森の隠れ家  by KEIZI

森の中の小さな俺の隠れ家。
隠れ家の中は、他人から見れば子供のおもちゃ箱のようにガラクタばかりなのかもしれない。

永遠の不良少年

2009年05月17日 | ひとりごと
新聞に白髪の老人の写真が掲載されていた。
両手にひまわり畑の写真パネルを持ち、力なく寂しげな表情で写っている。
今年2月に奥さんに先立たれたらしい。
手に持っている写真は、夫婦の趣味で撮りためていた奥さんの作品の1つだという。
来月、奥さんの遺作で写真展を開くらしい。

しかし、この老人・・・どこかで見たことがある。
あまりに年老いていたため一瞬気付かなかったが、直ぐに中学校時代の担任だと気付いた。

当時、不良少年だった俺は、この男に何度ぶん殴られたことか・・・。
分厚いグローブのような掌でビンタされた衝撃が、何十年も過ぎた今でもほっぺたに残っているような錯覚さえ覚える。

大嫌いだ・・・。いや、大嫌いだった・・・。

でも・・・認めたくはないが、ヤツには温かいものを感じる部分もあったかもしれない。

大人になった今でも、たまにこの担任のことを思い出すと、「いつか会ったら、絶対にぎゃふんと言わせてやる」と思っていた

しかし、奥さんの遺作を手に寂しげな表情で写っているヤツの写真には、昔のような力強さは全く感じられない。

ちくしょう、爺さんになりやがって・・・こんなジジイ相手じゃ文句も言えねぇじゃねぇか。

新聞の写真を見ていると、あの頃に止まっていた時計が急に動き出したように、ヤツへの気持ちが氷解していくのを感じた・・・。

写真展は来月か・・・。

数十年ぶりに会って
「おい、こらジジイになってんじゃねぇぞ
って気合い入れてきてやるか。

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2 コメント

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Unknown (けろ4)
2009-05-17 18:54:44
思いがけない再会ですね

時間が とがった心を溶かしてくれるってことは 多々あると思います

先生にお会いしたときは ちょっと感動して泣いてくださると 私としては嬉しいです
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けろ4さんへ (ジャック・スパロー)
2009-05-18 04:40:21
再会で「涙」は、ないと思います。
残念ながら・・・

でも、新聞の写真では、あまりにも年老いていたのでショックでした。

私の記憶の中の担任は、いつまでも元気で憎たらしいヤツなんです。
何十年たっていても、再会するときには、そうあってほしかったんです。

そうでないと、「ぎゃふん」と言わせてやれないじゃないですか・・・年寄り相手にいじめているみたいで・・・。
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