版画が好きな私には珍しく、日本画家の登場です。
先日NHKの日曜美術館で「
山河よ ふるさとよ 日本画家 川合玉堂」と題して放映されました。
日本の詩情豊かな自然と、そこで生きる人々の営みを生涯描き続けた川合玉堂(1873-1957)。生誕140年の今年、その全貌に迫る展覧会が開かれている。
玉堂が描くのはいわゆる大自然ではなく、里山のような、自然と人が共存する心温まる世界。田植えにいそしみ、馬とともに峠を越える人々の姿を描いたその絵は、東日本大震災以降さらに多くの人の共感を集めている。
日本人なら誰もが「懐かしい風景」と感じる玉堂の絵。実はそこには、ある工夫が施されている。ありのままの景色を忠実に再現するのではなく、現実の自然や人々の営みを大量にスケッチしたのち、それを改めて再構築し、最高の心象風景を作り上げていったのだ。だからこそ、その絵には普遍的な輝きが宿り、「日本の原風景」として愛されていった。
明治・大正・昭和と画壇をけん引した巨匠・川合玉堂。時代を超え今も多くの人をとらえ、色あせることのない玉堂芸術の神髄に、玉堂の画力に魅せられ続けてきたという気鋭の日本画家・松井冬子さんの読み解きで迫っていく。
日本の自然風景の中にそこで暮らす人々を書き込む画風。
文字通り「日本の原風景」を絵で表現した人です。
川瀬巴水のような「郷愁感」を誘う作風ではありませんが、より写実的でハッとする構図、さらに人物の書き込みはより詳細で、その時代に生きた人々の貴重な記録でもあります。
橋下雅邦を師とし、東山魁夷を芸大の生徒として育てました。
手元にいくつか画集があるのですが、この番組を見てからもっと大きな絵を見たいと思いました。
細かい技や味わいが、画集の小さな絵では把握しきれません。
現在「
生誕140年記念展」を開催しているのですね。
暑いけど、行ってみようかなあ。