのにフレームだけピカピカ、っていうのも嫌だったし、「Manufrance Randonneur」のステッカーも絶版なので、文字通り「思案投げ首」状態でした。
どうしようかな、どうしようかな、と考えてはいたものの、ツーリングに行くにも他の自転車でなんとか間に合わせていて(この春の諏訪湖一周なども鉄レーサーで間に合わせていた)、放置プレイでしたが、先日山下公園に朝ごはんツーリングした際に、ブログでお世話になっているkenさまから「アウターの固定バンドを使ってみたら」とアドバイスを頂き、早速試してみました。
色々と物色してみましたが、「旧車お助けメーカー」DIACOMPEからステンレスのものが出ていて早速ゲット。3個850円です。これをシフター側にキャップを付けてそこをバンドで締め上げます。
これで(多分)問題なく使えるようになりまして、試運転待ち。ただ100点満点というものでもなく
バンドを固定するネジの丁度真ん中をリヤディレイラのワイヤーが通ることになり、結局バンドの内側を通すことにしました。
固定バンドを探していたときに、ユレの純正バンドが見つかって一瞬心ときめいたのですが、値段とバンド径が合わず見送り。本来こういうところに使うものではないので、純正に拘る部分じゃないよな、という判断。
以下追記
この『Manufrance Randonnerur』の話。
本場から来た個体なので、日本のそれと比べるのもなぁ、と思うのですが「実際のところ、どうなの」という箇所がありまして。
購入時に付いていたチェーンが前52-40、後ろ15-19/4s。さすがに国内のツーリングにこの歯数では心許ないと言って後ろ28-14/5sに換装して納車してもらいましたが、下手をすると今のロードバイクよりもハイ・ギアードです。この辺は普段鉄レーサーで鍛えているのでどうでもよくなりましたが、積載能力について。
フロントラック。ここにフロントバッグが乗るのですが、
なんでラックの上に前照灯が乗っている?!
ここにフロントバッグを置くと、ランプのガードが邪魔。このタイプで見たことがあるのは、もっとデッキ部分が長くてちゃんとバッグが置けるスペースがあって、しかも前照灯がもっとコンパクト。
リヤのラック。
デッキ(ラック上面の平らな部分)からパニヤバッグを下げるのですが、デッキの前端から垂直に線を下すと、その線より後ろ側にカンティレバーブレーキがあります。ココにあるとバッグを取り付けた際に、ブレーキのアームとバッグが擦れてしまいます。今までパニヤバッグを下げることは考えていませんでしたが、ちょっとおかしいよねぇ、くらいの意識はありました。これは設計ミスというより「ランドナーとしてパニヤバッグは装備しない」使い方が前提だったとしか考えられないんですが、ある時
「サクナミさん、コレって『ミシュランのガイドブックに載っている店にちょっと食べに行こうか』なんていう使い方してたんじゃない?」
という話を聞かされまして、すべて腑に落ちたわけです。そのくらいの距離なら大きなバッグも要らないし、峠越えの急峻な山道を走り切れる能力も要らないので、そういう造り方になるよね、と。
購入したほうは『ランドナー即ち(宿泊/野宿含む)ツーリング車』のつもりでいたので、この個体にとって良かったのか悪かったのかちょっと気になるところです。
現在の使い方ではフロントバッグの積載量が限界になってきているので、バッグの更新を考えています。実はフロント+パニヤの3バッグ体制を考えていましたが、この分では微妙な感じですね。
…しかしリヤのラックの使い道orz
こんなことなら早く大騒ぎしておけば良かったとかw
金属パテはカンチレバーブレーキの台座(ブレーキ本体が入るスタッドの部分)の溶接が弱くて空回りしてしまい、ブレーキを留めているボルトが空回りして外せなくなっている話をしたときに「使ってみたら?」と言われたことがありまして、頭の隅にあったことはあったのですが。
今後の検討課題に致します。ありがとうございました。
あとアウターバンドは革でシム作ってます?こだわりがある部分なら仕方ないですが廃チューブをG17で厚み調整した方がずれなくておすすめですよ。革は水分で膨張したりするんでずれやすいんですよ(^^;
おはようございます。
旧車、なかなか思うようにならないのが、これまた愛着もひとしおなんでしょうね。癪だけど・・・
フロントのディレーラーワイヤーの受けをリアを同じような金属の物にして、溶接をお願いしたらどうでしょう。スポットの塗装だけで済むし、また場所からいっても目立たないと思います。
ところで、以前BCCでニューサイクリングのバックナンバーを見ていたら、ランドヌールは、日本でいうランドナー、旅行用自転車では無くて、ブルペ用の自転車なんだそうです。なので、ギア比も高く、最低限の荷物を積む仕様となっているそうです。
アウター留めについては現状、滑り止めに確かに革を挟んでます。湿気などで腐ってくることを考えると、よい方法ではありませんでした。
金属パテについては、引き続き検討中ということで。
ランドヌールについては、そのようなルーツもあるのですね。日本のものとの違いに驚きました。来歴を知ることはとても楽しく、また一段と造詣が深くなります。