私は巨樹巡りが高じて、御神木目的に山の神社巡りをするようになりました。
中には「この道の先に、ホントに神社があるんだろうか・・・」と不安になるような細い無舗装の山道をドライブすることもあります。
実際に、ナビを頼りに進んだら使われていない廃道に誘導された苦いエピソードもあります。
さらに近年、山里にクマが出没するというニュースをチラホラ耳にするようになり、気になってきました。
昨年秋に参拝した山里の神社の入り口には「クマに注意!」という立て看板がありました。
今週末に行く予定の福島県郡山市周辺巨樹巡り、4月にクマが出たというニュースがあり、調べてみると私が予定しているルートに入っていました。
□ (2019年05月15日)クマが国道横断 県内で目撃相次ぐ、二本松や猪苗代(福島民友)
県内で5/14日、クマの目撃が相次いだ。けが人はいなかった。
▼午前7時50分ごろ、二本松市岳温泉4の国道459号を横断する1頭を車で走行中の女性が目撃。二本松署によると、体長約1.5メートル
▼午前10時10分ごろ、猪苗代町の国道49号を横断する1頭を車で走行中の男性が目撃。猪苗代署によると、体長約1メートル
▼午前11時40分ごろ、猪苗代町の国道49号を横断する1頭を車で走行中の女性が目撃。猪苗代署によると、体長約80センチ
▼午後6時ごろ、会津若松市湊町静潟の民家で女性が庭にいる1頭を目撃。会津若松署によると、体長約1メートル。
□ (2019年05月10日)福島・弁天山...また「クマ」目撃 国道4号沿い、注意呼び掛け(福島民友)
9日午前9時25分ごろ、福島市の国道4号沿いの弁天山で、「知人がクマ1頭を目撃した」と同市の80代男性から福島署に通報があった。付近では4日、目撃情報に基づいてクマ1頭が駆除されており、同署や市鳥獣被害対策実施隊などが注意を呼び掛けている。
同署によると、同日午前5時30分ごろ、同市の70代男性が体長50~70センチのクマ1頭を目撃。クマは弁天山西側の市水道局浄水場跡地付近の路上を北東から南西方向の山林に走っていったという。
市は弁天山にある弁天山公園の立ち入りを制限し、同署や同隊、県が広報警戒パトロールを実施。県によると、市の有害捕獲許可でわなを仕掛けたという。付近で子どもの登下校の見守り活動を行っている男性(76)は「クマが頻繁に出没していて驚いている。子どもに危害を加えることがないよう早く捕まえてほしい」と話した。
□ (2019.5.3)クマに襲われ男性重傷 福島(産経新聞)
3日午前7時ごろ、福島県北塩原村の檜原湖沿いの遊歩道で、旅行に来て散歩していた東京都西東京市の地方公務員の男性(64)がクマに襲われ、顔や脚をかまれるなどして重傷を負った。病院に搬送されたが、命に別条はない。
福島県警喜多方署によると、男性は近くのペンションに逃げ込んで助けを求め、ペンションの関係者が119番通報した。クマの大きさや逃げた方向は分かっておらず、同署が周囲に警戒を呼び掛けている。
うむむ・・・山の中にとどまらず、市街地周囲にも出没しているとは・・・クマ対策を確認しておかなくては。
私の子どもの頃は「クマ対策用鈴」を身につけ、出会ってしまったら「死んだふり」をしてやり過ごす、と言われていました。
最近は「人間の存在を知らせるには鈴よりもラジオの方がよい」「クマから目線を外さずに後ずさりして逃げる、走り去ると追ってくるので走るのは厳禁」などと耳にしますね。
ネットで「傾向と対策」を調べてみました;
<参考にしたHP・資料>
①「もし、熊に遭ったら、どうする!本当の熊対策」<講談社発行、アウトドア雑誌「FENEK」2006年10月号掲載記事>
②「死んだふりはNG?実際にあった被害といざという時の熊対策7つ」(YAMA HACK)
まずは日本に生息するクマの種類。
北海道のヒグマと本州のツキノワグマ。
<ヒグマとツキノワグマの違い>(資料①)
日本には2種の熊がおり、羆(学名Ursus arctos「熊」の義)は北海道にのみ、月輪熊(Ursus thibetanus「チベットの熊」の義)は本州以南にのみ現棲している。九州では絶滅したというが、真偽は不明である。
羆は冷涼な、月輪熊は温暖な気候を好む。
月輪熊は首や胸に白毛がある個体が多い。羆にも首や胸に白毛がある個体もある。羆は身体が大きくなると木登りしないが、月輪熊は身体が大きくなっても木に登る。
羆の最大のものは、雄で体長2.4m、体重400kg、雌は体長1.9m、体重169kgである。
月輪熊の最大のものは、雄で体長1.5m、体重120kg、雌は体長1.3m、体重90kgである。
両種とも、発情期(5月下旬~7月上旬)、出産期(1月~2月)、子の数(1~3頭)、養育期間(子が1歳ないし2歳過ぎるまで)とも同じである。
食性も両種ほぼ同じで、草類・木の実・蟻・鳥獣類やその死体・蜂・果樹作物・家畜・魚など・稀に共食いもする。
(ツキノワグマの食性)(資料②)
雑食性ですが、主に植物を主食としています。
昆虫のほか、動物の死骸を食べるなど、他の動物を捕食することもあります。
越冬終了後…ブナやヤマザクラなどの樹木の新芽や若葉、草などを食べる
初夏…山菜、タケノコ、キイチゴ類など
盛夏…アリやミツバチなどの昆虫、動物食の割合が増える
秋・・・ブナやミズナラなどの実、果実など
(ツキノワグマの性格)(資料②)
基本的には臆病な性格で、人間の気配を感じれば、逃げていくのが普通です。
ただし視界の悪いところでバッタリと出会ってしまったり、子どもを連れた母熊が子どもを守ろうとして、人間に対して危害を加える場合があります。食べ物の匂いに非常に敏感で、食べ残しの匂いにつられて近づいてくることもあります。
(ヒグマの食性)(資料②)
ヒグマも雑食性で植物や虫、ドングリなどを食べています。
近年では、数が増えたエゾシカを食べることもあるようですが、積極的に襲って食べているのではなく、狩猟された死肉などを食べているようです。
春から初夏・・・フキなどの植物の若葉など
夏から秋・・・ヤマブドウなどの果実やドングリなど
(ヒグマの性格)(資料②)
陸上に住む動物としては日本最大です。時速50kmほどで走るほか、泳ぐことも、木登りをすることもできます。人よりも身体能力が高いですが、普通は人との接触は避けて暮らしています。ただし、残飯などの食べものの匂いにつられて、人の生活圏に侵入することはあります。人を見たら必ず襲ってくるような攻撃的な動物ではありませんが、遭遇したときは慎重な対応が必要とされます。
本州で出会う可能性のあるツキノワグマは「体長1.5m/体重120kg」ですから、小柄なプロレスラーというイメージ。
食性は「肉食」というイメージが先行していますが、実は「雑食」であり、どちらかというと草食がメインで肉食はオプションという位置づけ。
すると、人間をエサとして食べるために襲ってくるわけではなさそう。
山の中でおとなしく生活しているのに、人間が入ってきて邪魔された、だから追い払う、というスタンスかな。
実際に起きたクマ関連の事件を列挙します;
<熊の出没事件や被害>(資料②)
(2017年6月14日)男性が熊に襲われ額や腕をかまれけが
山梨県都留市で、イノシシを駆除するための罠を確認するため山林に入った男性が、熊に襲われました。男性は額や腕をかまれ負傷をしました。この山林の付近には住宅があり、近所の人は「この辺りで熊に襲われたことに驚きだ」などと話していました。
(2017年6月14日)カメラには養蜂箱を壊す熊の姿が!
青森県八戸市ではこれまでになかった熊の行動が報告されています。かねてよりミツバチの養蜂箱が壊される被害があったため、市は付近に3台のカメラを設置しました。録画された映像には夜間熊が養蜂箱を前足で破壊して中のハチミツを食べる姿がありました。養蜂箱の持ち主は「何十年も養蜂をやっているがこんなことは初めてだ」と話していました。
(2017年6月13日)測量作業中の男性が熊に襲われる
岩手県盛岡市の山中で、測量作業をしていた男性会社員が熊に襲われ左腕と背中にケガを負う事故がおきました。同僚と二人で入山した男性は、木を伐採しているところで熊に襲われました。男性は持っていたハンマーで熊に抵抗、すると熊は去っていきました。男性は熊よけスプレーと鈴を携帯していたそうです。
(2017年5月29日)タケノコ採りの女性、死亡した状態で発見される
秋田県仙北市の山林で、タケノコ採りに来ていた女性が遺体で見つかりました。女性は頭や肩に傷を負っており、状況から熊に襲われたものみられています。女性は年に何度も山菜を採りに山に入っており、熊よけの鈴を付けるなど熊の危険は認識していたそうです。この日も鈴を2つ付けていたことが分かっています。秋田県では2016年の5月から6月にかけて、熊に襲われて4人の人が死亡しています。
(2016年6月15日)島根県で鮎釣りの男性が熊に襲われ指切断
島根県浜田市の八戸川で鮎釣りをしていた男性(63)が、体長1.5mのツキノワグマに襲われ小指を失う重症を負いました。男性は河原で釣りの準備をしていた際、突然正面から熊に襲われたそうです。
(2016年6月12日)鳥取市中心部で熊出没
鳥取市の市街地に近い登山道で、70代の男性ハイカーが熊2頭に遭遇するという事件が発生しました。2頭の体長はいずれも1.5m程度、男性はそのうち1頭に10mほど追いかけられたそうです。
(2016年5~6月)秋田で4人が犠牲に。熊の体内から人体の一部
秋田県では山菜を採りに山へ入った人が相次いで襲われる事故が起こり、4人もの尊い命が失われてしまいました。地元の猟友会員が遺体発見現場付近で熊を発見し射殺。体長1.3mのこの熊の胃の中からは、被害者の体の一部が見つかりました。
(1970年7月)福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件
1970年の北海道カムイエクウチカウシ山で、福岡大学のワンダーフォーゲル部のメンバー5名がヒグマ1頭から執拗な追跡を受け、その結果3名が殺害されてしまいました。
(1915年)三毛別羆事件
およそ100年前の北海道でおきた三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)では、巨大なヒグマが数度にわたり民家を襲い、7名が死亡し3名が重症を負いました。討伐隊によりヒグマは射殺され事件は終焉。日本最大級の動物による獣害事件として現代でも語り継がれています。
頼みの綱のクマ用鈴を持っていても襲われています。
北海道はヒグマですから危険度が高いのは理解できますが、しかし本州のツキノワグマでも死亡事件が発生しています。
何か特殊な状況があったのでしょうか。
<人を襲う原因は3つ>(資料①)
クマが人を襲う原因は3つに大別される。
1.食べる目的で襲う
ことがあり(月輪熊は稀)、この場合は人を執拗に攻撃し、倒した人間をその場で喰うこともあるが、多くは己の安心できる藪の中や窪地や小さな沢地などに人を引きずり込む。
2.戯れ苛立ちから襲う
こともあり、襲う熊は2,3歳の若熊に限られている。この場合は頭を下げ、毛を逆立て半ば白目を出して上目ずかいに人を睨みながらにじり寄り、「ファ!、ファ!」と威嚇しながらちょっかいを掛けてくる。
3.人をその場所から排除するために襲う
ことがあり、その理由は不意に人と出会ったときの不快感から興奮しての先制攻撃(人から反撃されて、熊が直ぐに人から離れ逃げ去る場合はこれである)や、子連れの母熊が子を守るための先制攻撃がある。
この種の事故を予防するには、鈴や笛を鳴らして歩くと良い。 また人が持参している食物や作物家畜などを奪う目的、あるいはすでに確保した物や場所を保持し続けるのに邪魔な人間を排除するために襲う場合もある。それには越冬穴の存在に人が気づかず穴に近づいたために、穴から熊が飛び出し襲ってきたというのもある。
あらら、「食べるために襲う」ことはあるのですね。しかし、ツキノワグマではまれとありちょっと安心。
「たわむれ、ちょっかい」ということもあるようですが、クマにとっては遊びでも人間にとっては“死闘”です。
やはり「子連れには要注意」な様子。子どもを守るために攻撃的になるのは動物(カラスもヒトも)に共通しています。
※ 時季により襲い方がちがう
人に対する熊の襲い方は時季により2つに分けられる。
2月中旬以降の冬籠もり末期と冬籠もり明け直後は、立ち上がる体力がなく這ったまま主に歯で攻撃し易い部位をもっぱら囓る。
これ以外の時季は立ち上がって手の爪で攻撃することが多い。そろそろ秋の山菜採りの時季、この時期の熊も人を襲う場合は、立ち上がって手の爪(手足とも指は5本)で攻撃してくる。熊の手爪は「熊手」の原型となったほど頑健で、手爪は鉤型で長さは6~10cmもある。
これは知りませんでした。
冬眠明けは力が入らないので、腕力(爪力?)よりもかみつき、体力十分なときは“熊手”という凶器で攻撃してくるのですね。
<クマに出会ってしまったら>(資料①)
「死にものぐるいで抵抗反撃すること」。
「死んだふりをするなど論外(意識ある状態で、熊の爪や歯の攻撃にじっと耐えられる人間など誰もいない)」。
鉈(なた)があれば、最善である。鉈で熊の身体のどこでもよいから叩くことだ。そうすれば、熊も痛さを感じ、怯んで、人を襲うのをまず止め、躊躇しながらも立ち去るものである。
既述のように、人と遭遇し興奮して我を忘れて襲ってきた熊は、人の少しの抵抗で、我に返り、そそくさと立ち去るものである。これ以外に「襲い掛かってきた熊を熊撃する確実な方法」はないと思う。「熊の鼻先を叩け」という人がいるが、うまく叩けるものではない。
結局、実戦になったら「なりふり構わず抵抗・反撃する」と本能に任せるしかないようですね。
その際は、武器が必要で「鉈」(なた)がお勧めとのこと。
鉈というのは手持ちの斧のイメージ。
しかし、一般市民はふつう、鉈を持ち合わせていません。
買っておいた方がいいのかな。
ナイフ、あるいは尖ったもので痛みを与えるのではダメなのでしょうか。
かえって興奮して狂暴になるのか、スゴスゴと逃げていくのか、知りたいところです。
<クマに遭遇するかもしれない土地での心得>(資料①)
まず勇猛心を持ち、常に熊と遭遇した場合の対処法を頭に入れ、時々それを思い浮かべながら行動すること
1.必ず
鉈を携帯する(武器として実用的な物であること)
2.音の出る物(ラジオや鈴など)で、常時音を立てて歩くと、辺りの音の異常が感知し難いので、要注意である。それよりも、時々声を出すか、
笛を吹いた方がよいと思う。
3.辺りを充分注視しながら進む。見通せる範囲はもとより、その先の死角部分では、特に歩調をゆっくり遅めて、注視すること。
4.万が一熊に出会ったら
①(20m以上距離がある場合)走らないで、熊の様子を窺いながら、熊から離れること。
②(距離が10数mないし数mしかない場合)その場に止まりながら、話しかけること(最初は普通の音声で、それからは大声で)。そして熊が立ち去るのを待つ。自分も少しずつその場から離れてみる。
5.側にのぼれる木があればのぼり逃げる。襲ってきたら死にものぐるいで鉈で熊の身体のどこでもよいから叩く。
この著者は「鉈は必須」としています。
ラジオや鈴よりも笛がいい、というのは初耳です。
それから、クマとの距離により対応が違い、20m以上ならソロリソロリと立ち去り、それより近くて逃げられないと感じたらなんと「話しかける」とあります。で、できるかなあ。
木登りは圧倒的にクマの方がうまいので、無駄だとテレビで見たことがありますが・・・。
<熊に遭遇した際&被害を避ける対策>(資料②)
◆驚いて大声を出さない◆
突然大きな音をたてると熊も驚き、逆に身を守ろうと襲いかかってくることがあります。悲鳴は“ぐっ”と我慢して冷静に。
◆走って逃げない◆
熊は逃げるものを追いかける習性があります。熊が本気を出せば人間よりも足が速いので、走ってもかないません。熊の方を向きながらゆっくりと後ずさりしてその場を離れてください。
◆死んだふりをしない◆
雑食性の熊は死んだ魚や動物を食べることがあります。倒れて死んだふりをしていると、かえって熊が興味を持って近づいてきてしまう可能性があります。
* 熊に攻撃された場合の対応としては、様々なものがあります。その中で「死んだふり」ではありませんが、背中にリュックを背負った状態でうつぶせになり、手で首や頭を守り、攻撃に耐える対応も有効とされています。
◆熊撃退スプレー◆
熊と遭遇してしまった場合の撃退用として、「熊撃退スプレー」というのが市販されています。万が一遭遇した場合、風向きに注意して、熊の顔に向けて吹きかけます。
◆熊鈴を鳴らす・ラジオをかける◆
前に述べた通り、熊は基本的に人間を避ける習性があります。音を鳴らして人間がいることを知らせ、熊が近寄らないようにする“熊鈴”は、対策として一定の効果があるとされています。ただし秋田の事件にように、熊鈴をつけていた人が襲われてしまったケースもありますので過信は禁物です。
◆なるべく一人の行動を避ける◆
熊に襲われた被害者の多くが、一人でいるところを狙われています。山へはなるべく複数で入り、大きな声で会話をするのが、有効とする専門家もいます。また複数いる場合は万が一襲われたときも応急手当や救助の要請がしやすいというメリットもあります。
◆残飯や生ゴミは絶対に捨てない◆
匂いに敏感な熊は残飯に引き寄せられてしまいます。その結果、本来人を避けるはずの熊と人とが遭遇してしまうのです。野山に食べ物を捨てるのはもってのほかですし、携行する食料もなるべく匂いがしないよう密閉することをお勧めします。
大きな音に反応してクマが襲いかかってくる可能性があるなら、前項の防犯用笛は危ないかもしれませんね。
防犯ブザーも同様。
「クマ撃退スプレー」という商品があることを初めて知りました。amazonでみたら
5000円〜1万円と高価。
こちらのサイトではラジオも推奨しています。「人がたくさんいるようカモフラージュ」という意味ですね。
クマのエサになる食べ物を持ち歩かないこともポイント。携帯食は密封されたものに限定しましょう。
さて、現在手元にあるのは・・・
・クマ対策用鈴
・携帯ラジオ
鉈はこれからホームセンターに行ってみてきます。
・・・行ってきました。
が、鉈もクマ撃退スプレーも売っていませんでした。
アウトドア専門店でないと扱っていないのかな。
ところで、まぶしい光ってどうなんでしょう。
災害対策に小型のLED懐中電灯がたくさん売られていますが、直に光を見るとけっこうまぶしいですよね。
まぶしがらせてクマを撃退、とはなりませんか。
・・・検索してもあまりヒットしませんでした。
結局、ポイントは、
・クマは人を積極的に食べたいわけではない。
・極力出会わないようにする、そのためには鈴やラジオや笛の音で人間の存在を示してクマを近づけない。
・万が一出会ってしまったら、遠目なら刺激しないように立ち去る、近くなら存在感を示して(手を広げて体を大きく見せるなど)クマが立ち去るのを期待する。
・襲われたら本能に任せて必死に戦うしかない。
といったところでしょうか。
なお、クマが里に姿を現すようになった理由は、やはりエサ不足のようです。
□ 昆虫不足が原因!?頻発するクマの出現と猛暑の意外な関係
(FNN報道プライムサンデー:2018年7月30日より抜粋)
・・・なぜ頻繁にクマが人の住む場所に顔を出すようになったのだろうか?そこで秋田市の中でもクマが多く生息している事で知られる山間の集落に向かった。
「人とクマの境界線がなくなった」
秋田市の上新城・小又地区。このエリアに住む人々は山中に山菜を摘みに行ったり、猟を行うなど、クマと長く密接に関わってきた。そんな人たちもクマの変化を敏感に感じていた。
住民は「人とクマの境界線が無くなったな」と話す。
以前は、クマが山の中から出てくることはなかったというが、最近では当たり前のように家の周辺や畑に現れるという。クマの行動範囲に明らかな異変が起きていた。
取材を続けていると「クマが住む山に詳しい」という住民の男性に出会った。その男性は「熊っこなんてしょっちょう会ってるよ。1日に3回会ったこともある」と話すと、私たちをクマの住む山の中に案内してくれた。
林道を進むこと20分。するとクマが住宅街に現れる理由を示す場所があった。
「クルミの実が生っていない」
「ほれ、クルミの木あるべ。でもまったくクルミが生ってない、これが本当に実がない。クマがエサがとれないってこと、だからエサを求めて山の下に降りてくる」と話す男性。
本来ならこの時期にたくさん生っているはずのクルミの実が温暖化による異常気象のせいか生っていなかった。クマのエサとなるはずのクルミの実不足。
猛暑、そして大雨、異例のルートを進む台風…今年、日本列島を襲った異常気象。生態系の専門家は近年の異常気象で山の環境に変化、動物の生態系に異変が起きていることが、クマが住宅地に出現する一つの原因だと語る。
日本熊森協会相談役の主原憲司氏も「温暖化で昆虫が減っているんです。ツキノワグマは昆虫を食べる。そのためクマが下に降りていると考えられます」と分析する。
クマのエサは、ブナやミズナラ、山桜です。
戦後のスギ植林はこれらの林を伐採して減らしてしまったので、気候変動云々の前に、それが主因かも知れませんね。